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覡
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アクアリウスとプルートの二柱と共にある大きな島の、洪水に辛うじて耐え残っていた木々のある場所を拠点にすることになった。
当初は途方も無い仕事ではあったが、植物達をゆっくりと育てつつ広げていき、居眠りなどをしてサボりながら早数百年が経っていたのだ。
だが、神と成った為に時間の感覚が狂ってしまったのか。それとも居眠りをし過ぎた為か。或いは、それ以外の要因なのか。
そんな事は今のロゴス達にはどうでも良い話であった。
《ロゴス様。新たに育ったこの果実達をお食べ下さい》
“う、うむ。感謝する、プルート”
漆黒の甲冑を纏う鎧蟲【プルート】は、王座の如き巨大な樹木の麓に鎮座している獣【ロゴス】にいくつかの果実を献上する。
献上された果実は、どれも多種多様なものであり一つ一つ傷や傷んでもいない新鮮なもの。綺麗な果実、芸術的な果実、歪でありながら地味な果実、その他にも風船の様に膨らんだ果実などだ。
ロゴス達が拠点として住まうこの島国の中央は、既に緑豊かな大地に蘇っており、数百年も経っていれば植物以外にも小動物や昆虫なども出現するものだ。当初は、静かだったが今では鳥の鳴き声や草花が風に揺られる音など一見地味そうではあるものの、それだけでも生活の彩りはあった。
『全てはロゴス様のお力があってこそ。このプルート、ロゴス様に精神全霊でお使え致します』
“いやの?わし、なーんもしておらんからな?ただここで寝転んで食っちゃ寝してるだけじゃから”
『何を仰りますか!ロゴス様が居なければ、拙僧は――――――』
プルートは約数年でロゴスとの念話をマスターし、約数十年で森を蘇らせた。蘇らせる過程で、己の眷属達を生み出している。眷属は殆ど掃除屋と称されるダンゴムシなど昆虫の類だ。因みに数はこの数百年の間で今いる島国から他の大陸まで増殖済みのこと。しかも微生物までも含まれている為、本当に数は不明だ。プルート自身、眷属達にそれぞれ子孫の繁栄と掃除屋としてのみ命令していない為、ほぼ眷属達は自立している。
が、プルートを崇拝する知性と理性を兼ね揃えた眷属はいるのだ。
龍の骨格を持つ巨大な百足や、人間の骨格を持つ女王蜂。そして上半身は女性、下半身が蜘蛛の身体を持つ者、人よりも一回り大きな蝿がプルートの配下である。
その為、プルートは王様の様に威張ったりなどするかと思えばそんな事には興味は無いらしく、ロゴスの使用人の様に今日も働いていたのだ。無論、ロゴスだけではなくアクアリウスも同様に敬うべき存在として接している。それ故にプルートの配下もロゴスとアクアリウスに対しては低姿勢であった。
「主様、これ美味しいですよっ!」
“アクアリウス、お主は変わらんなぁ”
人の服を纏ったアクアリウスは、やはりこの数百年で堅苦しさが減り、今ではロゴスと共にグータラする仲となっている。服はプルートの配下であるアラクネが用意したものらしい。それに彼は姿形が変わらない己に飽きたらしく、アラクネに多種多様な服を作ってファッションショー的な事をしているそうな。
“ふぁ~~~………………にしても何事も無く順調に森を広げられてなによりじゃ”
『ロゴス様、その件で少しお耳に入れてほしい情報が』
“なんじゃ?”
プルートは神妙そうな様子で、報告をする。
かれこれ数百年、特に問題無く過ごしてきたこの森に問題というより変化・・があったのだ。
“―――――なぬ?人、じゃと”
『ハッ!アクアリウス殿の麗しいお姿には及びませぬが、似た姿の生物がこの森麓に現れたと。我が眷属達から報告がありました』
人。
生き残っている可能性は十二分に有り得ると思っていた。元々この広い大地に住んでいた先住民なのだろう。
あくまで森とその付近のみ以外はプルート達は監視していない。それに世界中に着々と緑は広がってはいるが、そこまで監視する必要もないのだ。下手に至る所を監視していると、プルート以外の神達と衝突も有り得てしまう。
現に、150年前に大鯱【ネプトゥーン】が己の住処まで大地を広げた巨人【ユッピテル】に激怒し、そのまま衝突があったのだ。プルート含む神々はこの事態を察知はしたものの、両者の衝突には介入せずある神は傍観を。ある神は己の役目を全うする。
プルート以外は不明だが、己の力を過信している乱暴者もいるかもしれないが故、あまり接触は控える事にしている。やはりこの数百年で自我を確立した神々との接触は嫌な予感しかしない。
ロゴスは、人が現れた事には想定内ではあった。
が、だからとは言え優遇つもりは一切無い。特にこの森を脅かすのであれば尚更排除も厭わない。これ程の時間を費やしているにも関わらず、人の手で破壊されればプルートでも激昂するだろう。
“様子はどうかの”
『森麓に現れた人は小型モンスターを狩り、森の果実を採取し帰っていきました。しかし、あの人共は物珍しそうに果実を採取していたので恐らく―――――』
“また来るじゃろうな”
『人に関して詳しくはないですが、かなり痩せ細っていたと』
“大方、食料を探しに来たのじゃろうな。ここは食物の宝庫じゃし、人以外の生物も多く生息しておる。程々に食料を得るなら、まあわしは構わぬが――――プルートはどうかの”
『拙僧も異論はございませぬ。第一、人だけの侵入を拒む事は進みませぬし……人も生物。ならば常軌を逸しなければ傍観に徹しようかと』
“ならばよいの”
しかしここでお口をもぐもぐさせていたアクアリウスは言う。
「しかし、主様。過去にこの世界を沈めたのは人が原因だったのではないでしょうか。そう考えるとその人も行く行くは森を、世界を滅ぼそうとするかもしれません。傍観よりも監視を。そして変な真似をすれば即効あの人共を―――――」
“待て待てアクアリウス。お主が危惧するのは分かりはするが、今の世では難しいぞ”
ロゴスが人がこの世界の覇権を握るのは極めて難しいと考えていた。何せ、この世はモンスターの中でもプルートを含めた八柱の神々が己の眷属を世界各地にばら撒いているのだ。
大蛇【メルクリウス】は海蛇竜やクラーケンなどの怪物を。
怪鳥【ウェヌス】はシルフやグリフォン、ハーピーという風に長けた妖精、怪物、翼人を。
大狗【マルテ】はイフリートや黒炎犬、火蜥蜴などの火の精霊を。
巨人【ユッピテル】は大地を増やす者やノームなどの土の怪物と精霊を。
スライム【サトゥルノ】はニンフやドリアード、同種の超小型スライム達を。
雲龍【ウラーノ】は炎龍・水龍・雷龍・風龍という四属性を有する龍達を。
大鯱【ネプトゥーン】はウィンディーネやセイレーンなどの波と声を操る精霊と妖精を。
“ちと前に彼奴らの眷属らを見に行った事はあるが――――――中でも【ウラーノ】の眷属らは桁外れじゃ。八柱の眷属中、最も数は少ないのじゃが最強と言っても良いじゃろう。人相手が到底太刀打ちすることも出来ん。あれこそ、自然そのものを相手をするんじゃからな”
「ですが、ロゴス様なら敵ではないでしょう」
『然り、でありますな』
“何じゃ、わしに対するその絶対的な自信は”
そうこうしながら果実を食べ終え、満腹になったアクアリウスは何が閃いたらしくロゴスに相談するのだ。
「そうです、主様っ!ボクが主様の巫女として人共に警告すればいいのですっ!」
“巫女て、お主男じゃぞ。そんな成にしたのはわしで申し訳ないんじゃが”
「――――――ぇ。ボク、主様の巫女に、なれない……?」
“や、やぁの?お主の場合、巫女じゃなくて【覡じゃ】”
「でっ、ではっ!これからボク―――――いいえ!私は【ロゴス大神の覡】アクアリウスと名乗りますっ!」
“……うん、やめて?”
『おぉ、それは素晴らしいっ!ですが、拙僧的に【超越神ロゴスの覡】と名乗るべきかと!アルケー様が唯一お認めになられた、そしてアルケー様と肩を並べられる御方なのですぞっ!』
“ぇ、なにこわいやめて?”
「流石です、プルートっ!【超越神ロゴスの覡】アクアリウス――――誠心誠意、お仕えします!では、今から人共に警告を――――――」
“の、のぅ、わしの話聴いてる?聴いてないよね!?”
『し、失礼しましたロゴス様。ですが無視をした訳では』
“まあよい………………って、む?アクアリウスは”
『既に人の元へ行ってしまったのでは』
“…………まじかの”
アクアリウスは既に、風や水が流れるが如くその場から姿を消している。ロゴスは、この後何が起こるか予想が出来ずに間抜けな表情で絶望するのであった。
当初は途方も無い仕事ではあったが、植物達をゆっくりと育てつつ広げていき、居眠りなどをしてサボりながら早数百年が経っていたのだ。
だが、神と成った為に時間の感覚が狂ってしまったのか。それとも居眠りをし過ぎた為か。或いは、それ以外の要因なのか。
そんな事は今のロゴス達にはどうでも良い話であった。
《ロゴス様。新たに育ったこの果実達をお食べ下さい》
“う、うむ。感謝する、プルート”
漆黒の甲冑を纏う鎧蟲【プルート】は、王座の如き巨大な樹木の麓に鎮座している獣【ロゴス】にいくつかの果実を献上する。
献上された果実は、どれも多種多様なものであり一つ一つ傷や傷んでもいない新鮮なもの。綺麗な果実、芸術的な果実、歪でありながら地味な果実、その他にも風船の様に膨らんだ果実などだ。
ロゴス達が拠点として住まうこの島国の中央は、既に緑豊かな大地に蘇っており、数百年も経っていれば植物以外にも小動物や昆虫なども出現するものだ。当初は、静かだったが今では鳥の鳴き声や草花が風に揺られる音など一見地味そうではあるものの、それだけでも生活の彩りはあった。
『全てはロゴス様のお力があってこそ。このプルート、ロゴス様に精神全霊でお使え致します』
“いやの?わし、なーんもしておらんからな?ただここで寝転んで食っちゃ寝してるだけじゃから”
『何を仰りますか!ロゴス様が居なければ、拙僧は――――――』
プルートは約数年でロゴスとの念話をマスターし、約数十年で森を蘇らせた。蘇らせる過程で、己の眷属達を生み出している。眷属は殆ど掃除屋と称されるダンゴムシなど昆虫の類だ。因みに数はこの数百年の間で今いる島国から他の大陸まで増殖済みのこと。しかも微生物までも含まれている為、本当に数は不明だ。プルート自身、眷属達にそれぞれ子孫の繁栄と掃除屋としてのみ命令していない為、ほぼ眷属達は自立している。
が、プルートを崇拝する知性と理性を兼ね揃えた眷属はいるのだ。
龍の骨格を持つ巨大な百足や、人間の骨格を持つ女王蜂。そして上半身は女性、下半身が蜘蛛の身体を持つ者、人よりも一回り大きな蝿がプルートの配下である。
その為、プルートは王様の様に威張ったりなどするかと思えばそんな事には興味は無いらしく、ロゴスの使用人の様に今日も働いていたのだ。無論、ロゴスだけではなくアクアリウスも同様に敬うべき存在として接している。それ故にプルートの配下もロゴスとアクアリウスに対しては低姿勢であった。
「主様、これ美味しいですよっ!」
“アクアリウス、お主は変わらんなぁ”
人の服を纏ったアクアリウスは、やはりこの数百年で堅苦しさが減り、今ではロゴスと共にグータラする仲となっている。服はプルートの配下であるアラクネが用意したものらしい。それに彼は姿形が変わらない己に飽きたらしく、アラクネに多種多様な服を作ってファッションショー的な事をしているそうな。
“ふぁ~~~………………にしても何事も無く順調に森を広げられてなによりじゃ”
『ロゴス様、その件で少しお耳に入れてほしい情報が』
“なんじゃ?”
プルートは神妙そうな様子で、報告をする。
かれこれ数百年、特に問題無く過ごしてきたこの森に問題というより変化・・があったのだ。
“―――――なぬ?人、じゃと”
『ハッ!アクアリウス殿の麗しいお姿には及びませぬが、似た姿の生物がこの森麓に現れたと。我が眷属達から報告がありました』
人。
生き残っている可能性は十二分に有り得ると思っていた。元々この広い大地に住んでいた先住民なのだろう。
あくまで森とその付近のみ以外はプルート達は監視していない。それに世界中に着々と緑は広がってはいるが、そこまで監視する必要もないのだ。下手に至る所を監視していると、プルート以外の神達と衝突も有り得てしまう。
現に、150年前に大鯱【ネプトゥーン】が己の住処まで大地を広げた巨人【ユッピテル】に激怒し、そのまま衝突があったのだ。プルート含む神々はこの事態を察知はしたものの、両者の衝突には介入せずある神は傍観を。ある神は己の役目を全うする。
プルート以外は不明だが、己の力を過信している乱暴者もいるかもしれないが故、あまり接触は控える事にしている。やはりこの数百年で自我を確立した神々との接触は嫌な予感しかしない。
ロゴスは、人が現れた事には想定内ではあった。
が、だからとは言え優遇つもりは一切無い。特にこの森を脅かすのであれば尚更排除も厭わない。これ程の時間を費やしているにも関わらず、人の手で破壊されればプルートでも激昂するだろう。
“様子はどうかの”
『森麓に現れた人は小型モンスターを狩り、森の果実を採取し帰っていきました。しかし、あの人共は物珍しそうに果実を採取していたので恐らく―――――』
“また来るじゃろうな”
『人に関して詳しくはないですが、かなり痩せ細っていたと』
“大方、食料を探しに来たのじゃろうな。ここは食物の宝庫じゃし、人以外の生物も多く生息しておる。程々に食料を得るなら、まあわしは構わぬが――――プルートはどうかの”
『拙僧も異論はございませぬ。第一、人だけの侵入を拒む事は進みませぬし……人も生物。ならば常軌を逸しなければ傍観に徹しようかと』
“ならばよいの”
しかしここでお口をもぐもぐさせていたアクアリウスは言う。
「しかし、主様。過去にこの世界を沈めたのは人が原因だったのではないでしょうか。そう考えるとその人も行く行くは森を、世界を滅ぼそうとするかもしれません。傍観よりも監視を。そして変な真似をすれば即効あの人共を―――――」
“待て待てアクアリウス。お主が危惧するのは分かりはするが、今の世では難しいぞ”
ロゴスが人がこの世界の覇権を握るのは極めて難しいと考えていた。何せ、この世はモンスターの中でもプルートを含めた八柱の神々が己の眷属を世界各地にばら撒いているのだ。
大蛇【メルクリウス】は海蛇竜やクラーケンなどの怪物を。
怪鳥【ウェヌス】はシルフやグリフォン、ハーピーという風に長けた妖精、怪物、翼人を。
大狗【マルテ】はイフリートや黒炎犬、火蜥蜴などの火の精霊を。
巨人【ユッピテル】は大地を増やす者やノームなどの土の怪物と精霊を。
スライム【サトゥルノ】はニンフやドリアード、同種の超小型スライム達を。
雲龍【ウラーノ】は炎龍・水龍・雷龍・風龍という四属性を有する龍達を。
大鯱【ネプトゥーン】はウィンディーネやセイレーンなどの波と声を操る精霊と妖精を。
“ちと前に彼奴らの眷属らを見に行った事はあるが――――――中でも【ウラーノ】の眷属らは桁外れじゃ。八柱の眷属中、最も数は少ないのじゃが最強と言っても良いじゃろう。人相手が到底太刀打ちすることも出来ん。あれこそ、自然そのものを相手をするんじゃからな”
「ですが、ロゴス様なら敵ではないでしょう」
『然り、でありますな』
“何じゃ、わしに対するその絶対的な自信は”
そうこうしながら果実を食べ終え、満腹になったアクアリウスは何が閃いたらしくロゴスに相談するのだ。
「そうです、主様っ!ボクが主様の巫女として人共に警告すればいいのですっ!」
“巫女て、お主男じゃぞ。そんな成にしたのはわしで申し訳ないんじゃが”
「――――――ぇ。ボク、主様の巫女に、なれない……?」
“や、やぁの?お主の場合、巫女じゃなくて【覡じゃ】”
「でっ、ではっ!これからボク―――――いいえ!私は【ロゴス大神の覡】アクアリウスと名乗りますっ!」
“……うん、やめて?”
『おぉ、それは素晴らしいっ!ですが、拙僧的に【超越神ロゴスの覡】と名乗るべきかと!アルケー様が唯一お認めになられた、そしてアルケー様と肩を並べられる御方なのですぞっ!』
“ぇ、なにこわいやめて?”
「流石です、プルートっ!【超越神ロゴスの覡】アクアリウス――――誠心誠意、お仕えします!では、今から人共に警告を――――――」
“の、のぅ、わしの話聴いてる?聴いてないよね!?”
『し、失礼しましたロゴス様。ですが無視をした訳では』
“まあよい………………って、む?アクアリウスは”
『既に人の元へ行ってしまったのでは』
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