転生するなら人間がいいな〜なんて思ってる場合?

獣野狐夜

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【レオン・グラヴェラ】編

1日目 赤い石

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※とても残虐な表現を含むよ!
苦手な人は見ないでね!



















『あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!うう!!いやあああ……。』
「にぃーほーん♪」
ぐしゃあ
『い”い”い”い”い”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!うう……ううっ……やめでえぇえ…。』
「さーんぼーん♪」
ぐしゃり
『あ”あ”あ”あ”はあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!!!いやああああああああ!!!やめっ………もうっ…………ごめっ!!』

ぐしゃり、と骨と肉が潰れる音がする。
溢れ出る血は、生臭い匂いを放っていた。
一人の女性は、悶え、苦しんでいた。
それを男性は、ただ愉快に、笑っていた。
拷問を、玩具で遊ぶ子供のように、楽しそうに。
まだ小さい僕は、見ているしか無かった。

僕は元々捨て子だった。
僕を拾ったのは、マリアさんという人だった。
僕は、生まれながら猫獣人だったし、マリアさんも猫獣人だ。
僕には、マリアさんの実の娘でもある、ミリアお姉さんと、お父さんのデニスさんがいた。
僕達はどこで変わったのかな。

ある日、デニスお父さんは、麻薬にハマったんだ。
会社のストレスに困ってたデニスお父さんは、会社の同僚に勧められた麻薬に手を出してしまった。
しかも、高級な麻薬だった。
デニスお父さんにはいつしか、お金が無くなってしまった。
食卓には煮干し1人1匹と、ごはんを大さじ1杯分だけが並んでいた。

まだそれだけなら良かったんだ。
お父さんは、麻薬を買うために、ついに自分の指を売り始めた。
毎晩部屋から聞こえる気持ち悪い音、そして生臭い匂い。
お父さんは、狂ったんだ。

いつしか、お母さんとお姉さんはお父さんを避けるようになった。
そして事件は起きたんだ。

お父さんは、お姉さんを拐った。
僕は、こっそりお父さんに着いてったんだ。僕の手には、お父さんから貰った小さな小さな赤い石。
お父さんは、お姉さんを壁に結び付けて、何かを取りだした。

取り出したのは、ボロボロになったサバイバルナイフ。
それをお姉さんの指に当てて…。

「まずいっぽんめぇー♪」
『やめて……お父さん……お願いやめ
ぐしゃ
『あがあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!!!!!!!』
お姉さんの苦しむ声。
お父さんの奇妙な笑い声。
びしゃびしゃと、何かが溢れる音がする。
ボトッと鈍い音がする。
生臭い匂いがする。
目の前には赤が広がる。

お姉さんは息を引き取った。
お父さんは、お姉さんのハートをとったんだ。
僕は、忘れられない。

あの日、持っていた小さな小さな赤い石は、お姉さんのが入ったんだ。

お父さんは、その後消えた。
お母さんは、人間を憎んだ。
僕は、お姉さんを忘れた。
忘れようとした。
忘れられなかった。
あの、赤い赤い宝石が、ある限り。
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