転生するなら人間がいいな~

獣野狐夜

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第参章 陰キャの心、熱を出す

6節目 過去想いし火竜との戦

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まず、すぐに私とアリサペアが爆炎の門ネザーを潜る。
そしてそこに爆炎の竜カリスが佇んでいた。
がっしりとした体、鋼より硬い鱗、獲物を見るかのような鋭い目。
こいつは確実に敵だ。しかし、なにか引っかかる。のは私だけかな。と考えているうちにカリスは先生攻撃を仕掛けた。
まずカリスは爆炎吐息ファイアーブレスを仕掛けた。
私とアリサは少しだけ火傷したが、無事。とりあえず回復魔法で治すが、まだ門を潜らず、準備中のレオンたちに八割炎が行ってしまった。
だがしかし、門の手前で弾かれた。
どうやら門を潜らずに攻撃を受けそうになっても、門を潜らないと戦闘ができない仕組みシステムらしい。
つまり、カリスは潜った者挑戦者以外に攻撃ができない。じゃあくぐってない人も攻撃できる確率は低いねと思った。
そうなると有利すぎる気がして。
まぁとりあえず剣に【戦闘者タタカウヒト】を付与してみる。
《特殊剣【青狐長剣ブルートランスフォームロングソード】にウルトラスキル【戦闘者タタカウヒト】を付与します。》
攻撃力が大幅に増えた。感覚的には5倍ぐらい。
てかぶっつけ本番で付与できるかやったのにできるのか。びっくりしたぁ。
そして、アリサから万能横笛マスターフルートの特殊効果を付与してもらった。
さらに格段に攻撃力が上がった。
カリスもそれに気づいたのか、目付きが鋭くなった気がする。
こうして本格的に戦いが始まる…。



*******

ユキたちが最初に門を潜った。
あのドラゴンの攻撃がここへ来た時はさすがに焦ったけど、門に結界?のようなものが張り巡らされてあったので、攻撃はあたらなかった。いや本当に良かった。
ユキの剣?がなんか不思議な輝きを放った直後、生前ニートでナマケモノだったとは思えないようなキレッキレの動きでドラゴンを斬りつけた。
てか、キレキレすぎて面白い。写真撮ろーっと。
そんな能天気でいると、ドラゴンの傷が数分後に完全回復してしまった。
『え、マジでぇ!?』
結構やばい状態だったし、
あたしとレオンのチームが増援として門を潜った。
てか助けないと。ユキがやられちゃう!
レオンくんが魔法を唱えている間に、あたしはアリサちゃんと一緒にレオンくんとユキを支えるように支援魔法を付与する。
えっと、これかな?【機械操作】ってやつ!
うーん、【機械操作】!!と念じると付与されるのかな?
とりあえずレオンくんは氷属性の魔法をドラゴンに当ててる。どうやら効いているみたいだ。
なんでかって、ユキの付けた傷はすぐに回復のに、レオンくんの付けた傷は全然回復しないからね。
うう、早く終わって欲しいな。
あたしはそう願うばかりだ。

☆☆☆☆☆☆☆

ワタシの“名”はカリス。
これは、10年前の事である。
ワタシは当時、名無しの魔物だった。
その頃、とある冒険者に倒され、瀕死の状態で彷徨っていた。
その冒険者は、
ワタシが傷ついて、飢え死ぬ定めを受け入れようとしていた。
すると、一人の娘がワタシに近寄った。
そやつは空音ソラネとっ名乗っていた。
その小娘がワタシに向かって、『あなた、名無しの魔物よね?私はソラネ。あなた、飢えているみたいね。こんな強そうなのにどうしたのかしら?とりあえず名前と食事をあげるから、そのかわり私のお願いを聞いてくれる?』
と優しく言ってきた。
ワタシは内容が偉そうだったことに少しイラついたけど、現在は餓死寸前で瀕死の状態。
声すら出ない状況の私を助けてくれたのだから、刃向かえない。
ワタシは枯れそうな低い声で『わか……った……食事を……。』と申し出た。藁にすがる思いだった。
それしか今のワタシにはできなかった。
今のワタシは瀕死。もしこの小娘ではなかったら、ワタシはトドメを刺されていたかもしれない。それほど弱っていた。
それでも今は小娘の言葉を信じるしかなかった。
小娘はワタシを連れて空を飛び、知らない城に連れてかれた。
ワタシは机に座らされた。
すると小娘がワタシに肉をくれた。
ワタシは餓死寸前だったので、かぶりついた。

お腹いっぱい食べた後、『おい、ソラネといったな。そのお願いを聞く前に、名をくれ。』と言った。
小娘は『いいわよ。うーん…じゃあ、《カリス》はどう?』と言った。
するとワタシの魂の中に何かが刻まれたような気がした。
ワタシはその小娘に感謝した。
そして、小娘は私に護衛を任せた。
ワタシは小娘、いや彼女のために忠誠を尽くすことにした。
そしていつか恩返しをすることを決めた。
しかし、小娘はワタシを地獄の山脈ネザーマウンテンズへ置いていき、遠くの地へ旅立った。
ワタシはまだ恩返しができなかった。
こんなにも助けてもらったのに、ワタシは彼女になにもできなかった。
ただもらってばかりだったワタシは、彼女に恩返しができなかったのだ。
しかし、いつかはお礼がしたかった。
この命が絶たられないように慎重に生きて来た。
死ぬことは許されない。たとえ彼女が許してくれようが、ワタシ自身が許せなかった。それが漢というものだ。

それがワタシの日記に書いてあったことだ。
ワタシはいつしか、彼女の事を忘れていた。ただ、小娘に恩返しをすることのみ、覚えていた。
10年前の彼女、その娘を探すことにしたのだ。

今は、六人の冒険者の相手をしている。
剣士はまだ大丈夫だが、魔法使いの氷攻撃がとても痛い。
ワタシはまだ死にたくなかった。
いや、死ねない。ここでは死ねないのだ。
まだあの小娘…彼女にお礼ができていないのだ。
お礼をせずに死にゆくことは、地獄へ落ちるより嫌なものだった。
それがワタシの願いだった……。

そして、何故かあの狐の剣士には懐かしさを感じた。
前世であったことのあるような面影である。
前世?ワタシは何を考えているんだ。
しかし、妙に既視感のある娘だ。

ワタシは、大切な何かを忘れていた。

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