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①
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「リリア、君との婚約は破棄させてもらうよ」
「え……」
それは突然のことだった。
婚約者のアイゼン様に呼び出されたと思ったら、開口一番に婚約破棄を言い渡されてしまった。
困惑する私に、アイゼン様は続けて言う。
「理由は言うまでもないだろうが、あえて言っておこう。これで最後になるだろうからね」
アイゼン様はギロっと私を睨むように見る。
その視線に私は身体をぶるっと震わせる。
「私が君との婚約を受け入れていたのは、君が聖女だったからだ」
そんなことは最初からわかっていた。
彼が私を好きではないことくらい。
「この国において……いや、この世界で聖女という存在は大きい。彼女たちが私たち人間にもたらす物こそ必要だ。君もその一人、価値ある人間だと思っていたんだ……なのに」
「アイゼン様……」
「君には失望したよ、リリア」
アイゼン様の冷たい声が脳裏に響く。
失望。
その言葉が、私に胸に突き刺さる。
「聖女だから婚約を結んだ……だが君はハズレだ。聖女の癖に、君がやれることは何だい?」
「それは……」
「自分で言えないのか? それはそうだろうね。そんな力、他に誇れるものじゃない。嫌聖女でなければ違ったかもしれないが……聖女が生き物と会話できるだけなんて、何の役に立つ?」
「っ……」
聖女にはそれぞれ生まれ持った個性がある。
得意不得意と言い換えても良い。
例えは光を操れる聖女がいたり、炎を生み出せる聖女がいたり。
癒す力、奇跡を起こす力は当然持っていて、それ以外に何が出来るかが聖女としての優劣を現す。
私の場合、それが役に立たない力だった。
「で、ですがどうして今なのですか? あまりにも急すぎて」
「そうでもないよ。僕はずっと探していたんだ。君の代わりをね? そして現れてくれたよ、僕に相応しい女性が」
そう言って、アイゼン様が一歩横に退く。
彼の後ろに立っていたのは、思いもよらぬ人物だった。
「ご機嫌よう、お姉さま」
「アリス……? どうして貴女が」
「彼女が僕の新しい婚約者だよ」
「え……アリスが? でもアリスは――」
聖女ではない。
言いかけた所で、私はありえない物を見てしまう。
神に選ばれた証……聖女の刻印が、彼女の胸元に見えた。
「え……」
それは突然のことだった。
婚約者のアイゼン様に呼び出されたと思ったら、開口一番に婚約破棄を言い渡されてしまった。
困惑する私に、アイゼン様は続けて言う。
「理由は言うまでもないだろうが、あえて言っておこう。これで最後になるだろうからね」
アイゼン様はギロっと私を睨むように見る。
その視線に私は身体をぶるっと震わせる。
「私が君との婚約を受け入れていたのは、君が聖女だったからだ」
そんなことは最初からわかっていた。
彼が私を好きではないことくらい。
「この国において……いや、この世界で聖女という存在は大きい。彼女たちが私たち人間にもたらす物こそ必要だ。君もその一人、価値ある人間だと思っていたんだ……なのに」
「アイゼン様……」
「君には失望したよ、リリア」
アイゼン様の冷たい声が脳裏に響く。
失望。
その言葉が、私に胸に突き刺さる。
「聖女だから婚約を結んだ……だが君はハズレだ。聖女の癖に、君がやれることは何だい?」
「それは……」
「自分で言えないのか? それはそうだろうね。そんな力、他に誇れるものじゃない。嫌聖女でなければ違ったかもしれないが……聖女が生き物と会話できるだけなんて、何の役に立つ?」
「っ……」
聖女にはそれぞれ生まれ持った個性がある。
得意不得意と言い換えても良い。
例えは光を操れる聖女がいたり、炎を生み出せる聖女がいたり。
癒す力、奇跡を起こす力は当然持っていて、それ以外に何が出来るかが聖女としての優劣を現す。
私の場合、それが役に立たない力だった。
「で、ですがどうして今なのですか? あまりにも急すぎて」
「そうでもないよ。僕はずっと探していたんだ。君の代わりをね? そして現れてくれたよ、僕に相応しい女性が」
そう言って、アイゼン様が一歩横に退く。
彼の後ろに立っていたのは、思いもよらぬ人物だった。
「ご機嫌よう、お姉さま」
「アリス……? どうして貴女が」
「彼女が僕の新しい婚約者だよ」
「え……アリスが? でもアリスは――」
聖女ではない。
言いかけた所で、私はありえない物を見てしまう。
神に選ばれた証……聖女の刻印が、彼女の胸元に見えた。
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