抜きゲーみたいな世界に転生した童貞〔オレ〕は嫁を100人作ると決心した!※決心しただけなので出来るとは言っていない。でも出来なきゃ死ぬらしい

日之影ソラ

文字の大きさ
6 / 40
第一章 転生したけど死にそう

急募! 森から出る方法②

しおりを挟む
 『一夫多妻ハーレムライク』。

 レベルに応じて複数の女性と結婚することができる。
 この加護がなかれば、何もする前に人生終了になるところだった。

「でもこれ、まだ十人しか結婚できないぞ?」
「レベルが足りないからですよ」
「加護にもレベルがあるのか……どうやったら上がるんだ?」
「そっちのレベルは世界への貢献度で上がります。世界にとっていいことをすればポイントが溜まるので、誰か助けたり、魔王でも倒せばいいんじゃないですか」

 簡単に言いやがるな。
 一つ目はともかく、魔王倒すとか無理だろ。
 そもそも魔王がいるのか?
 
 どうやら加護と肉体で別々のレベルが存在するらしい。
 肉体のほうは、モンスターを倒して経験値を得ると上昇するとか。
 他のも加護以外にスキルや魔法が存在しているが、今のままだと習得もできない。
 習得するには戦うことが仕事である騎士か冒険者になる必要がある。
 その手続きをするためにも、まずはどこかの街に行きたいところだが……。

「ここがどこかもわからないんだよなぁ……」

 俺たちが強制転移されたのは過酷な森の中だ。
 道らしい道はなく、探索するにも強力なモンスターがうじゃうじゃいて、無暗に外へ出れば殺されるのがオチだ。
 
「なんとかしてモンスターを避けつつ、森の外に出られないか?」
「じゃあ偵察に行ってください。ついでに食料も取ってきてくれると嬉しいです」
「よしわかった。逃げ道が見つかってもお前はここに置いていく」
「ちょっとごめんなさい! 冗談です! 見捨てないでくださいよー!」

 穴から出て行こうとした俺の身体に、情けなくサラスが抱き着いてくる。

「うるさいひっつくな! 天使ならモンスターくらい倒せるだろ!」
「無理ですよ! 天使だから癒す力はあっても戦う力はないんですから! 馬鹿なんですか!」
「こいつ……」

 マジでここに置き去りにしようかな。
 とか、罵り合いをしていられる状況でもない。
 事実、俺もサラスも限界が近い。
 食料はほとんどない。
 近くにあったまっずい木の実で空腹をしのいでいたけど、ついになくなってしまった。
 このままじゃ一か月を待たず餓死する。
 やはり早急に、このどこだかわからない森を抜ける必要がある。

「よし……行くぞ」
「え? どこにですか?」
「どこでもいい。とにかく森を出るんだよ!」
「出るって、道もわからないのに? 迷子になっておしまいですよ」
「だったらお前はここに残れ。俺一人で出るから」
「いやー! 一人にしないでくださいよぉ!」

 腕に絡みつくダメ天使を引きずりながら、俺は隠れていた木の根の穴を出る。
 周りにモンスターの気配はない。
 慎重に、できるだけ音を立てず、気配を殺して進んでいく。
 
 こういう時、千里眼とか未来視とか。
 森の出口がわかる力を持っていたら便利なんだけど……。
 あいにく女神様から貰ったもう一つの加護は、道案内には使えない。
 どころか普通の戦闘でも、今のままじゃ役に立つか微妙だ。
 
「くそっ、なんかもっとこう、ドカーンと一発でかい攻撃ができる加護とかくれよ」
「あなたの才能の無さが原因じゃないですか?」
「なんだとてめぇ!」
「く、首絞め……事実を言っただけじゃないですかぁ……」

 とことん失礼な発言を繰り返すクソ天使をどうしようか考えていると、どこからかドシンと大きな音が聞こえた。
 俺とサラスはビクッと身体を震わせる。
 明らかにモンスターの足音だ。
 しかも大きくて、近い。

「は、離れるぞ」
「早く行きましょうよ!」

 鉢合わせないように逃げようとした矢先、悲劇は起こる。
 近い近いとは思っていたけど、まさか……もう目の前にいるなんて思わないだろ?
 俺たちの眼前に、一つ目の巨人が仁王立ちしていた。
 視線を下げて、俺たちに気づく。

「う、うおおおおおおおおおおおおおお」
「嫌あああああああああああああ」

 俺たちは一斉に逃げた。
 こういう時、俺たちの行動は一貫している。
 とにかく逃げる。
 まっすぐ背を向けて、全速力で。
 それ以外に生き残る方法はなかったから。
 ただし相手は巨大なモンスター、一回の跳躍で俺たちが逃げる方向へと飛び、立ちふさがる。

「う、嘘だろ!」

 この巨体で俺たちより速く移動できるのかよ!
 一つ目に青い肌、手にはこん棒?
 ゲームで何度か見たけど、たぶんサイクロプスとかいうモンスターだろ!

「どど、どうするんですか! 追いつかれちゃいましたよ!」
「っ……」

 逃げてもまた追いつかれる。
 こうなったら……。

「やってやるよコンチクショー!」

 サイクロプスがなんぼのもんじゃい! 
 こっちには女神様から授かった加護があるんじゃ!

 俺は両目を見開く。

 第一の加護『弱点開示ウィークスポッター』。
 その効果は文字通り、相手の弱点を見つけることができる。
 加護を発動した俺の眼は青く光る。
 視界にはうっすらと、サイクロプスの弱点が視覚化されていた。
 光っているのは目だ。

 それ以上の情報は……ない。
 レベルが低いと一か所しか表示されないらしい。
 目なんて誰でも弱点だろ!
 と、心の中で盛大にツッコミを入れる。

「あーもう! こうなったらやけだ!」

 俺は近くに転がっていた大きめの石を拾い上げる。
 昔から、コントロールには自信があるんだ。
 大きく振りかぶって、相手の弱点に向かって石を思いっきり上げ飛ばした。

「おりゃああああああああ!」

 投げ飛ばされた石はサイクロプスの弱点である眼球に直撃する。
 目を瞑って痛がるサイクロプスに俺は吠える。

「どうだがこらぁ!」
「――ウゥ……グオオオオオオオオオオオオオオオ!」

 サイクロプスは激怒した。
 それはもう、激しく怒っていらっしゃった。
 まぁ当然だよね?
 石ぶつけた程度で倒せるとか、弱点でもありえないよね。
 うん、わかってたよ。

「ちょっと何してるんですか! 全然効いてない上に怒らせてどうするんです!」
「うるさいな! これが俺の精一杯なんだよ!」
「これだから童貞は!」
「今童貞関係ねーだろうが!」

 無意味に罵り合っていると、怒れるサイクロプスがこん棒を振り上げる。

「「ぎゃああああああああああ! 誰か助けてええええええええええ!」」

 俺とサラスは涙目になりながら抱き合い、心の底から助けを呼んだ。
 どこかもわからない森の中だ。
 助けを呼んだところで誰もこない。
 ほとんど諦めムードだ。

 短かったな……俺の新しい人生。

「おっ! なんかみーつけたっ!」
「……へ?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

うちの冷蔵庫がダンジョンになった

空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞 ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。 そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

器用貧乏な赤魔道士は、パーティーでの役割を果たしてないと言って追い出されるが…彼の真価を見誤ったメンバーは後にお約束の展開を迎える事になる。

アノマロカリス
ファンタジー
【赤魔道士】 それは…なりたい者が限られる不人気No. 1ジョブである。 剣を持って戦えるが、勇者に比べれば役に立たず… 盾を持ってタンクの役割も出来るが、騎士には敵わず… 攻撃魔法を使えるが、黒魔道士には敵わず… 回復魔法を使えるが、白魔道士には敵わず… 弱体魔法や強化魔法に特化していて、魔法発動が他の魔道士に比べて速いが認知されず… そして何より、他のジョブに比べて成長が遅いという… これは一般的な【赤魔道士】の特徴だが、冒険者テクトにはそれが当て嵌まらなかった。 剣で攻撃をすれば勇者より強く… 盾を持てばタンクより役に立ち… 攻撃魔法や回復魔法は確かに本職の者に比べれば若干威力は落ちるが… それを補えるだけの強化魔法や弱体魔法の効果は絶大で、テクトには無詠唱が使用出来ていた。 Aランクパーティーの勇者達は、テクトの恩恵を受けていた筈なのに… 魔物を楽に倒せるのは、自分達の実力だと勘違いをし… 補助魔法を使われて強化されているのにもかかわらず、無詠唱で発動されている為に… 怪我が少ないのも自分達が強いからと勘違いをしていた。 そしてそんな自信過剰な勇者達は、テクトを役立たずと言って追い出すのだが… テクトは他のパーティーでも、同じ様に追い出された経験があるので… 追放に対しては食い下がる様な真似はしなかった。 そしてテクトが抜けた勇者パーティーは、敗走を余儀無くされて落ち目を見る事になるのだが… 果たして、勇者パーティーはテクトが大きな存在だったという事に気付くのはいつなのだろうか? 9月21日 HOTランキング2位になりました。 皆様、応援有り難う御座います! 同日、夜21時49分… HOTランキングで1位になりました! 感無量です、皆様有り難う御座います♪

処理中です...