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16.5 能天気な令嬢の叫び
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アビーが側妃のいる別宮に言っている頃、ポメラは国王陛下に呼び出されていた。
ポメラは何も悪いことなんてしていない。アビーに会うなと言われたから、アビーには会っていない。少しお出かけをしたけれど、怒られるようなことなんて何一つしていないから大丈夫。心配そうにしているお父様と一緒にポメラは王城に向かった。
謁見の間に入ると、相変わらず不機嫌そうな顔をした国王陛下がいた。カーテシーをすると、国王陛下は早速話し始める。
「ゼッシュからお前のことで話があった」
「……ポ……、わたしのことで、ですか?」
どんな話をしたのかしら。前に会った時、とても怒っていたから、ポメラの悪口を言ったの? それともポメラとアビーを会わせてくれるようにしてくれたとか?
「ゼッシュという恋人がいるのに、お前はわしの息子のシドロフェスを誘惑したらしいな」
「ゆ、誘惑なんてしていません! シドロフェス殿下が勝手にわたしを好きになったんですぅ!」
これは本当の話よ。アビーの婚約者だったから紹介してもらって、それからシドロフェス殿下がポメラを好きになったのよ!
「シドロフェスがお前を勝手に好きになっただけなら断れば良かっただろう。それなのに二重結婚をしようとしたのだろう?」
国王陛下ったら、しっかり覚えていたのね。
「あれはシドロフェス殿下が可哀想だと思ったからですぅ。それに第二王子殿下の気持ちを子爵令嬢が断れるわけが内ではないですか!」
「息子に気を遣ったと言いたいのか」
「気を遣ったと言いますか、恥をかかせないようにしたかったのです」
うるうる目で国王陛下を見つめてみる。普通の男性ならこれで落ちるけれど、国王陛下には意味がなかった。
「お前の言い分はわかった。だが、わしはお前を許すわけにはいかない」
「……え?」
「ポメラ・ブライトン、お前はオブラン王国の間者とみなし、今すぐに拘束する」
「……は? 間者?」
どういうこと? どうしてポメラがオブラン王国のスパイになってるのよ!
「ご、誤解です! ポメラは何もしていません!」
「ゼッシュはこう言っていた。お前はオブラン王国にアビゲイルを渡したくて、シドロフェスを誘惑し、ゼッシュの心を弄んだのだとな」
「ち、違います! そんなこと考えていません!」
ポメラは、ポメラは……っ、ただ、みんなの注目を浴びたかっただけなのっ!
必死に訴えたけれど、ポメラは兵士に両腕を掴まれて、謁見の間から出された。
ポメラはこれからどうなるの? 嫌よ! 惨めな生活を送るのも、殺されるのも絶対に嫌!
誰か助けて!
ポメラは何も悪いことなんてしていない。アビーに会うなと言われたから、アビーには会っていない。少しお出かけをしたけれど、怒られるようなことなんて何一つしていないから大丈夫。心配そうにしているお父様と一緒にポメラは王城に向かった。
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「ゼッシュからお前のことで話があった」
「……ポ……、わたしのことで、ですか?」
どんな話をしたのかしら。前に会った時、とても怒っていたから、ポメラの悪口を言ったの? それともポメラとアビーを会わせてくれるようにしてくれたとか?
「ゼッシュという恋人がいるのに、お前はわしの息子のシドロフェスを誘惑したらしいな」
「ゆ、誘惑なんてしていません! シドロフェス殿下が勝手にわたしを好きになったんですぅ!」
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国王陛下ったら、しっかり覚えていたのね。
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「息子に気を遣ったと言いたいのか」
「気を遣ったと言いますか、恥をかかせないようにしたかったのです」
うるうる目で国王陛下を見つめてみる。普通の男性ならこれで落ちるけれど、国王陛下には意味がなかった。
「お前の言い分はわかった。だが、わしはお前を許すわけにはいかない」
「……え?」
「ポメラ・ブライトン、お前はオブラン王国の間者とみなし、今すぐに拘束する」
「……は? 間者?」
どういうこと? どうしてポメラがオブラン王国のスパイになってるのよ!
「ご、誤解です! ポメラは何もしていません!」
「ゼッシュはこう言っていた。お前はオブラン王国にアビゲイルを渡したくて、シドロフェスを誘惑し、ゼッシュの心を弄んだのだとな」
「ち、違います! そんなこと考えていません!」
ポメラは、ポメラは……っ、ただ、みんなの注目を浴びたかっただけなのっ!
必死に訴えたけれど、ポメラは兵士に両腕を掴まれて、謁見の間から出された。
ポメラはこれからどうなるの? 嫌よ! 惨めな生活を送るのも、殺されるのも絶対に嫌!
誰か助けて!
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