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25 もうおやめくださいね
シーノが文句を言っている背後で、ノーム男爵夫妻はレナリナの持っている袋に注目していた。
袋の中には複数の種が入っており、その種があれば自分たちも儲けることができると考えた。
実際はレナリナの魔力に反応して種が増えるだけなのだが、男爵夫妻はそのことを知らない。
どうすればレナリナから袋を奪えるか考えていた。
ムーディのほうは、ここでレナリナを助ければ自分の名誉挽回になるのではと思い、シーノに話しかける。
「今日のところはもう帰ろう。他の人に迷惑だよ。それにレナリナだって困っている」
「何を言っているの? 彼女が嘘をついているのよ!」
「嘘かどうかはわからないだろ。レナリナ、安心してくれ。ちゃんと僕が連れて帰るから」
ムーディは爽やかな笑みを浮かべて、レナリナを見つめた。
(どういう風の吹き回しかしら)
レナリナは怪しく思いながらも、帰ってほしいことは確かなので頭を下げる。
「よろしくお願いします。そして、もう二度と私の前に現れないでくださいませ。遠くから、お二人の幸せを願っております」
「い、いや、そういう意味じゃ……」
焦ったムーディを男爵夫妻が急かす。
「おい、ムーディ、今日のところは帰ろう」
「そうよ。ご迷惑のようだから帰りましょう」
「二人共、一体どうしたんですか!?」
ついさっきまでは、レナリナと復縁しろと言っていた二人が急に意見を変えたことに、ムーディは驚いていた。
しかし、両親の考えがコロコロ変わるのは、今に始まったことではないと思って諦める。
「レナリナ、シーノを帰らせるから、もう一度、僕に会ってくれないか?」
「条件付きだとおっしゃるなら、護衛に頼んで排除してもらいますが?」
「排除ですって!? レナリナ! あなたが貴族の私に向かって失礼すぎるわ!」
すごい剣幕で怒り始めたシーノに、レナリナは椅子から立ち上がって謝罪する。
「無礼な発言についてはお詫びいたします。ですが、これ以上ここに居座るとおっしゃるのであれば、騎士を呼び、あなたを営業妨害で捕まえてもらいます」
「そ、そんな……っ」
騎士に捕まった場合、罰を受けるか保釈金を払わないと解放してもらうことができない。
保釈金を払うとなると、両親に頼まねばならない上に、社交界でも噂が広がってしまう。
さすがにまずいと思ったシーノは、怒りを鎮めてレナリナに背を向けた。
「今日のところは許してあげるわ」
「ありがとうございます。お互いに不快な思いをしないよう、私の所へ足を運ぶのはもうおやめくださいね」
「ええ、そうね! リヴェン様の所に通わせてもらうわ!」
シーノはふんっと鼻を鳴らして歩き出した。ムーディは名残惜しそうにしながらも、シーノを追っていく。
ノーム男爵夫妻も後を追ったが、去っていく際にもう一度、レナリナの袋に目を向けていた。
(普通の人なら奪おうだなんて考えない。だけど、ノーム男爵夫妻は金の亡者だから、盗んででも手に入れようとするでしょうね)
レナリナはダミーの袋を手に載せて苦笑した。
袋の中には複数の種が入っており、その種があれば自分たちも儲けることができると考えた。
実際はレナリナの魔力に反応して種が増えるだけなのだが、男爵夫妻はそのことを知らない。
どうすればレナリナから袋を奪えるか考えていた。
ムーディのほうは、ここでレナリナを助ければ自分の名誉挽回になるのではと思い、シーノに話しかける。
「今日のところはもう帰ろう。他の人に迷惑だよ。それにレナリナだって困っている」
「何を言っているの? 彼女が嘘をついているのよ!」
「嘘かどうかはわからないだろ。レナリナ、安心してくれ。ちゃんと僕が連れて帰るから」
ムーディは爽やかな笑みを浮かべて、レナリナを見つめた。
(どういう風の吹き回しかしら)
レナリナは怪しく思いながらも、帰ってほしいことは確かなので頭を下げる。
「よろしくお願いします。そして、もう二度と私の前に現れないでくださいませ。遠くから、お二人の幸せを願っております」
「い、いや、そういう意味じゃ……」
焦ったムーディを男爵夫妻が急かす。
「おい、ムーディ、今日のところは帰ろう」
「そうよ。ご迷惑のようだから帰りましょう」
「二人共、一体どうしたんですか!?」
ついさっきまでは、レナリナと復縁しろと言っていた二人が急に意見を変えたことに、ムーディは驚いていた。
しかし、両親の考えがコロコロ変わるのは、今に始まったことではないと思って諦める。
「レナリナ、シーノを帰らせるから、もう一度、僕に会ってくれないか?」
「条件付きだとおっしゃるなら、護衛に頼んで排除してもらいますが?」
「排除ですって!? レナリナ! あなたが貴族の私に向かって失礼すぎるわ!」
すごい剣幕で怒り始めたシーノに、レナリナは椅子から立ち上がって謝罪する。
「無礼な発言についてはお詫びいたします。ですが、これ以上ここに居座るとおっしゃるのであれば、騎士を呼び、あなたを営業妨害で捕まえてもらいます」
「そ、そんな……っ」
騎士に捕まった場合、罰を受けるか保釈金を払わないと解放してもらうことができない。
保釈金を払うとなると、両親に頼まねばならない上に、社交界でも噂が広がってしまう。
さすがにまずいと思ったシーノは、怒りを鎮めてレナリナに背を向けた。
「今日のところは許してあげるわ」
「ありがとうございます。お互いに不快な思いをしないよう、私の所へ足を運ぶのはもうおやめくださいね」
「ええ、そうね! リヴェン様の所に通わせてもらうわ!」
シーノはふんっと鼻を鳴らして歩き出した。ムーディは名残惜しそうにしながらも、シーノを追っていく。
ノーム男爵夫妻も後を追ったが、去っていく際にもう一度、レナリナの袋に目を向けていた。
(普通の人なら奪おうだなんて考えない。だけど、ノーム男爵夫妻は金の亡者だから、盗んででも手に入れようとするでしょうね)
レナリナはダミーの袋を手に載せて苦笑した。
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