44 / 49
43 関係ありません
レナリナの姉と兄は、今までは無害な存在だった。年が離れていることもあり、姉は四年前に嫁いでいたため、ここ最近は顔を合わせることはなかった。
兄はどちらかというと両親寄りの考え方でレナリナとは合わなかった。
そんなこともあり、レナリナは兄と姉が公園にやって来た時、かなり警戒していた。
昼過ぎにやってきた二人は、両親と違い、騒ぐつもりはないようでレナリナの仕事が終わるまで、大人しく近くのベンチに座っていた。
その日の営業が終わり、レナリナがメイドたちと共に片付けを始めると、二人はレナリナに話しかけた。
「あなたが私たちの来訪を迷惑だと思っていることは知っているわ。だけど、話を聞いてほしいの」
警戒する騎士とメイドに「大丈夫よ」と伝えて、片づけを任せて、少し離れた場所に移動した。もちろん、騎士も同行してくれている。
姉の容姿は、両親の良いところだけ引き継いだかのように、モデル体型で美しい顔立ちをしている。
腰よりも長いストレートの髪を揺らし、姉は、レナリナの返事を待たずに冷たい声で指示する。
「レナリナ、あなた、住む所がないんでしょう? いつまでもヨテルカ侯爵に甘えるのはやめて、とりあえず国に戻って実家に住みなさいよ」
初っ端から痛いところを突かれたレナリナだったが、動揺せずに答える。
「もう私は縁を切られたのです。あなた方に気にしていただくような身分ではございません。私のことはお気になさらないでください」
「そういうわけにはいかないのよ。あなたのせいで、私の評判も悪くなっているんだから」
「そうだぞ。大体、こうなるまでは子爵邸に住んでいただろ。今まで世話になった分の恩返しをしろよ」
中肉中背で父と似たような顔立ちの兄は、姉の横で不機嫌そうに言った。
彼は両親と同じく、レナリナの力で金もうけをしようとしている一人である。
(本性が出たというところかしら)
レナリナはため息を吐いて首を横に振る。
「恩返しをされる権利を放棄したのはオーリンズ子爵夫妻です。私にはもう関係ありません」
「お前っ!」
兄がレナリナに手を伸ばそうとしたと同時に騎士が動いた。
だが、それよりも速く動いたのはダンだった。
レナリナが危ないと察したダンは、管状花部分から多くの種をレナリナの兄の顔に向けて飛ばしたのだった。
兄はどちらかというと両親寄りの考え方でレナリナとは合わなかった。
そんなこともあり、レナリナは兄と姉が公園にやって来た時、かなり警戒していた。
昼過ぎにやってきた二人は、両親と違い、騒ぐつもりはないようでレナリナの仕事が終わるまで、大人しく近くのベンチに座っていた。
その日の営業が終わり、レナリナがメイドたちと共に片付けを始めると、二人はレナリナに話しかけた。
「あなたが私たちの来訪を迷惑だと思っていることは知っているわ。だけど、話を聞いてほしいの」
警戒する騎士とメイドに「大丈夫よ」と伝えて、片づけを任せて、少し離れた場所に移動した。もちろん、騎士も同行してくれている。
姉の容姿は、両親の良いところだけ引き継いだかのように、モデル体型で美しい顔立ちをしている。
腰よりも長いストレートの髪を揺らし、姉は、レナリナの返事を待たずに冷たい声で指示する。
「レナリナ、あなた、住む所がないんでしょう? いつまでもヨテルカ侯爵に甘えるのはやめて、とりあえず国に戻って実家に住みなさいよ」
初っ端から痛いところを突かれたレナリナだったが、動揺せずに答える。
「もう私は縁を切られたのです。あなた方に気にしていただくような身分ではございません。私のことはお気になさらないでください」
「そういうわけにはいかないのよ。あなたのせいで、私の評判も悪くなっているんだから」
「そうだぞ。大体、こうなるまでは子爵邸に住んでいただろ。今まで世話になった分の恩返しをしろよ」
中肉中背で父と似たような顔立ちの兄は、姉の横で不機嫌そうに言った。
彼は両親と同じく、レナリナの力で金もうけをしようとしている一人である。
(本性が出たというところかしら)
レナリナはため息を吐いて首を横に振る。
「恩返しをされる権利を放棄したのはオーリンズ子爵夫妻です。私にはもう関係ありません」
「お前っ!」
兄がレナリナに手を伸ばそうとしたと同時に騎士が動いた。
だが、それよりも速く動いたのはダンだった。
レナリナが危ないと察したダンは、管状花部分から多くの種をレナリナの兄の顔に向けて飛ばしたのだった。
あなたにおすすめの小説
「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と私を嫌う夫に言われましたので、素直に従った結果……
ぽんた
恋愛
「おれがおまえの姉ディアーヌといい仲だということは知っているよな?ディアーヌの離縁の決着がついた。だからやっと、彼女を妻に迎えられる。というわけで、おまえはもう用済みだ。そうだな。どうせだから、異母弟のところに行くといい。もともと、あいつはディアーヌと結婚するはずだったんだ。妹のおまえでもかまわないだろう」
この日、リン・オリヴィエは夫であるバロワン王国の第一王子マリユス・ノディエに告げられた。
選択肢のないリンは、「ひきこもり王子」と名高いクロード・ノディエのいる辺境の地へ向かう。
そこで彼女が会ったのは、噂の「ひきこもり王子」とはまったく違う気性が荒く傲慢な将軍だった。
クロードは、幼少の頃から自分や弟を守る為に「ひきこもり王子」を演じていたのである。その彼は、以前リンの姉ディアーヌに手痛い目にあったことがあった。その為、人間不信、とくに女性を敵視している。彼は、ディアーヌの妹であるリンを憎み、侍女扱いする。
しかし、あることがきっかけで二人の距離が急激に狭まる。が、それも束の間、王都が隣国のスパイの工作により、壊滅状態になっているいう報が入る。しかも、そのスパイの正体は、リンの知る人だった。
※全三十九話。ハッピーエンドっぽく完結します。ゆるゆる設定です。ご容赦ください。
「仲睦まじい夫婦」であるはずのわたしの夫は、わたしの葬儀で本性をあらわした
ぽんた
恋愛
サヤ・ラドフォード侯爵夫人が死んだ。その葬儀で、マッケイン王国でも「仲睦まじい夫婦」であるはずの彼女の夫が、妻を冒涜した。その聞くに堪えない本音。そんな夫の横には、夫が従妹だというレディが寄り添っている。サヤ・ラドフォードの棺の前で、夫とその従妹はサヤを断罪する。サヤは、ほんとうに彼らがいうような悪女だったのか?
※ハッピーエンド確約。ざまぁあり。ご都合主義のゆるゆる設定はご容赦願います。
〖完結〗では、婚約解消いたしましょう。
藍川みいな
恋愛
三年婚約しているオリバー殿下は、最近別の女性とばかり一緒にいる。
学園で行われる年に一度のダンスパーティーにも、私ではなくセシリー様を誘っていた。まるで二人が婚約者同士のように思える。
そのダンスパーティーで、オリバー殿下は私を責め、婚約を考え直すと言い出した。
それなら、婚約を解消いたしましょう。
そしてすぐに、婚約者に立候補したいという人が現れて……!?
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話しです。
〖完結〗旦那様には本命がいるようですので、復讐してからお別れします。
藍川みいな
恋愛
憧れのセイバン・スコフィールド侯爵に嫁いだ伯爵令嬢のレイチェルは、良い妻になろうと努力していた。
だがセイバンには結婚前から付き合っていた女性がいて、レイチェルとの結婚はお金の為だった。
レイチェルには指一本触れることもなく、愛人の家に入り浸るセイバンと離縁を決意したレイチェルだったが、愛人からお金が必要だから離縁はしないでと言われる。
レイチェルは身勝手な愛人とセイバンに、反撃を開始するのだった。
設定はゆるゆるです。
本編10話で完結になります。
小石だと思っていた妻が、実は宝石だった。〜ある伯爵夫の自滅
みこと。
恋愛
アーノルド・ロッキムは裕福な伯爵家の当主だ。我が世の春を楽しみ、憂いなく遊び暮らしていたところ、引退中の親から子爵家の娘を嫁にと勧められる。
美人だと伝え聞く子爵の娘を娶ってみれば、田舎臭い冴えない女。
アーノルドは妻を離れに押し込み、顧みることなく、大切な約束も無視してしまった。
この縁談に秘められた、真の意味にも気づかずに──。
※全7話で完結。「小説家になろう」様でも掲載しています。
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ
Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。
理由は決まって『従妹ライラ様との用事』
誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。
「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」
二人の想いは、重なり合えるのだろうか ……
※他のサイトにも公開しています。