13 / 20
13 あんたじゃないのよ!(ラブ視点)
「どうして上手くいかないのよ!」
私は家に帰るとすぐに部屋に戻り、持っていた鞄を机に投げつけるように置いた。
なぜかべリアーナが関わると上手くいかなくなる。まさか、クラスの女性陣に嫌われているとは思っていなかった。みんな、私の可愛さを羨ましがっていて、憧れの存在だから離れていったのだと思っていた。
私はゲームのヒロインでみんなに愛される存在なのに、どうして私が悪役みたいになってるの!?
公式が推していたヒーローのレオン殿下は転校させられちゃったし、隠しルートで出てくるはずのディーク様は、知らない間にべリアーナと仲良くなって彼女の味方になっている。彼がノルン公爵家を継ぐだなんて話も、ゲームの中では一切出てこなかった!
「どこを間違ったの? ああ、腹が立つ! べリアーナがゲーム通りに動いてくれていたなら選択肢は完ぺきだったはずなのに!」
ゲーム上のべリアーナはヒロインが好きになる男性を好きになるキャラクター。ヒーローが好きすぎてヒロインに意地悪をしてしまい、そのことが原因でヒーローに嫌われる。そして断罪だ。
べリアーナは転生者だったのに、処刑という未来を回避できない。そういうシナリオだった。なら、今回の転生者だって、ゲーム通りに動かなくちゃいけないはずなのに!
鍵付きの机の引き出しにしまっておいたノートを取り出す。私が転生したのは2年ほど前だ。記憶は薄れていくから、忘れない内にゲームのことをメモしていた。
ゲームでは同じ時期にべリアーナも転生している。だから、べリアーナの中に入っている誰かも同じはずだわ。
十年以上前に流行ったレトロなゲームだけど、ハマる人はハマり続けて今もプレイし続けている人もいるし、未だに私のような新規のプレイヤーもいる、幅広い年代に受けているゲームだ。
「……ってことは、べリアーナの中身はババアってこと!?」
若い私には三十代後半以上はババアだ。
「そっか。そういうことね。ババアだからあんなに落ち着いていられるんだわ」
相手がババアなら、余計に負けられない。攻略対象者キャラの一人である、辺境伯令息のビフィズス菌……じゃない。ビフィル様は私の虜だから上手く使っていかなくちゃ。
正直言うと彼は好みじゃないから、早くディーク様ルートに行きたい! だけど、その前にべリアーナを何とかしないと!
「見てなさいよ。べリアーナ! ヒロインは私! 悪役令嬢はあんたよ! ヒーローに溺愛されるのは私であってあんたじゃないのよ!」
私はノートに自分で書いたべリアーナの似顔絵に向かって、そう叫んだのだった。
私は家に帰るとすぐに部屋に戻り、持っていた鞄を机に投げつけるように置いた。
なぜかべリアーナが関わると上手くいかなくなる。まさか、クラスの女性陣に嫌われているとは思っていなかった。みんな、私の可愛さを羨ましがっていて、憧れの存在だから離れていったのだと思っていた。
私はゲームのヒロインでみんなに愛される存在なのに、どうして私が悪役みたいになってるの!?
公式が推していたヒーローのレオン殿下は転校させられちゃったし、隠しルートで出てくるはずのディーク様は、知らない間にべリアーナと仲良くなって彼女の味方になっている。彼がノルン公爵家を継ぐだなんて話も、ゲームの中では一切出てこなかった!
「どこを間違ったの? ああ、腹が立つ! べリアーナがゲーム通りに動いてくれていたなら選択肢は完ぺきだったはずなのに!」
ゲーム上のべリアーナはヒロインが好きになる男性を好きになるキャラクター。ヒーローが好きすぎてヒロインに意地悪をしてしまい、そのことが原因でヒーローに嫌われる。そして断罪だ。
べリアーナは転生者だったのに、処刑という未来を回避できない。そういうシナリオだった。なら、今回の転生者だって、ゲーム通りに動かなくちゃいけないはずなのに!
鍵付きの机の引き出しにしまっておいたノートを取り出す。私が転生したのは2年ほど前だ。記憶は薄れていくから、忘れない内にゲームのことをメモしていた。
ゲームでは同じ時期にべリアーナも転生している。だから、べリアーナの中に入っている誰かも同じはずだわ。
十年以上前に流行ったレトロなゲームだけど、ハマる人はハマり続けて今もプレイし続けている人もいるし、未だに私のような新規のプレイヤーもいる、幅広い年代に受けているゲームだ。
「……ってことは、べリアーナの中身はババアってこと!?」
若い私には三十代後半以上はババアだ。
「そっか。そういうことね。ババアだからあんなに落ち着いていられるんだわ」
相手がババアなら、余計に負けられない。攻略対象者キャラの一人である、辺境伯令息のビフィズス菌……じゃない。ビフィル様は私の虜だから上手く使っていかなくちゃ。
正直言うと彼は好みじゃないから、早くディーク様ルートに行きたい! だけど、その前にべリアーナを何とかしないと!
「見てなさいよ。べリアーナ! ヒロインは私! 悪役令嬢はあんたよ! ヒーローに溺愛されるのは私であってあんたじゃないのよ!」
私はノートに自分で書いたべリアーナの似顔絵に向かって、そう叫んだのだった。
あなたにおすすめの小説
『病弱な幼馴染を優先してください』と言った妻が消えた翌日、夫は領地の会計書類が全て白紙になっていることに気づいた
歩人
ファンタジー
侯爵家に嫁いで五年。ルチアは夫エミルの領地会計・社交・使用人管理を全て一人で担ってきた。だがエミルはいつも幼馴染のアリーチェを優先する。「アリーチェは体が弱いんだ、お前とは違う」——その言葉を百回聞いた日、ルチアは微笑んで離縁届に署名した。「ええ、私は丈夫ですから。どうぞ幼馴染様をお大事に」。翌朝、エミルが目にしたのは——税務報告の締切、領民からの陳情の山、そして紅茶の淹れ方すら知らない自分。三ヶ月後、かつて「地味な妻」と呼ばれたルチアは、辺境伯の財務顧問として辣腕を振るっていた。
善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です
しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。
完結 王族の醜聞がメシウマ過ぎる件
音爽(ネソウ)
恋愛
王太子は言う。
『お前みたいなつまらない女など要らない、だが優秀さはかってやろう。第二妃として存分に働けよ』
『ごめんなさぁい、貴女は私の代わりに公儀をやってねぇ。だってそれしか取り柄がないんだしぃ』
公務のほとんどを丸投げにする宣言をして、正妃になるはずのアンドレイナ・サンドリーニを蹴落とし正妃の座に就いたベネッタ・ルニッチは高笑いした。王太子は彼女を第二妃として迎えると宣言したのである。
もちろん、そんな事は罷りならないと王は反対したのだが、その言葉を退けて彼女は同意をしてしまう。
屈辱的なことを敢えて受け入れたアンドレイナの真意とは……
*表紙絵自作
『姉に全部奪われた私、今度は自分の幸せを選びます ~姉の栄光を支える嘘を、私は一枚ずつ剥がす~』
六角
恋愛
復讐はしない。——ただ「嘘」を回収する。 礼儀と帳簿で宮廷の偽りを詰ませる“監査官令嬢”の華麗なる逆転劇。
王家献上宝飾の紛失事件で濡れ衣を着せられ、家族にも婚約者にも捨てられて追放された子爵家次女リリア。 数年後、彼女は王妃直属の「臨時監査官」として、再び宮廷の土を踏む。
そこで待っていたのは、「慈愛の聖女」として崇められる姉セシリアと、彼女に心酔する愚かな貴族たち。しかし、姉の栄光の裏には、横領、洗脳、そして国を揺るがす「偽造魔石」の陰謀が隠されていた。
「復讐? いいえ、これは正当な監査です」
リリアは感情に流されず、帳簿と証拠、そして真実を映す「プリズム」を武器に、姉が築き上げた嘘の城を一枚ずつ剥がしていく。 孤立無援の彼女を支えるのは、氷のように冷徹な宰相補佐レオンハルトと、豪快な近衛騎士団長カミュ。 やがてリリアは、国中を巻き込んだ姉の洗脳計画を打ち砕き、自分自身の幸せと、不器用な宰相補佐からの溺愛を手に入れる——。
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
婚約破棄? 私、この国の守護神ですが。
國樹田 樹
恋愛
王宮の舞踏会場にて婚約破棄を宣言された公爵令嬢・メリザンド=デラクロワ。
声高に断罪を叫ぶ王太子を前に、彼女は余裕の笑みを湛えていた。
愚かな男―――否、愚かな人間に、女神は鉄槌を下す。
古の盟約に縛られた一人の『女性』を巡る、悲恋と未来のお話。
よくある感じのざまぁ物語です。
ふんわり設定。ゆるーくお読みください。
【完結】魔力の見えない公爵令嬢は、王国最強の魔術師でした
er
恋愛
「魔力がない」と婚約破棄された公爵令嬢リーナ。だが真実は逆だった――純粋魔力を持つ規格外の天才魔術師! 王立試験で元婚約者を圧倒し首席合格、宮廷魔術師団長すら降参させる。王宮を救う活躍で副団長に昇進、イケメン公爵様からの求愛も!? 一方、元婚約者は没落し後悔の日々……。見る目のなかった男たちへの完全勝利と、新たな恋の物語。
【完結80万pt感謝】不貞をしても婚約破棄されたくない美男子たちはどうするべきなのか?
宇水涼麻
恋愛
高位貴族令息である三人の美男子たちは学園内で一人の男爵令嬢に侍っている。
そんな彼らが卒業式の前日に家に戻ると父親から衝撃的な話をされた。
婚約者から婚約を破棄され、第一後継者から降ろされるというのだ。
彼らは慌てて学園へ戻り、学生寮の食堂内で各々の婚約者を探す。
婚約者を前に彼らはどうするのだろうか?
短編になる予定です。
たくさんのご感想をいただきましてありがとうございます!
【ネタバレ】マークをつけ忘れているものがあります。
ご感想をお読みになる時にはお気をつけください。すみません。