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26 怪しい気がします
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お医者様は安静にしていれば、本調子になるまでに時間はかかるかもしれないけれど、回復していくだろうと診断してくださいましたので、忘れない内に旦那様にジャスミンと話をしていた話をしてみる事にしました。
「あの、旦那様」
「どうした?」
「元気になられてからで良いのですが、寝室を一緒にするのはどうでしょう?」
「は?」
「一緒にすれば、今回の様な異変にも気付けるかと…」
「今日からでも、いや、今からでもいいぞ」
「はい?」
横になっていた旦那様が飛び起きるようにして、身を起こされたので、驚いて聞き返すと、旦那様は興奮した様子で言われます。
「そうだな。ここ最近は仕事をしすぎた気がする。エレノアと一緒に眠る事によって疲れが癒せそうだ」
「え、えーと、そう言っていただけると、ありがたくはありますが、旦那様は本当に良いのですか?」
「何がだ?」
「一人で眠りたいとか、そういう事は…」
「別にエレノアと同室になる事は嫌じゃない。よし、善は急げだな。まずは部屋の準備をさせよう」
旦那様が使用人を呼ぼうとされましたので、慌てて止めます。
「旦那様、毒をもられたばかりじゃないですか。もう少し、慎重になさっては? それに、毒をもったと思われる人物を探し出さなくてはいけないですし」
「言い出したのは君だろう」
「それはそうなんですが、まさか、こんなにあっさりと頷かれるとは思っていませんでした」
「そ、それはだな…」
焦った顔をされる旦那様に聞いてみます。
「もしかして、今回の事で、一人で眠る事が怖くなってしまわれたのですか?」
よっぽど、辛かったのかもしれません。
それはそうですよね。
死んでしまうかもしれないという恐怖に一人で戦っておられたのですから。
「いや、そういう訳ではないが…」
「私なんかで良ければ、一緒にいますからね。もし、旦那様が中々、寝室に来られないようでしたら確認しに行く様にしますので」
「いや、君が待っていてくれるなら、そんなに夜遅くまで仕事を頑張るつもりはない。夜に一緒にいられる様に昼に仕事を頑張ればいいだけだ。もしくは早起きする」
「無理はなさらないで下さいね」
「もちろんだ」
旦那様は頷いた後、また、使用人を呼ぼうとされるので、慌てて大事な話をする事にします。
「あの、旦那様。昨日のお茶を持ってきてくれたのは、どなたかわかりますか?」
「……ちょっと待ってくれ」
まだ本調子ではない旦那様に、こんな話をするのもどうかと思いますが、また、同じ様な事が起きないように、犯人を捕まえねばなりません。
屋敷の誰かだと思いたくはありませんが、屋敷の誰かではないと、そんな事は出来ないのです。
「昨日は、そういえば、ラムダが持ってきてくれた様な気がしたな。だから、ラムダに…」
「旦那様、少し不思議に思っていたのですが、ラムダ様は旦那様の犬化を知りませんが、旦那様がいなくなった時に犬がいるという事は、知っていらっしゃるのでしょうか?」
「それは知っているかもしれないな。使用人が気付き始めているのだから、ラムダが気付き始めていてもおかしくない」
「……ですよね? それなのに、ラムダ様はどうして犬の旦那様が倒れているのに放置していたんでしょう?」
私の質問に旦那様が眉根を寄せて聞き返してきます。
「ラムダが怪しいと?」
「だってそうではないですか? 犬が苦しそうにしていたら、普通は誰かに話すものではないでしょうか? しかも、旦那様と何らかの関係がありそうな犬なんですよ? それなのに、ソファーに寝かせたままにしておくなんておかしいです! それに、旦那様の声も聞こえないのでしょう? という事はちょっと怪しい気がします」
人を疑う様な真似はあまりしたくありませんが、どうしてもラムダ様の行動は私には不自然な様に思えました。
「まあ、それはそうかもしれないな。かといって、犬を放置していたからといって、罪にはならないだろう? 例えば、屋敷で飼っている犬と認めていたら別だが、神出鬼没な犬だからな」
「屋敷で飼っている犬と言ってしまいますと、世話係などがつけられますし、そうなると、もう旦那様の犬化は秘密ではなくなりますね」
「君が来るまでは、頻繁に犬になっていたわけではなかったから、そう怪しまれていなかったのかもしれないが、君が来てから、俺はよく犬になってしまっているからな」
「申し訳ございません」
「言い方が悪かった。別に、君のせいだと言ってるんじゃない。君がここに来てくれて嬉しいのは確かだ」
優しく微笑んで言って下さったので、少しだけ気持ちが楽になりました。
「でも、私が調子にのって旦那様に犬になる様にお願いしたせいで、仕事の事もそうですし、色々な人に迷惑をかけてしまっています」
「妻のワガママをきくのも、夫の務めだ」
「旦那様は犬化の事がなければ、きっと私なんかよりも素敵な方を奥様に出来たのでしょうね」
微笑んで言うと、旦那様はなぜか眉を寄せます。
「俺は君で良かったと思っているんだが?」
「ですが、私は家族にまで変わり者だと言われているんですよ?」
「人間には合う合わないがある。エレノアは俺にとって、合う人物だと思う」
「あ、ありがとうございます」
真剣な目で見つめられてしまったからか、何だかドキドキしてしまい、俯いてからお礼を言って、話を戻します。
「まずは、メイドに話を聞く様にいたしますが、ラムダ様が関わってくるようでしたら、私からお話を聞いてみても良いでしょうか。ラムダ様とローラ様がつながっているのかも気になります」
「話を聞くのは、俺も一緒ならかまわない」
「ですが、旦那様はまだ動ける状態ではありませんし」
「ここに呼べばいいだろう」
「…わかりました。ただ、メイドに話を聞きにいくのは私一人でも良いですよね?」
「ジャスミンを連れて行くように」
「わかりました」
「あと、話を聞きに行くついでに、寝室を今日から使えるようにしておいてほしいと伝えておいてくれないか」
旦那様の言葉に即答は出来ませんでしたが、元々は私から言い出した事ですし、無言で首を縦に振ると、なぜか旦那様はとても満足そうなお顔をされたのでした。
「あの、旦那様」
「どうした?」
「元気になられてからで良いのですが、寝室を一緒にするのはどうでしょう?」
「は?」
「一緒にすれば、今回の様な異変にも気付けるかと…」
「今日からでも、いや、今からでもいいぞ」
「はい?」
横になっていた旦那様が飛び起きるようにして、身を起こされたので、驚いて聞き返すと、旦那様は興奮した様子で言われます。
「そうだな。ここ最近は仕事をしすぎた気がする。エレノアと一緒に眠る事によって疲れが癒せそうだ」
「え、えーと、そう言っていただけると、ありがたくはありますが、旦那様は本当に良いのですか?」
「何がだ?」
「一人で眠りたいとか、そういう事は…」
「別にエレノアと同室になる事は嫌じゃない。よし、善は急げだな。まずは部屋の準備をさせよう」
旦那様が使用人を呼ぼうとされましたので、慌てて止めます。
「旦那様、毒をもられたばかりじゃないですか。もう少し、慎重になさっては? それに、毒をもったと思われる人物を探し出さなくてはいけないですし」
「言い出したのは君だろう」
「それはそうなんですが、まさか、こんなにあっさりと頷かれるとは思っていませんでした」
「そ、それはだな…」
焦った顔をされる旦那様に聞いてみます。
「もしかして、今回の事で、一人で眠る事が怖くなってしまわれたのですか?」
よっぽど、辛かったのかもしれません。
それはそうですよね。
死んでしまうかもしれないという恐怖に一人で戦っておられたのですから。
「いや、そういう訳ではないが…」
「私なんかで良ければ、一緒にいますからね。もし、旦那様が中々、寝室に来られないようでしたら確認しに行く様にしますので」
「いや、君が待っていてくれるなら、そんなに夜遅くまで仕事を頑張るつもりはない。夜に一緒にいられる様に昼に仕事を頑張ればいいだけだ。もしくは早起きする」
「無理はなさらないで下さいね」
「もちろんだ」
旦那様は頷いた後、また、使用人を呼ぼうとされるので、慌てて大事な話をする事にします。
「あの、旦那様。昨日のお茶を持ってきてくれたのは、どなたかわかりますか?」
「……ちょっと待ってくれ」
まだ本調子ではない旦那様に、こんな話をするのもどうかと思いますが、また、同じ様な事が起きないように、犯人を捕まえねばなりません。
屋敷の誰かだと思いたくはありませんが、屋敷の誰かではないと、そんな事は出来ないのです。
「昨日は、そういえば、ラムダが持ってきてくれた様な気がしたな。だから、ラムダに…」
「旦那様、少し不思議に思っていたのですが、ラムダ様は旦那様の犬化を知りませんが、旦那様がいなくなった時に犬がいるという事は、知っていらっしゃるのでしょうか?」
「それは知っているかもしれないな。使用人が気付き始めているのだから、ラムダが気付き始めていてもおかしくない」
「……ですよね? それなのに、ラムダ様はどうして犬の旦那様が倒れているのに放置していたんでしょう?」
私の質問に旦那様が眉根を寄せて聞き返してきます。
「ラムダが怪しいと?」
「だってそうではないですか? 犬が苦しそうにしていたら、普通は誰かに話すものではないでしょうか? しかも、旦那様と何らかの関係がありそうな犬なんですよ? それなのに、ソファーに寝かせたままにしておくなんておかしいです! それに、旦那様の声も聞こえないのでしょう? という事はちょっと怪しい気がします」
人を疑う様な真似はあまりしたくありませんが、どうしてもラムダ様の行動は私には不自然な様に思えました。
「まあ、それはそうかもしれないな。かといって、犬を放置していたからといって、罪にはならないだろう? 例えば、屋敷で飼っている犬と認めていたら別だが、神出鬼没な犬だからな」
「屋敷で飼っている犬と言ってしまいますと、世話係などがつけられますし、そうなると、もう旦那様の犬化は秘密ではなくなりますね」
「君が来るまでは、頻繁に犬になっていたわけではなかったから、そう怪しまれていなかったのかもしれないが、君が来てから、俺はよく犬になってしまっているからな」
「申し訳ございません」
「言い方が悪かった。別に、君のせいだと言ってるんじゃない。君がここに来てくれて嬉しいのは確かだ」
優しく微笑んで言って下さったので、少しだけ気持ちが楽になりました。
「でも、私が調子にのって旦那様に犬になる様にお願いしたせいで、仕事の事もそうですし、色々な人に迷惑をかけてしまっています」
「妻のワガママをきくのも、夫の務めだ」
「旦那様は犬化の事がなければ、きっと私なんかよりも素敵な方を奥様に出来たのでしょうね」
微笑んで言うと、旦那様はなぜか眉を寄せます。
「俺は君で良かったと思っているんだが?」
「ですが、私は家族にまで変わり者だと言われているんですよ?」
「人間には合う合わないがある。エレノアは俺にとって、合う人物だと思う」
「あ、ありがとうございます」
真剣な目で見つめられてしまったからか、何だかドキドキしてしまい、俯いてからお礼を言って、話を戻します。
「まずは、メイドに話を聞く様にいたしますが、ラムダ様が関わってくるようでしたら、私からお話を聞いてみても良いでしょうか。ラムダ様とローラ様がつながっているのかも気になります」
「話を聞くのは、俺も一緒ならかまわない」
「ですが、旦那様はまだ動ける状態ではありませんし」
「ここに呼べばいいだろう」
「…わかりました。ただ、メイドに話を聞きにいくのは私一人でも良いですよね?」
「ジャスミンを連れて行くように」
「わかりました」
「あと、話を聞きに行くついでに、寝室を今日から使えるようにしておいてほしいと伝えておいてくれないか」
旦那様の言葉に即答は出来ませんでしたが、元々は私から言い出した事ですし、無言で首を縦に振ると、なぜか旦那様はとても満足そうなお顔をされたのでした。
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