6 / 62
6 愛していると言う男
しおりを挟む
ベェはイライアス殿下に必死に何か訴えていたが、何を言っているのかさっぱりわからなかった。
魔法使い狩りが行われた際に、文献なども焼き捨てられてしまっている。
今のところ、殿下たちが出会った魔法使いは、自分たちと私しかいないそうで、詳しいことは使い魔に聞かなければわからない。
ルピやクロロもシルバートレイについてはわからないといっているみたい。
私とベェの絆が深まれば、ベェの心がわかるようになるだろうという話になり、日を改めて話をすることになった。
殿下たちを見送り、部屋に戻った私は、ドレッサーの椅子に座り、大きなため息を吐いた。
殿下たちが帰る前に確認したところ、時戻しの魔法を使ったのはイライアス殿下だとわかった。
一つの事案につき、時を戻せるのは一回で一年前が最大のため、結婚する前に時戻りをすることは難しいとのことだった。
殺された日が結婚して一年経った日だったなんて、皮肉なものだ。
いや、ソレイユはこの日に合わせたのかもしれない。
信頼できる夫は存在しなかったが、私にはベェがいる。
それに、王太子殿下たちも私の味方になってくれるようだし、悪いことばかりではない。
生きていられることをありがたいと思いましょう。
今日、イライアス殿下と一緒に王太子殿下がやって来たのには理由があった。
新婚女性の所に男性一人で夜分に押しかけたことが知られれば、変な誤解を生んでしまうかもしれないという配慮からだった。
男性二人でも良くはない。だが、王族二人に喧嘩を売るような真似ができる貴族は少ないはずだ。
「まだ戦いは始まったばかりよ。しっかりしなくちゃ」
三面鏡に映る自分を見て、そう呟いた時、ナチュラルメイクしかしていなかったことに気がついた。
やってしまったわ。
ロガンとソレイユの所に行くだけだから、メイクについては気にしていなかった。
まさか、王子たちが来るとは思わないでしょう!
パンナが必死に止めていたのは、このことがあったからなのかしら。
「メイクに手を抜いていたからといって、罰せられることはないわよね」
ドレッサーの椅子に座って頭を抱えていると、耳元で「ベェー」という鳴き声が聞こえた。
顔を上げると、ベェがふわふわと宙に浮いた状態で私を見つめていた。
「心配してくれているの? ベェは優しいのね」
「ベェー!」
ベェは嬉しそうに私の頬にじゃれついてきた。
右手で頭を撫で、左手の人差し指で背中のシルバートレイに触ってみると、少しだけひんやりとした。
取れるかと思って引っ張ってみると、毛にひっついているようで「ベェェ!」と怒られた。
******
次の日の朝はいつもよりも睡眠時間が少ないにも拘らず、すんなり目覚めることができた。
幼い頃、眠れなかった私に羊を数えたら良いと、パンナが教えてくれた。
そのことを思い出し、ベッドに寝転んですぐに、ベェが一匹、べェが二匹と数え始めたから安眠できたのかもしれない。
ベッドから起き上がり、誰かに身支度を手伝ってもらおうと、サイドテーブルに置かれている呼び鈴を鳴らす。
入ってきたのは、パンナだった。いつもと違い、浮かない顔をしているだけでなく、顔色も悪い。
「おはようございます、ソラリア様」
「おはよう。体調が悪いの? もしかして、昨日のことが原因?」
「……いえ」
パンナは私と目を合わせようとしない。
私と別れたあとか、今日の朝に何かあったのかしら。
「パンナ、何かあったの? 迷惑でなければ、理由を教えてほしいんだけど難しいかしら」
「……実は」
パンナが俯きながら口を開いた時、ロガンの側近として採用した、中年の男爵が訪ねてきた。
そのせいで、パンナは口を閉ざしてしまう。
狙ったかのようなタイミングね。
ネグリジェ姿だったので、廊下で待ってもらった。
身支度を整えながら、先ほどの話をしてほしいと言ってみたが無理だった。
ロガンの側近の話を聞いてから、再度確認することに決め、十分後には男爵を部屋の中に招き入れた。
「おはようございます、ソラリア様」
「おはよう。私になんの用かしら」
「朝からこんなことを言いたくないのですが、ロガン様を追い出すなんてどうかしています」
「どうかしているですって? 彼は初夜の日に、私の妹と浮気をしていたのよ?」
「浮気は良いことでありません。ですが、ロガン様は当主です。そして、あなたは当主の妻。当主よりも下の立場にあります。浮気について寛容になることも、公爵夫人として必要なことです」
男爵はロガンを助けることで、彼から謝礼を受け取るつもりなのかもしれないと思った。
ロガンが彼を側近に指名した理由がわからなかったが、金で釣ることのできる人を選んだのでしょう。
レイハート公爵家が管理しているお金を、こんなことで使われたくない。
「ロガンは離れにいるのかしら」
「いえ。あなたに許してもらうために、ポーチで正座していらっしゃいます」
「教えてくれてありがとう。話し合ってくるわ」
礼を伝え、私はロガンの側近を連れて、ロガンがいるというポーチに向かった。
大きな二枚扉が外側に開かれると、側近が言っていた通り、正座しているロガンが見えた。
白シャツに黒のスラックス姿のロガンは、憔悴しきった顔で私を見つめた。
私と目が合うと、ロガンは手を合わせて謝る。
「ソラリア! 許してほしい! 君のことを本当に愛しているんだ! 昨日のことは忘れてほしい。これからの僕を信じてほしい!」
「愛しているなんて言葉を信じられるわけがないでしょう」
何年も前から私を裏切っておいて、よくもそんなことを言えるものだわ。
「ロガン、私は浮気を許すつもりはないわ。あなたには私と離婚してもらい、婿養子の契約も無効にするわ」
「そんな! 女性は爵位を継げないのに、どうするつもりなんだよ!?」
「あなたには関係ない。とにかく、離婚してください」
座り込んだままのロガンを見下ろし、私は冷たい口調で言った。
魔法使い狩りが行われた際に、文献なども焼き捨てられてしまっている。
今のところ、殿下たちが出会った魔法使いは、自分たちと私しかいないそうで、詳しいことは使い魔に聞かなければわからない。
ルピやクロロもシルバートレイについてはわからないといっているみたい。
私とベェの絆が深まれば、ベェの心がわかるようになるだろうという話になり、日を改めて話をすることになった。
殿下たちを見送り、部屋に戻った私は、ドレッサーの椅子に座り、大きなため息を吐いた。
殿下たちが帰る前に確認したところ、時戻しの魔法を使ったのはイライアス殿下だとわかった。
一つの事案につき、時を戻せるのは一回で一年前が最大のため、結婚する前に時戻りをすることは難しいとのことだった。
殺された日が結婚して一年経った日だったなんて、皮肉なものだ。
いや、ソレイユはこの日に合わせたのかもしれない。
信頼できる夫は存在しなかったが、私にはベェがいる。
それに、王太子殿下たちも私の味方になってくれるようだし、悪いことばかりではない。
生きていられることをありがたいと思いましょう。
今日、イライアス殿下と一緒に王太子殿下がやって来たのには理由があった。
新婚女性の所に男性一人で夜分に押しかけたことが知られれば、変な誤解を生んでしまうかもしれないという配慮からだった。
男性二人でも良くはない。だが、王族二人に喧嘩を売るような真似ができる貴族は少ないはずだ。
「まだ戦いは始まったばかりよ。しっかりしなくちゃ」
三面鏡に映る自分を見て、そう呟いた時、ナチュラルメイクしかしていなかったことに気がついた。
やってしまったわ。
ロガンとソレイユの所に行くだけだから、メイクについては気にしていなかった。
まさか、王子たちが来るとは思わないでしょう!
パンナが必死に止めていたのは、このことがあったからなのかしら。
「メイクに手を抜いていたからといって、罰せられることはないわよね」
ドレッサーの椅子に座って頭を抱えていると、耳元で「ベェー」という鳴き声が聞こえた。
顔を上げると、ベェがふわふわと宙に浮いた状態で私を見つめていた。
「心配してくれているの? ベェは優しいのね」
「ベェー!」
ベェは嬉しそうに私の頬にじゃれついてきた。
右手で頭を撫で、左手の人差し指で背中のシルバートレイに触ってみると、少しだけひんやりとした。
取れるかと思って引っ張ってみると、毛にひっついているようで「ベェェ!」と怒られた。
******
次の日の朝はいつもよりも睡眠時間が少ないにも拘らず、すんなり目覚めることができた。
幼い頃、眠れなかった私に羊を数えたら良いと、パンナが教えてくれた。
そのことを思い出し、ベッドに寝転んですぐに、ベェが一匹、べェが二匹と数え始めたから安眠できたのかもしれない。
ベッドから起き上がり、誰かに身支度を手伝ってもらおうと、サイドテーブルに置かれている呼び鈴を鳴らす。
入ってきたのは、パンナだった。いつもと違い、浮かない顔をしているだけでなく、顔色も悪い。
「おはようございます、ソラリア様」
「おはよう。体調が悪いの? もしかして、昨日のことが原因?」
「……いえ」
パンナは私と目を合わせようとしない。
私と別れたあとか、今日の朝に何かあったのかしら。
「パンナ、何かあったの? 迷惑でなければ、理由を教えてほしいんだけど難しいかしら」
「……実は」
パンナが俯きながら口を開いた時、ロガンの側近として採用した、中年の男爵が訪ねてきた。
そのせいで、パンナは口を閉ざしてしまう。
狙ったかのようなタイミングね。
ネグリジェ姿だったので、廊下で待ってもらった。
身支度を整えながら、先ほどの話をしてほしいと言ってみたが無理だった。
ロガンの側近の話を聞いてから、再度確認することに決め、十分後には男爵を部屋の中に招き入れた。
「おはようございます、ソラリア様」
「おはよう。私になんの用かしら」
「朝からこんなことを言いたくないのですが、ロガン様を追い出すなんてどうかしています」
「どうかしているですって? 彼は初夜の日に、私の妹と浮気をしていたのよ?」
「浮気は良いことでありません。ですが、ロガン様は当主です。そして、あなたは当主の妻。当主よりも下の立場にあります。浮気について寛容になることも、公爵夫人として必要なことです」
男爵はロガンを助けることで、彼から謝礼を受け取るつもりなのかもしれないと思った。
ロガンが彼を側近に指名した理由がわからなかったが、金で釣ることのできる人を選んだのでしょう。
レイハート公爵家が管理しているお金を、こんなことで使われたくない。
「ロガンは離れにいるのかしら」
「いえ。あなたに許してもらうために、ポーチで正座していらっしゃいます」
「教えてくれてありがとう。話し合ってくるわ」
礼を伝え、私はロガンの側近を連れて、ロガンがいるというポーチに向かった。
大きな二枚扉が外側に開かれると、側近が言っていた通り、正座しているロガンが見えた。
白シャツに黒のスラックス姿のロガンは、憔悴しきった顔で私を見つめた。
私と目が合うと、ロガンは手を合わせて謝る。
「ソラリア! 許してほしい! 君のことを本当に愛しているんだ! 昨日のことは忘れてほしい。これからの僕を信じてほしい!」
「愛しているなんて言葉を信じられるわけがないでしょう」
何年も前から私を裏切っておいて、よくもそんなことを言えるものだわ。
「ロガン、私は浮気を許すつもりはないわ。あなたには私と離婚してもらい、婿養子の契約も無効にするわ」
「そんな! 女性は爵位を継げないのに、どうするつもりなんだよ!?」
「あなたには関係ない。とにかく、離婚してください」
座り込んだままのロガンを見下ろし、私は冷たい口調で言った。
1,215
あなたにおすすめの小説
『婚約破棄されたので北の港を発展させたら
ふわふわ
恋愛
王立学園の卒業舞踏会。
公爵令嬢アリアベルは、王太子カルディオンから突然の婚約破棄を告げられる。
「真実の愛を見つけた」
そう言って王太子が選んだのは、涙を流す義妹ヴィオレッタだった。
王都から追い出され、すべてを失った――
はずだった。
アリアベルが向かったのは、王国の北にある小さな港町。
しかし彼女の手腕によって港は急速に発展し、やがて王国最大の交易港へと変わっていく。
一方その頃、王太子と義妹は王都で好き勝手に振る舞っていたが――
やがてすべてが崩れ始める。
王太子は国外追放。
義妹は社交界から追放され修道院送り。
そして気づいた頃には、北の港こそが王国の中心になっていた。
「私はもう誰のものでもありません」
これは、婚約破棄された令嬢が自分の人生を取り戻し、
王国の未来を変えていく物語。
そして――
彼女の隣には、いつしか新しい王太子の姿があった。
婚約破棄から始まる、逆転ざまぁロマンス。✨
『婚約破棄された公爵令嬢ですが、王国を救ったので新しい王太子に求婚されました
しおしお
恋愛
王立学園の卒業舞踏会。
公爵令嬢ルシエラ・ノクティスは、婚約者である王太子エドガルドから突然の公開婚約破棄を宣言される。
理由は――
「真実の愛を見つけたから」。
隣には涙を浮かべる令嬢ヴィオレッタ。
ルシエラは“冷酷な悪女”として断罪され、社交界から追い出されてしまう。
だが、その婚約破棄こそが――
王国を揺るがす大事件の始まりだった。
王家の信用は崩れ、銀行は倒れ、商人は逃げ、王都は混乱に包まれていく。
そんな中、静かに動き始めたのは――追放されたはずのルシエラ。
冷静な知性と圧倒的な手腕で王国の危機を次々と解決していく彼女の姿に、
やがて王国中の人々が気づき始める。
「この国を救っているのは誰なのか」を。
一方、ルシエラを捨てた元王太子と“真実の愛”の令嬢は、
次々と暴かれる罪と崩壊していく地位に追い詰められていき――。
そして彼女の隣に立ったのは、冷静で鋭い眼差しを持つ辺境伯ローデリック。
「君がこの国を救うなら、俺は君の隣に立つ」
婚約破棄から始まる、
王国最大級のざまぁ逆転劇。
追放された公爵令嬢が王国を救い、
転落した王太子の代わりに――
新しい王太子妃になるまでの物語。
婚約破棄されたので頑張るのをやめました 〜昼寝と紅茶だけの公爵令嬢なのに、なぜか全部うまくいきます〜あ
鍛高譚
恋愛
王太子から婚約破棄された衝撃で階段から落ちた公爵令嬢シャル・ド・ネ・アルベール。
目覚めた彼女は、なんと前世の記憶——ブラック企業で働き詰めだったOL・佐伯ゆかりとしての人生を思い出してしまう。
無理して働いた末に過労死した前世の反省から、シャルは決意する。
「もう頑張らない。今度の人生は“好き”と“昼寝”だけで満たしますわ!」
貴族としての特権をフル活用し、ワイン造りやスイーツ作りなど“趣味”の延長でゆるゆる領地改革。
気づけば国王にも称賛され、周囲の評価はうなぎのぼり!?
一方、彼女を見下していた王太子と“真実の愛()”の令嬢は社交界で大炎上。
誰もざまぁされろなんて言ってないのに……勝手に転がり落ちていく元関係者たち。
本人はただ紅茶とスコーンを楽しんでいるだけなのに――
そんな“努力しない系”令嬢が、理想の白い結婚相手と出会い、
甘くてふわふわ、そしてちょっぴり痛快な自由ライフを満喫する
ざまぁ(他力本願)×スローライフ×ちょっと恋愛な物語です♪
【完結済】王女に夢中な婚約者様、さようなら 〜自分を取り戻したあとの学園生活は幸せです! 〜
鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
王立学園への入学をきっかけに、領地の屋敷から王都のタウンハウスへと引っ越した、ハートリー伯爵家の令嬢ロザリンド。婚約者ルパートとともに始まるはずの学園生活を楽しみにしていた。
けれど現実は、王女殿下のご機嫌を取るための、ルパートからの理不尽な命令の連続。
「かつらと黒縁眼鏡の着用必須」「王女殿下より目立つな」「見目の良い男性、高位貴族の子息らと会話をするな」……。
ルパートから渡された「禁止事項一覧表」に縛られ、ロザリンドは期待とは真逆の、暗黒の学園生活を送ることに。
そんな日々の中での唯一の救いとなったのは、友人となってくれた冷静で聡明な公爵令嬢、ノエリスの存在だった。
学期末、ロザリンドはついにルパートの怒りを買い、婚約破棄を言い渡される。
けれど、深く傷つきながら長期休暇を迎えたロザリンドのもとに届いたのは、兄の友人であり王国騎士団に属する公爵令息クライヴからの婚約の申し出だった。
暗黒の一学期が嘘のように、幸せな長期休暇を過ごしたロザリンド。けれど新学期を迎えると、エメライン王女が接触してきて……。
※10万文字超えそうなので長編に変更します。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
【完結】どうかその想いが実りますように
おもち。
恋愛
婚約者が私ではない別の女性を愛しているのは知っている。お互い恋愛感情はないけど信頼関係は築けていると思っていたのは私の独りよがりだったみたい。
学園では『愛し合う恋人の仲を引き裂くお飾りの婚約者』と陰で言われているのは分かってる。
いつまでも貴方を私に縛り付けていては可哀想だわ、だから私から貴方を解放します。
貴方のその想いが実りますように……
もう私には願う事しかできないから。
※ざまぁは薄味となっております。(当社比)もしかしたらざまぁですらないかもしれません。汗
お読みいただく際ご注意くださいませ。
※完結保証。全10話+番外編1話です。
※番外編2話追加しました。
※こちらの作品は「小説家になろう」、「カクヨム」にも掲載しています。
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
復縁は絶対に受け入れません ~婚約破棄された有能令嬢は、幸せな日々を満喫しています~
水空 葵
恋愛
伯爵令嬢のクラリスは、婚約者のネイサンを支えるため、幼い頃から血の滲むような努力を重ねてきた。社交はもちろん、本来ならしなくても良い執務の補佐まで。
ネイサンは跡継ぎとして期待されているが、そこには必ずと言っていいほどクラリスの尽力があった。
しかし、クラリスはネイサンから婚約破棄を告げられてしまう。
彼の隣には妹エリノアが寄り添っていて、潔く離縁した方が良いと思える状況だった。
「俺は真実の愛を見つけた。だから邪魔しないで欲しい」
「分かりました。二度と貴方には関わりません」
何もかもを諦めて自由になったクラリスは、その時間を満喫することにする。
そんな中、彼女を見つめる者が居て――
◇5/2 HOTランキング1位になりました。お読みいただきありがとうございます。
※他サイトでも連載しています
婚約破棄は了承済みですので、慰謝料だけ置いていってください
鍛高譚
恋愛
公爵令嬢アナスタシア・オルステッドは、第三王子アレンの婚約者だった。
しかし、アレンは没落貴族の令嬢カリーナと密かに関係を持っていたことが発覚し、彼女を愛していると宣言。アナスタシアとの婚約破棄を告げるが──
「わかりました。でも、それには及びません。すでに婚約は破棄されております」
なんとアナスタシアは、事前に国王へ婚約破棄を申し出ており、すでに了承されていたのだ。
さらに、慰謝料もしっかりと請求済み。
「どうぞご自由に、カリーナ様とご婚約なさってください。でも、慰謝料のお支払いはお忘れなく」
驚愕するアレンを後にし、悠々と去るアナスタシア。
ところが数カ月後、生活に困窮したアレンが、再び彼女のもとへ婚約のやり直しを申し出る。
「呆れたお方ですね。そんな都合のいい話、お受けするわけがないでしょう?」
かつての婚約者の末路に興味もなく、アナスタシアは公爵家の跡取りとして堂々と日々を過ごす。
しかし、王国には彼女を取り巻く新たな陰謀の影が忍び寄っていた。
暗躍する謎の勢力、消える手紙、そして不審な襲撃──。
そんな中、王国軍の若きエリート将校ガブリエルと出会い、アナスタシアは自らの運命に立ち向かう決意を固める。
「私はもう、誰かに振り回されるつもりはありません。この王国の未来も、私自身の未来も、私の手で切り拓きます」
婚約破棄を経て、さらに強く、賢くなった公爵令嬢の痛快ざまぁストーリー!
自らの誇りを貫き、王国を揺るがす陰謀を暴く彼女の華麗なる活躍をお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる