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第23話 メイド服に着替えましょう
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ヨツイ夫人と一緒に、ドボン姉妹の様子を見に行くと、2人はサボっていたみたいで、壁にもたれかかって話をしていたけれど、私達の姿を見て、慌てて掃除を開始した。
今までは、他のメイド達にやらせていたみたい。
私にもやらないといけない事があるから、四六時中、彼女達を見張っていられないので、見られていなければサボっても私にバレる事はないと思っている様だった。
「何の用ですの? それにヨツイ夫人まで…」
掃除をするふりをしながら、ルシーナが尋ねてきた。
「あなた達が仕事をしていないんじゃないかと思って見に来たんだけれど、本当にしていなかったわね…。何でも出来るだなんて、嘘だったの? それとも、サボる事も出来ると私に伝えたかったの?」
「ちゃんと任された仕事はしていましたわ。文句を言われる筋合いはございません!」
カシーナが食ってかかってくると、ヨツイ夫人が一歩前に出て口を開く。
「ドボン公爵家といえば、長女であるリシーナ様が有名ですわね? リシーナ様は優秀な女性で有名ですのに、あなた方は何をしているのです?」
「何をしているって…、侍女の仕事を任されたから来たんですわ!」
「侍女の仕事をしないと言ったから、掃除をしていると聞きましたが、それさえも出来ていませんね?」
ヨツイ夫人に睨まれて、カシーナはびくりと体を震わせた。
ヨツイ夫人は今まで社交界で戦ってきた経験値もあり、オーラもすごく、ルシーナとカシーナが2人でかかっていっても歯が立たないといったところかしら。
それを彼女達も肌で感じたのか、私にとる様な横柄な態度は取らない。
「掃除はしておりましたわ…。その、さっきは休憩しているところを見られただけです」
「その割には、ドレスが汚れていませんね。それに掃除をするのに、そんなドレスを着てくるのも間違っているとは思いますが」
ヨツイ夫人の言葉にカシーナ達は唇を噛む。
カシーナ達はプリンセスラインのドレスを来ていて、掃除するには動きにくそう。
そらにしても私が何度言っても無駄だった事をヨツイ夫人が言うと何も言えなくなるだなんて…。
どうしたら、ヨツイ夫人の様な貫禄が出るのかしら?
ディルの教育係だけど、しばらくは私に付いてくださると言ってくださったし勉強させてもらわないと。
そう思って、ヨツイ夫人の行動を見逃さないように注視する。
「こ、これはたまたまで…。今、洋服を用意しているところですわ」
「だって、掃除をする服なんて持っておりませんもの」
カシーナとルシーナが言い返すと、ヨツイ夫人はにっこりと笑う。
「それは失礼致しました。では、こちらが用意致しましょう。そこのお嬢さん」
ヨツイ夫人はこちらを気にしながらも掃除を続けていたメイドに声を掛け、メイドが返事をするとお願いする。
「メイド服は余っているはずよ。彼女達に着方を教えてあげてちょうだい?」
「な、なんですって!?」
聞き返したのは、メイドではなく、ルシーナ達だった。
「あらあら。そうね。私に命令されたくはないですわよね? レイア様、お願いできますか?」
ヨツイ夫人が困ったように右手を頬に当てて私を見る。
ヨツイ夫人の意図がわかった私は、ルシーナ達に向かって言う。
「気が利かなくてごめんなさいね。メイド服をこちらが用意するから、そちらに着替えて掃除をしてちょうだい? 仕事が遅いのはドレスのせいだと思うの。メイド服に着替えたら、ドレスも汚れなくて済むし、作業も捗るから良い事ばかりなのにね」
「……っ!!」
私の言葉を聞いたルシーナ達は悔しそうな顔をして睨んではきたけれど、言い返してはこなかった。
先日、国王陛下から2人はどうだと聞かれた際に、「私は認められておりませんので…」と答えたところ、どうやら、彼女達の様子を調べてくださったらしく、公爵家の方に無礼すぎるという連絡を入れてくださったみたいだった。
だから、少しは態度がマシにはなっているのだと思う。
もちろん、マシになっただけだけれど…。
言い返してこないのは、彼女達なりの進歩ではあるのかも?
なんて、甘いことを考えていたからか、ルシーナが口を開く。
「本当ですね。もっと早くに気付いてくださるべきでしたわ」
ああ。
私はまだまだ甘いわ。
言い返す材料を与えてしまっていた。
けれど、ここで負けてはいけないわ。
「ごめんなさいね。ただ、私が気付かなくても、何でもできるあなた達だから、効率の良い仕事の進め方を知っていると思ったの。でも、あなた達もヨツイ夫人に言われなければ気付かなかったのよね?」
「……」
ルシーナはこれに関しては言い返してこなかった。
ルシーナとカシーナはディルの顔が醜いから、近い内に失脚すると思い込んでいるのよね?
だから、私に対してこんな態度なのだとしたら、ディルの顔を見せてあげたら良いという事になるけれど…。
ああ、今はそんな事よりも、2人にメイド服に着替えてもらわないといけないわ。
「2人をよろしく頼むわね。着替え終わったら連絡をもらえる?」
笑顔でメイドに確認すると、返事をして一礼した。
ルシーナ達はブツブツ言いながらも、メイドに付いて歩いていく。
ディルの顔をルシーナ達に見せるには、どうしたら良いのかしら?
そう思い、ヨツイ夫人に聞いてみると、微笑んで答えてくれる。
「近い内に、お二人の婚約披露パーティーが行われるはずです。その時には一時かもしれませんが、ディル殿下は仮面を外されるでしょう」
「そうなんですね…。ディルの顔を見て、2人がどんな顔をするのか楽しみです」
「後悔する事になるでしょう」
ヨツイ夫人が楽しそうに笑った。
今までは、他のメイド達にやらせていたみたい。
私にもやらないといけない事があるから、四六時中、彼女達を見張っていられないので、見られていなければサボっても私にバレる事はないと思っている様だった。
「何の用ですの? それにヨツイ夫人まで…」
掃除をするふりをしながら、ルシーナが尋ねてきた。
「あなた達が仕事をしていないんじゃないかと思って見に来たんだけれど、本当にしていなかったわね…。何でも出来るだなんて、嘘だったの? それとも、サボる事も出来ると私に伝えたかったの?」
「ちゃんと任された仕事はしていましたわ。文句を言われる筋合いはございません!」
カシーナが食ってかかってくると、ヨツイ夫人が一歩前に出て口を開く。
「ドボン公爵家といえば、長女であるリシーナ様が有名ですわね? リシーナ様は優秀な女性で有名ですのに、あなた方は何をしているのです?」
「何をしているって…、侍女の仕事を任されたから来たんですわ!」
「侍女の仕事をしないと言ったから、掃除をしていると聞きましたが、それさえも出来ていませんね?」
ヨツイ夫人に睨まれて、カシーナはびくりと体を震わせた。
ヨツイ夫人は今まで社交界で戦ってきた経験値もあり、オーラもすごく、ルシーナとカシーナが2人でかかっていっても歯が立たないといったところかしら。
それを彼女達も肌で感じたのか、私にとる様な横柄な態度は取らない。
「掃除はしておりましたわ…。その、さっきは休憩しているところを見られただけです」
「その割には、ドレスが汚れていませんね。それに掃除をするのに、そんなドレスを着てくるのも間違っているとは思いますが」
ヨツイ夫人の言葉にカシーナ達は唇を噛む。
カシーナ達はプリンセスラインのドレスを来ていて、掃除するには動きにくそう。
そらにしても私が何度言っても無駄だった事をヨツイ夫人が言うと何も言えなくなるだなんて…。
どうしたら、ヨツイ夫人の様な貫禄が出るのかしら?
ディルの教育係だけど、しばらくは私に付いてくださると言ってくださったし勉強させてもらわないと。
そう思って、ヨツイ夫人の行動を見逃さないように注視する。
「こ、これはたまたまで…。今、洋服を用意しているところですわ」
「だって、掃除をする服なんて持っておりませんもの」
カシーナとルシーナが言い返すと、ヨツイ夫人はにっこりと笑う。
「それは失礼致しました。では、こちらが用意致しましょう。そこのお嬢さん」
ヨツイ夫人はこちらを気にしながらも掃除を続けていたメイドに声を掛け、メイドが返事をするとお願いする。
「メイド服は余っているはずよ。彼女達に着方を教えてあげてちょうだい?」
「な、なんですって!?」
聞き返したのは、メイドではなく、ルシーナ達だった。
「あらあら。そうね。私に命令されたくはないですわよね? レイア様、お願いできますか?」
ヨツイ夫人が困ったように右手を頬に当てて私を見る。
ヨツイ夫人の意図がわかった私は、ルシーナ達に向かって言う。
「気が利かなくてごめんなさいね。メイド服をこちらが用意するから、そちらに着替えて掃除をしてちょうだい? 仕事が遅いのはドレスのせいだと思うの。メイド服に着替えたら、ドレスも汚れなくて済むし、作業も捗るから良い事ばかりなのにね」
「……っ!!」
私の言葉を聞いたルシーナ達は悔しそうな顔をして睨んではきたけれど、言い返してはこなかった。
先日、国王陛下から2人はどうだと聞かれた際に、「私は認められておりませんので…」と答えたところ、どうやら、彼女達の様子を調べてくださったらしく、公爵家の方に無礼すぎるという連絡を入れてくださったみたいだった。
だから、少しは態度がマシにはなっているのだと思う。
もちろん、マシになっただけだけれど…。
言い返してこないのは、彼女達なりの進歩ではあるのかも?
なんて、甘いことを考えていたからか、ルシーナが口を開く。
「本当ですね。もっと早くに気付いてくださるべきでしたわ」
ああ。
私はまだまだ甘いわ。
言い返す材料を与えてしまっていた。
けれど、ここで負けてはいけないわ。
「ごめんなさいね。ただ、私が気付かなくても、何でもできるあなた達だから、効率の良い仕事の進め方を知っていると思ったの。でも、あなた達もヨツイ夫人に言われなければ気付かなかったのよね?」
「……」
ルシーナはこれに関しては言い返してこなかった。
ルシーナとカシーナはディルの顔が醜いから、近い内に失脚すると思い込んでいるのよね?
だから、私に対してこんな態度なのだとしたら、ディルの顔を見せてあげたら良いという事になるけれど…。
ああ、今はそんな事よりも、2人にメイド服に着替えてもらわないといけないわ。
「2人をよろしく頼むわね。着替え終わったら連絡をもらえる?」
笑顔でメイドに確認すると、返事をして一礼した。
ルシーナ達はブツブツ言いながらも、メイドに付いて歩いていく。
ディルの顔をルシーナ達に見せるには、どうしたら良いのかしら?
そう思い、ヨツイ夫人に聞いてみると、微笑んで答えてくれる。
「近い内に、お二人の婚約披露パーティーが行われるはずです。その時には一時かもしれませんが、ディル殿下は仮面を外されるでしょう」
「そうなんですね…。ディルの顔を見て、2人がどんな顔をするのか楽しみです」
「後悔する事になるでしょう」
ヨツイ夫人が楽しそうに笑った。
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