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6 お似合いだと思います
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「あら、あなたはどなた?」
朝食を終え、散歩がてらに庭園を歩き、色とりどりの花を愛でていた時でした。
横から声が聞こえて振り返ると、メイドを3人ほど連れた、背が高くグラマラスな女性が私を見ておられました。
胸元が大きく開いた黒のロングドレスを着ておられ、白くて大きな胸はドレスにおさまりきらず、飛び出てしまいそうです。
長い金色の髪を後ろでアップにしておられ、化粧は濃い目ですが、美しい顔立ちをしておられます。
「あなたこそ誰なんです。ここはクラーク邸の敷地です。部外者がウロウロして良い場所ではありません」
ソラが私の前に立って言うと、女性の後ろに控えていたメイドの一人が言います。
「カーミラ様のお客様です」
「では、別邸の方へお連れして差し上げたらどうなんだ」
「私が庭園を見たいとお願いしたんです。いつか、この家に住む事になるかもしれませんから」
「そうです。この家に住むのはブルーミング嬢ではありません」
女性の言葉のあと、聞いてもいないのにメイドは言います。
メイドは相変わらず不遜な態度ですね。
彼女達は今は、カーミラ様付きのメイドですから、別邸の中ではカーミラ様に実権を与えられているのかもしれません。
「なんの話かはわかりませんが」
ソラが言い返そうとするのを、私は手で制すると、笑顔で女性に話しかけます。
「どなたかと聞かれましたので、自己紹介いたしますわね。リノア・ブルーミングと申します」
「私はパメル・トーディです。ブルーミング伯爵令嬢にお会いできて嬉しいですわ」
「こちらこそ。お噂はかねがね」
「あら、どんな噂かしら? 悪いものでなければ良いのですが」
良いか悪いかはわかりませんが、ちょっと探りを入れてみます。
「ランドン辺境伯様とご結婚予定だとか?」
「は?」
「あら、違いましたか? 先日、ランドン辺境伯様とお会いする機会がありまして、パメル様のお話をお伺いしましたの」
「他の話は聞かれていないのかしら?」
パメル様がひきつった笑顔で聞いてこられます。
「ラルフ様との婚約話が出ておられるようですが…」
「そう、それです!」
パメル様は表情を輝かせて頷かれましたが、素直にお答えする。
「ラルフ様は断られるようでしたよ?」
「それは、私の事をちゃんと知らないからです」
「たとえば何を知らないのです?」
「私の本当の姿をですよ!」
パメル様はそう言って胸を張り、豊かな胸を強調してこられます。
胸の大きい方を好きな男性が多いと聞いた事がありますが、全ての方ではないでしょうし、ラルフ様だってパメル様の胸の大きさは知っておられる様な気もします。
今だって、初対面の私に胸をアピールされてますから、今のままでは私のパメル様の印象に残るのは大きなお胸くらいです。
もちろん、お綺麗といえばお綺麗ですが…。
「本当の姿ですか」
「リノア様、わたくし、ラルフ様に御報告してまいります」
「逃げるんですか!」
私の侍女の言葉にメイドの一人が叫ぶと、残りの二人も言います。
「ラルフ様がいないと戦えないんですか!」
「一人で戦えないのに、よく辺境伯夫人に立候補されましたね! パメル様の方が辺境伯夫人にふさわしいです!」
ふさわしい、ふさわしくないかをメイドにどうこう言われるのもなんですが、このまま、ラルフ様を呼ぼうものなら何を言われるかわかりませんね。
それに、これは女性同士の喧嘩ですから、ラルフ様の手を煩わすわけにもいきません。
今は、権力が必要な時ではありませんし、命の危険があるわけでもなさそうですしね。
「ラルフ様を呼びにいかなくて大丈夫ですよ? だって、カーミラ様のお客様ですものね? 無礼なメイドについては後で報告すれば良いだけです。メイド達は、ラルフ様に仕える気はなさそうですから」
「ラルフ様に言われても無駄ですよ! 私達にはカーミラ様がいらっしゃいます! 今日の出来事だって、カーミラ様に全てお伝えしますから!」
「はあ。お好きな様に」
気の抜けた返事を返すと、メイドの一人が怒り始めます。
「フレイ様はあんなに苦しそうにしておられるのに、ブルーミング伯爵令嬢は呑気そうにされて! あなたは人の気持ちがわからないんですか!」
「それは私に言う前にフレイ様に先にお聞きすべき事では?」
さすがに聞き捨てならなくて言い返すと、メイドは反論してきます。
「フレイ様は素敵なお方です! あの方を拒否するだなんて他の女性はどうかしてます!」
どうかしてるのは、あなた達の頭の方ですよ。
「ブルーミング伯爵令嬢は、純粋なお方なんですね」
「はい?」
私達の様子を見ていたパメル様は口元に手を当て、私を気の毒そうに見つめながら続ける。
「一度くらいの過ちなら許してあげるものですよ」
「…何を言ってるんですか」
「フレイ様の事です」
「一度や二度じゃありません! あなた、彼が何をやったか知ってるんですか!」
「どうせ浮気でしょう? こんなに可愛らしいメイドさん達ならしょうがないわ。私なら許してあげる」
パメル様は詳しい事情は知らないようで、何が楽しいのか笑い始めました。
でも、笑い事なんかじゃありません!
「パメル様」
「何かしら?」
「あなたにはランドン辺境伯がお似合いだと思います」
私の言葉を聞いて、パメル様の表情が醜く歪んだ。
朝食を終え、散歩がてらに庭園を歩き、色とりどりの花を愛でていた時でした。
横から声が聞こえて振り返ると、メイドを3人ほど連れた、背が高くグラマラスな女性が私を見ておられました。
胸元が大きく開いた黒のロングドレスを着ておられ、白くて大きな胸はドレスにおさまりきらず、飛び出てしまいそうです。
長い金色の髪を後ろでアップにしておられ、化粧は濃い目ですが、美しい顔立ちをしておられます。
「あなたこそ誰なんです。ここはクラーク邸の敷地です。部外者がウロウロして良い場所ではありません」
ソラが私の前に立って言うと、女性の後ろに控えていたメイドの一人が言います。
「カーミラ様のお客様です」
「では、別邸の方へお連れして差し上げたらどうなんだ」
「私が庭園を見たいとお願いしたんです。いつか、この家に住む事になるかもしれませんから」
「そうです。この家に住むのはブルーミング嬢ではありません」
女性の言葉のあと、聞いてもいないのにメイドは言います。
メイドは相変わらず不遜な態度ですね。
彼女達は今は、カーミラ様付きのメイドですから、別邸の中ではカーミラ様に実権を与えられているのかもしれません。
「なんの話かはわかりませんが」
ソラが言い返そうとするのを、私は手で制すると、笑顔で女性に話しかけます。
「どなたかと聞かれましたので、自己紹介いたしますわね。リノア・ブルーミングと申します」
「私はパメル・トーディです。ブルーミング伯爵令嬢にお会いできて嬉しいですわ」
「こちらこそ。お噂はかねがね」
「あら、どんな噂かしら? 悪いものでなければ良いのですが」
良いか悪いかはわかりませんが、ちょっと探りを入れてみます。
「ランドン辺境伯様とご結婚予定だとか?」
「は?」
「あら、違いましたか? 先日、ランドン辺境伯様とお会いする機会がありまして、パメル様のお話をお伺いしましたの」
「他の話は聞かれていないのかしら?」
パメル様がひきつった笑顔で聞いてこられます。
「ラルフ様との婚約話が出ておられるようですが…」
「そう、それです!」
パメル様は表情を輝かせて頷かれましたが、素直にお答えする。
「ラルフ様は断られるようでしたよ?」
「それは、私の事をちゃんと知らないからです」
「たとえば何を知らないのです?」
「私の本当の姿をですよ!」
パメル様はそう言って胸を張り、豊かな胸を強調してこられます。
胸の大きい方を好きな男性が多いと聞いた事がありますが、全ての方ではないでしょうし、ラルフ様だってパメル様の胸の大きさは知っておられる様な気もします。
今だって、初対面の私に胸をアピールされてますから、今のままでは私のパメル様の印象に残るのは大きなお胸くらいです。
もちろん、お綺麗といえばお綺麗ですが…。
「本当の姿ですか」
「リノア様、わたくし、ラルフ様に御報告してまいります」
「逃げるんですか!」
私の侍女の言葉にメイドの一人が叫ぶと、残りの二人も言います。
「ラルフ様がいないと戦えないんですか!」
「一人で戦えないのに、よく辺境伯夫人に立候補されましたね! パメル様の方が辺境伯夫人にふさわしいです!」
ふさわしい、ふさわしくないかをメイドにどうこう言われるのもなんですが、このまま、ラルフ様を呼ぼうものなら何を言われるかわかりませんね。
それに、これは女性同士の喧嘩ですから、ラルフ様の手を煩わすわけにもいきません。
今は、権力が必要な時ではありませんし、命の危険があるわけでもなさそうですしね。
「ラルフ様を呼びにいかなくて大丈夫ですよ? だって、カーミラ様のお客様ですものね? 無礼なメイドについては後で報告すれば良いだけです。メイド達は、ラルフ様に仕える気はなさそうですから」
「ラルフ様に言われても無駄ですよ! 私達にはカーミラ様がいらっしゃいます! 今日の出来事だって、カーミラ様に全てお伝えしますから!」
「はあ。お好きな様に」
気の抜けた返事を返すと、メイドの一人が怒り始めます。
「フレイ様はあんなに苦しそうにしておられるのに、ブルーミング伯爵令嬢は呑気そうにされて! あなたは人の気持ちがわからないんですか!」
「それは私に言う前にフレイ様に先にお聞きすべき事では?」
さすがに聞き捨てならなくて言い返すと、メイドは反論してきます。
「フレイ様は素敵なお方です! あの方を拒否するだなんて他の女性はどうかしてます!」
どうかしてるのは、あなた達の頭の方ですよ。
「ブルーミング伯爵令嬢は、純粋なお方なんですね」
「はい?」
私達の様子を見ていたパメル様は口元に手を当て、私を気の毒そうに見つめながら続ける。
「一度くらいの過ちなら許してあげるものですよ」
「…何を言ってるんですか」
「フレイ様の事です」
「一度や二度じゃありません! あなた、彼が何をやったか知ってるんですか!」
「どうせ浮気でしょう? こんなに可愛らしいメイドさん達ならしょうがないわ。私なら許してあげる」
パメル様は詳しい事情は知らないようで、何が楽しいのか笑い始めました。
でも、笑い事なんかじゃありません!
「パメル様」
「何かしら?」
「あなたにはランドン辺境伯がお似合いだと思います」
私の言葉を聞いて、パメル様の表情が醜く歪んだ。
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