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エピローグ
カーミラ様は私への殺人未遂の罪にとわれ、法で裁かれる事になり、極寒の地の牢獄で幽閉される事になりました。
凍死してしまう受刑者が多い事で有名で、カーミラ様には今のところ関係ありませんが、労役も過酷な場所なのだそうです。
お金を払えば、罪を軽くする事もできたのですが、それはラルフ様が拒否されました。
フレイ様の罪に関しては令嬢方の事もあるため隠す事になりましたが、カーミラ様の件は貴族社会ではすぐに知れ渡り、クラーク家の貴族内での評判は下がり、ラルフ様も罰金と1週間という短い期間ではありますが謹慎処分を受けられました。
謹慎期間が短いのは、ラルフ様の辺境伯としての今までの功績が考慮され、長く職務から離れていると、隣国が動き出すかもしれないという心配があるからです。
あの事件から、数日後の朝。
謹慎中のラルフ様と一緒に庭園を散歩している際に、思い切って、わざと今まで避けていた話題を口にする事にしました。
「申し訳ございません、ラルフ様」
「何がだ」
「カーミラ様達の件です」
「リノアが謝る事じゃないだろう? むしろ俺が謝らないといけない」
ラルフ様は優しく微笑んで、私の頭をなでながら続けられます。
「俺がもっと家族の事を気付けていれば」
「でも、そうなっていたら、ラルフ様は私ではない、他の誰かと結婚されていたのでしょう? 複雑な気分なのです」
「ありがとう」
慰めているのだと思われたようで、ラルフ様はお礼を言われてから続けます。
「ここ何日か、ずっと考えていた。俺にとって家族とはなんだったんだろうかと」
「ラルフ様…」
自分を責めておられるのでしょうか。
けれど、ラルフ様は家族の事ばかり考えてもいられなかったはずです。
国に何かあれば、そちらが優先になるのは、この国では当たり前の話です。
それがラルフ様の職務でもあります。
まあ、無関心すぎたのはあるかもしれませんが。
「ラルフ様、まだ家族は作れますよ」
ソッと彼の右手をつかんで笑うと、ラルフ様は少しだけ照れた様な顔をされました。
「そうです。血のつながりがあるだけが家族じゃありません。うちの親父とお袋だって血はつながってないのに、家族になってるわけですし」
ラルフ様の護衛として付いてくださっていたケイン様が口を挟まれたので、私の護衛であるミリー様が彼の足を蹴ってから言います。
「ケイン、あんたねぇ」
「なんだよ!?」
「ケイン様とミリー様が家族になる事もありえますものね」
2人のやり取りを見て笑いながら言うと、ミリー様は苦笑され、ケイン様は照れてしまわれました。
「ラルフ様は1人じゃありませんから。欠点があるのなら、私がそれを補います。だから、ラルフ様は私の欠点を補っていただきたいのです」
何かに気を取られて、何かを犠牲にしてしまう。
ラルフ様は領民の事ばかりを考え、家族には無関心でした。
なら、私が新しい家族になるというのなら、それを理解して支えたいと思うのです。
それに、ラルフ様だって今回の事で少しは懲りた事でしょうから。
「やっぱりお嫁にいくんじゃなかったなんて思わせないで下さいね?」
お父さまからは婚約を破棄すべきではないかと言われましたし、ラルフ様も今回の件ではさすがに私が望むなら、婚約の解消を受け入れると言われました。
ですが、お母さまと弟のヒナタは私の好きなようにしたら良いと言ってくれました。
どの選択を選んでも味方になるから、と。
たぶん、私の気持ちを理解して下さったのでしょう。
どんな人を好きになるかは人それぞれです。
誰かにとって最低な人間でも、違う誰かにとっては最愛の人の事だってあります。
「思わせないようにする」
ラルフ様はそう言って、私の手を強く握られました。
私は婚約を解消はしません。
だって、恋の病なんて自分でしか治せないものでしょう?
そんな病気にかかっている今の私がしなければいけないのは、ラルフ様の名誉を取り戻し、平穏な生活を取り戻すことです。
「さて、これからはもっと頑張らなくては」
だって、平穏な生活を諦めるつもりはありませんからね。
凍死してしまう受刑者が多い事で有名で、カーミラ様には今のところ関係ありませんが、労役も過酷な場所なのだそうです。
お金を払えば、罪を軽くする事もできたのですが、それはラルフ様が拒否されました。
フレイ様の罪に関しては令嬢方の事もあるため隠す事になりましたが、カーミラ様の件は貴族社会ではすぐに知れ渡り、クラーク家の貴族内での評判は下がり、ラルフ様も罰金と1週間という短い期間ではありますが謹慎処分を受けられました。
謹慎期間が短いのは、ラルフ様の辺境伯としての今までの功績が考慮され、長く職務から離れていると、隣国が動き出すかもしれないという心配があるからです。
あの事件から、数日後の朝。
謹慎中のラルフ様と一緒に庭園を散歩している際に、思い切って、わざと今まで避けていた話題を口にする事にしました。
「申し訳ございません、ラルフ様」
「何がだ」
「カーミラ様達の件です」
「リノアが謝る事じゃないだろう? むしろ俺が謝らないといけない」
ラルフ様は優しく微笑んで、私の頭をなでながら続けられます。
「俺がもっと家族の事を気付けていれば」
「でも、そうなっていたら、ラルフ様は私ではない、他の誰かと結婚されていたのでしょう? 複雑な気分なのです」
「ありがとう」
慰めているのだと思われたようで、ラルフ様はお礼を言われてから続けます。
「ここ何日か、ずっと考えていた。俺にとって家族とはなんだったんだろうかと」
「ラルフ様…」
自分を責めておられるのでしょうか。
けれど、ラルフ様は家族の事ばかり考えてもいられなかったはずです。
国に何かあれば、そちらが優先になるのは、この国では当たり前の話です。
それがラルフ様の職務でもあります。
まあ、無関心すぎたのはあるかもしれませんが。
「ラルフ様、まだ家族は作れますよ」
ソッと彼の右手をつかんで笑うと、ラルフ様は少しだけ照れた様な顔をされました。
「そうです。血のつながりがあるだけが家族じゃありません。うちの親父とお袋だって血はつながってないのに、家族になってるわけですし」
ラルフ様の護衛として付いてくださっていたケイン様が口を挟まれたので、私の護衛であるミリー様が彼の足を蹴ってから言います。
「ケイン、あんたねぇ」
「なんだよ!?」
「ケイン様とミリー様が家族になる事もありえますものね」
2人のやり取りを見て笑いながら言うと、ミリー様は苦笑され、ケイン様は照れてしまわれました。
「ラルフ様は1人じゃありませんから。欠点があるのなら、私がそれを補います。だから、ラルフ様は私の欠点を補っていただきたいのです」
何かに気を取られて、何かを犠牲にしてしまう。
ラルフ様は領民の事ばかりを考え、家族には無関心でした。
なら、私が新しい家族になるというのなら、それを理解して支えたいと思うのです。
それに、ラルフ様だって今回の事で少しは懲りた事でしょうから。
「やっぱりお嫁にいくんじゃなかったなんて思わせないで下さいね?」
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ですが、お母さまと弟のヒナタは私の好きなようにしたら良いと言ってくれました。
どの選択を選んでも味方になるから、と。
たぶん、私の気持ちを理解して下さったのでしょう。
どんな人を好きになるかは人それぞれです。
誰かにとって最低な人間でも、違う誰かにとっては最愛の人の事だってあります。
「思わせないようにする」
ラルフ様はそう言って、私の手を強く握られました。
私は婚約を解消はしません。
だって、恋の病なんて自分でしか治せないものでしょう?
そんな病気にかかっている今の私がしなければいけないのは、ラルフ様の名誉を取り戻し、平穏な生活を取り戻すことです。
「さて、これからはもっと頑張らなくては」
だって、平穏な生活を諦めるつもりはありませんからね。
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