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28 血の繋がらない姉のわがまま
「ねえ、いいでしょう!? あなたは初恋の人と幸せになれるし、ジェラルド様は私と結婚できて、私は公爵夫人になれるから良いことだらけだわ!」
「どうしてそうなるんですか。私はもうテイン様のことは好きではありません。大体、テイン様はお姉様のことが好きなんでしょう? テイン様の幸せは無視ですか?」
「それはそうかもしれないけど、私の幸せのためなら許してくれると思うわ」
「そうは思えませんが……」
自分のことしか考えていないようなので、呆れていると、お姉様は叫ぶ。
「妹なんだから姉の言うことを聞けと言ってるのよ!」
「こういう時だけ、姉だから、妹だからとかいうようなことを言うんですね。本当は私のことなんて妹だとは思っていないのでしょう?」
大きく息を吐いてから尋ねると、お姉様が叫ぶ。
「当たり前でしょう! あなたは本当の家族じゃないんだから! 本来なら、私のことをお姉様と呼ぶことは許されないし、お母様やお父様と呼ぶことだっておこがましいのよ」
そう言いそうな気がしたから、わざと言っているんだけれど、皮肉って通じないものなのね。
それに他にも理由はある。
「今はそう呼んでおかないと駄目なんです。どう呼ぶかは全てが明るみになってから考えます」
「あなたの頭、おかしいんじゃない!?」
「別にあなたにおかしいとか言われてもかまいません。私は自分とソルト、私を大事にしてくれる人達、それから本当の家族の幸せを守りたいだけです。間違って他の人の前で、あなた達のことを変な名前で呼んだりしたら、計画にほころびが出る可能性があります。#お母様_・__#の罪は、まだ世に出てはいけないんですよ。それもわからないんですか? それに、明るみにされたら困るのはお姉様も一緒ですよ」
「どういうことよ? というか、私のことをお姉様だなんて呼ばないで!」
意味がわからないといった顔をしているので、説明してさしあげるついでに、呼び方についても聞いておく。
「呼んでほしい呼び方があるのであれば、そう呼ばせていただきますが? 他の方に何か聞かれましたら、喧嘩をしていると答えるようにいたします」
「私はミリーとミリエルを使い分けているのに、あなたは上手く出来ないって言うのね!?」
「そちらに関しては、どっちで呼んでもおかしくないでしょう。例えば、今までお姉様と呼んでいたのにレジーノ様なんて言ったら、あからさま過ぎませんか?」
「そんなことはないわよ!」
「承知しました。そう呼ぶようにさせていただきます。ではレジーノ様、私とあなたは姉妹ではないようですので、先程の妹だから、姉だからというお話は最初からなかったことになりますし、ちょうど良かったです。では、失礼します」
軽く頭を下げて、今度こそ立ち去ろうとしたけれど、レジーノ様はしつこかった。
「ちょっと! それは駄目よ! 大体、あなたがこの家の娘ではないというんなら、ジェラルド様との婚約の話はなしだわ!」
「そうなっては困るから、家族関係を続けるために、お父様とお母様と呼んでいるのもあるんですが? レジーノ様の様子を見ますと、あなたのお母様は私にお母様と呼ばれることを拒否されるでしょうから、呼んでほしい名前を教えてもらうか、もしくは話しかけないかにさせていただきます。この家での居心地は悪いかもしれませんが、ジェリー様と結婚するまでの期間なら我慢できますので」
「ま、まさか、あなた、そのために家族のふりをしてるの!? なんて性格の悪い女なの!?」
「性格が良いとは言えませんね。ただ、レジーノ様に言われたくはないですけど」
歩む足を止めず逆に歩くスピードを速めると、高いヒールの靴を履いているレジーノ様は、廊下のふかふかのカーペットに足を取られて転んでしまった。
「ちょっと、転んじゃったじゃない! 助けなさいよ」
「使用人を呼んできますのでお待ちください」
家の中でまで歩きにくい靴を履くからそうなるんだわ。
ちょうどその時、メイドが廊下に現れたので、倒れているレジーノ様を指差すと、慌てて助けに行ってくれた。
その子にお茶も頼めば良かったけれど、レジーノ様がぎゃーぎゃーわめいているので、彼女の相手をしてもらうことにして、厨房に向かうため階段に向かって歩いていると、今度はお母様らしき人の叫ぶ声が聞こえた。
「信じられないわ! 私の可愛いレジーノよりもミリエルのほうがいいだなんて!」
どういうこと?
婿養子の話じゃなくて、婚約者を変更する話でもしたのかしら?
そう考えた時、お母様の侍女の言葉が聞こえた。
「テイン様は見る目がないのですわ。それに、あの方はもう終わりです。それでしたら、レジーノ様の婚約者を次期公爵のジェラルド様に変更していただいたほうが良いのでは?」
「そうね。テイン様はミリエルが良いと言っていることだし、婚約者の変更をしましょう! テイン様とミリエル、レジーノとジェラルド様というようにね!」
階段の上からエントランスホールを見てみると、お母様が嬉しそうな顔をして侍女と話をしているのが見えた。
レジーノ様がジェリー様と結婚するほうが幸せだと思う気持ちはわかるわ。
でも、ヨウビル公爵夫人は私とテイン様を結婚させたくないと思うんだけど、それをすっかり忘れているみたいね。
それを思うと、レジーノ様も同じような考え方をしているし、親子ってところなのかもしれないわ。
私もテイン様なんて御免だし、ジェリー様だって嫌がるはず。
反対する人が多いとすぐにわかるはずなのに、どうやってその案を現実のものにしようとしてくるつもりかしら。
好き勝手すればするほど、自分の首を絞めるだけなのに。
「どうしてそうなるんですか。私はもうテイン様のことは好きではありません。大体、テイン様はお姉様のことが好きなんでしょう? テイン様の幸せは無視ですか?」
「それはそうかもしれないけど、私の幸せのためなら許してくれると思うわ」
「そうは思えませんが……」
自分のことしか考えていないようなので、呆れていると、お姉様は叫ぶ。
「妹なんだから姉の言うことを聞けと言ってるのよ!」
「こういう時だけ、姉だから、妹だからとかいうようなことを言うんですね。本当は私のことなんて妹だとは思っていないのでしょう?」
大きく息を吐いてから尋ねると、お姉様が叫ぶ。
「当たり前でしょう! あなたは本当の家族じゃないんだから! 本来なら、私のことをお姉様と呼ぶことは許されないし、お母様やお父様と呼ぶことだっておこがましいのよ」
そう言いそうな気がしたから、わざと言っているんだけれど、皮肉って通じないものなのね。
それに他にも理由はある。
「今はそう呼んでおかないと駄目なんです。どう呼ぶかは全てが明るみになってから考えます」
「あなたの頭、おかしいんじゃない!?」
「別にあなたにおかしいとか言われてもかまいません。私は自分とソルト、私を大事にしてくれる人達、それから本当の家族の幸せを守りたいだけです。間違って他の人の前で、あなた達のことを変な名前で呼んだりしたら、計画にほころびが出る可能性があります。#お母様_・__#の罪は、まだ世に出てはいけないんですよ。それもわからないんですか? それに、明るみにされたら困るのはお姉様も一緒ですよ」
「どういうことよ? というか、私のことをお姉様だなんて呼ばないで!」
意味がわからないといった顔をしているので、説明してさしあげるついでに、呼び方についても聞いておく。
「呼んでほしい呼び方があるのであれば、そう呼ばせていただきますが? 他の方に何か聞かれましたら、喧嘩をしていると答えるようにいたします」
「私はミリーとミリエルを使い分けているのに、あなたは上手く出来ないって言うのね!?」
「そちらに関しては、どっちで呼んでもおかしくないでしょう。例えば、今までお姉様と呼んでいたのにレジーノ様なんて言ったら、あからさま過ぎませんか?」
「そんなことはないわよ!」
「承知しました。そう呼ぶようにさせていただきます。ではレジーノ様、私とあなたは姉妹ではないようですので、先程の妹だから、姉だからというお話は最初からなかったことになりますし、ちょうど良かったです。では、失礼します」
軽く頭を下げて、今度こそ立ち去ろうとしたけれど、レジーノ様はしつこかった。
「ちょっと! それは駄目よ! 大体、あなたがこの家の娘ではないというんなら、ジェラルド様との婚約の話はなしだわ!」
「そうなっては困るから、家族関係を続けるために、お父様とお母様と呼んでいるのもあるんですが? レジーノ様の様子を見ますと、あなたのお母様は私にお母様と呼ばれることを拒否されるでしょうから、呼んでほしい名前を教えてもらうか、もしくは話しかけないかにさせていただきます。この家での居心地は悪いかもしれませんが、ジェリー様と結婚するまでの期間なら我慢できますので」
「ま、まさか、あなた、そのために家族のふりをしてるの!? なんて性格の悪い女なの!?」
「性格が良いとは言えませんね。ただ、レジーノ様に言われたくはないですけど」
歩む足を止めず逆に歩くスピードを速めると、高いヒールの靴を履いているレジーノ様は、廊下のふかふかのカーペットに足を取られて転んでしまった。
「ちょっと、転んじゃったじゃない! 助けなさいよ」
「使用人を呼んできますのでお待ちください」
家の中でまで歩きにくい靴を履くからそうなるんだわ。
ちょうどその時、メイドが廊下に現れたので、倒れているレジーノ様を指差すと、慌てて助けに行ってくれた。
その子にお茶も頼めば良かったけれど、レジーノ様がぎゃーぎゃーわめいているので、彼女の相手をしてもらうことにして、厨房に向かうため階段に向かって歩いていると、今度はお母様らしき人の叫ぶ声が聞こえた。
「信じられないわ! 私の可愛いレジーノよりもミリエルのほうがいいだなんて!」
どういうこと?
婿養子の話じゃなくて、婚約者を変更する話でもしたのかしら?
そう考えた時、お母様の侍女の言葉が聞こえた。
「テイン様は見る目がないのですわ。それに、あの方はもう終わりです。それでしたら、レジーノ様の婚約者を次期公爵のジェラルド様に変更していただいたほうが良いのでは?」
「そうね。テイン様はミリエルが良いと言っていることだし、婚約者の変更をしましょう! テイン様とミリエル、レジーノとジェラルド様というようにね!」
階段の上からエントランスホールを見てみると、お母様が嬉しそうな顔をして侍女と話をしているのが見えた。
レジーノ様がジェリー様と結婚するほうが幸せだと思う気持ちはわかるわ。
でも、ヨウビル公爵夫人は私とテイン様を結婚させたくないと思うんだけど、それをすっかり忘れているみたいね。
それを思うと、レジーノ様も同じような考え方をしているし、親子ってところなのかもしれないわ。
私もテイン様なんて御免だし、ジェリー様だって嫌がるはず。
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