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14 「私は何も知りませんわ!」
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「どうしたんだ?」
激しい音がしたからか、ウォークインクローゼットの外にいるダニエル殿下の焦った声が聞こえてきた。
「ダニエルでんかっ! とりかごでしゅ! およーふくといっしょに、とりかごがありましゅ!」
「……鳥かご?」
ダニエル殿下は、まずは何のことかわからないフリをしてくれることにしたらしく、不思議そうな声が聞こえてきた。
「触れるなと言ったでしょう!」
侍女は私を床に下ろすと、私の左頬を平手打ちした。
侍女は必死の形相だった。
こんなことになってたから、ロアリン様から何かしらのペナルティがあるのかもしれない。
「う、う、うわああん! ごめんなしゃあい!」
平手打ちはさすがに痛かった。
しかも、女性の手であっても子供にしてみれば大きい。
自然と涙が溢れてきて大声で泣くと、ロアリン様が私の口を押さえた。
「泣き止みなさい! 泣き止まなければ、もっと痛い目に遭わせますわよ!」
「うえっ! うえっ!」
嗚咽をあげていると、ダニエル殿下の厳しい声が聞こえてくる。
「今の音は何だった? まさか、殴ったんじゃないよな?」
「……っ!」
侍女の顔がみるみる内に青くなっていく。
子供にさっきのことは黙っていろと言っても口に出してしまうとわかっているからかもしれない。
「うっ、うっ!」
目に涙を溜めて侍女を睨んだあと、ダニエル殿下が中に入って来てもおかしくない状況に持っていく。
私の口を塞いでいたロアリン様の手を軽く噛んで、口を自由にしてから叫ぶ。
「ダニエルでんかぁ! ここにいる、おねーちゃんがたたいたぁ!」
「や、やめなさい!」
ロアリン様が私の顔を掴んで睨みつける。
「あなた、殺されたいの!?」
「……いやでしゅっ!」
「なら、黙っていなさい! あなたは何も見ていないし、されていないの! 良い子ならわかるわよね!?」
「子供の顔を掴んで脅しているロアリン嬢を僕は見てしまったから、両陛下に報告しても良いかな?」
声のした方向に目を向けると、ダニエル殿下がウォークインクローゼットの中に入ってきていた。
ロアリン様は慌てて私から手を離した。
「でんか! あしょこっ!」
必死に手を横に伸ばして指差した先には、白いドーム型の鳥かごがあり、その中でエディールさんらしき妖精が暴れていた。
声が出せないのか、パクパクと口を動かして、必死に訴えている。
「……ロアリン嬢、どうして妖精がこんなところに? しかも、鳥かごの中に入れられているだなんて、やってはいけないことだということは知ってるよね?」
ダニエル殿下に厳しい口調で問われたロアリン様は目を泳がせる。
そして、少し考えた後に、自分の侍女を指差した。
「私は何も知りませんわ! きっと、ここにいる侍女が妖精を捕まえ、ここを隠し場所にしたのでしょう!」
「そんな! ロアリン様!?」
メイドは主人に罪を着せられそうになっているとわかり、非難の声を上げた。
でも、ロアリン様はそんなことは気にしない。
「私に隠れてこんなことをしていただなんて許せないわ」
「私ではありません!」
「ロアリン嬢、本当に侍女の仕業なのか? 嘘をついても妖精が証言したら罪がもっと重くなるぞ」
「気になるのであれば、妖精に話しかけてはいかがです?」
ロアリン様は不敵な笑みを浮かべた。
エディールさんが話せないように魔法をかけているのね。
だから、自分だとバレないと確信しているんだわ。
泣くのをやめてロアリン様を睨むと、彼女は勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
でも、私は負けていないと思う。
デルトロさんならエディールさんの魔法をといてくれそうな気がした。
「わかった。とにかく、この妖精は持ち帰らせてもらう。魔法に詳しい人間に話を聞いて、魔法を解除してもらうことにしよう」
「魔法はかけた人間にしか解錠できませんわよ?」
「侍女がかけたというのなら解錠させる」
「私ではありません! 私は魔法が使えません!」
侍女はそう叫ぶと、ロアリン様を指差す。
「魔法をかけたのはロアリン様です! 私ではございません!」
裏切ったんだから、侍女だって真実を言うわよね。
さあ、ロアリン様はどんな言い訳をしてくるのかしら?
※
本日からリメイク版の「身代わり令嬢ですので自由にさせてもらいます!」を投稿をはじめました。
読んでいただけましたら幸せです!
激しい音がしたからか、ウォークインクローゼットの外にいるダニエル殿下の焦った声が聞こえてきた。
「ダニエルでんかっ! とりかごでしゅ! およーふくといっしょに、とりかごがありましゅ!」
「……鳥かご?」
ダニエル殿下は、まずは何のことかわからないフリをしてくれることにしたらしく、不思議そうな声が聞こえてきた。
「触れるなと言ったでしょう!」
侍女は私を床に下ろすと、私の左頬を平手打ちした。
侍女は必死の形相だった。
こんなことになってたから、ロアリン様から何かしらのペナルティがあるのかもしれない。
「う、う、うわああん! ごめんなしゃあい!」
平手打ちはさすがに痛かった。
しかも、女性の手であっても子供にしてみれば大きい。
自然と涙が溢れてきて大声で泣くと、ロアリン様が私の口を押さえた。
「泣き止みなさい! 泣き止まなければ、もっと痛い目に遭わせますわよ!」
「うえっ! うえっ!」
嗚咽をあげていると、ダニエル殿下の厳しい声が聞こえてくる。
「今の音は何だった? まさか、殴ったんじゃないよな?」
「……っ!」
侍女の顔がみるみる内に青くなっていく。
子供にさっきのことは黙っていろと言っても口に出してしまうとわかっているからかもしれない。
「うっ、うっ!」
目に涙を溜めて侍女を睨んだあと、ダニエル殿下が中に入って来てもおかしくない状況に持っていく。
私の口を塞いでいたロアリン様の手を軽く噛んで、口を自由にしてから叫ぶ。
「ダニエルでんかぁ! ここにいる、おねーちゃんがたたいたぁ!」
「や、やめなさい!」
ロアリン様が私の顔を掴んで睨みつける。
「あなた、殺されたいの!?」
「……いやでしゅっ!」
「なら、黙っていなさい! あなたは何も見ていないし、されていないの! 良い子ならわかるわよね!?」
「子供の顔を掴んで脅しているロアリン嬢を僕は見てしまったから、両陛下に報告しても良いかな?」
声のした方向に目を向けると、ダニエル殿下がウォークインクローゼットの中に入ってきていた。
ロアリン様は慌てて私から手を離した。
「でんか! あしょこっ!」
必死に手を横に伸ばして指差した先には、白いドーム型の鳥かごがあり、その中でエディールさんらしき妖精が暴れていた。
声が出せないのか、パクパクと口を動かして、必死に訴えている。
「……ロアリン嬢、どうして妖精がこんなところに? しかも、鳥かごの中に入れられているだなんて、やってはいけないことだということは知ってるよね?」
ダニエル殿下に厳しい口調で問われたロアリン様は目を泳がせる。
そして、少し考えた後に、自分の侍女を指差した。
「私は何も知りませんわ! きっと、ここにいる侍女が妖精を捕まえ、ここを隠し場所にしたのでしょう!」
「そんな! ロアリン様!?」
メイドは主人に罪を着せられそうになっているとわかり、非難の声を上げた。
でも、ロアリン様はそんなことは気にしない。
「私に隠れてこんなことをしていただなんて許せないわ」
「私ではありません!」
「ロアリン嬢、本当に侍女の仕業なのか? 嘘をついても妖精が証言したら罪がもっと重くなるぞ」
「気になるのであれば、妖精に話しかけてはいかがです?」
ロアリン様は不敵な笑みを浮かべた。
エディールさんが話せないように魔法をかけているのね。
だから、自分だとバレないと確信しているんだわ。
泣くのをやめてロアリン様を睨むと、彼女は勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
でも、私は負けていないと思う。
デルトロさんならエディールさんの魔法をといてくれそうな気がした。
「わかった。とにかく、この妖精は持ち帰らせてもらう。魔法に詳しい人間に話を聞いて、魔法を解除してもらうことにしよう」
「魔法はかけた人間にしか解錠できませんわよ?」
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「私ではありません! 私は魔法が使えません!」
侍女はそう叫ぶと、ロアリン様を指差す。
「魔法をかけたのはロアリン様です! 私ではございません!」
裏切ったんだから、侍女だって真実を言うわよね。
さあ、ロアリン様はどんな言い訳をしてくるのかしら?
※
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読んでいただけましたら幸せです!
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