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11 反省してくれますよね?
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「綺麗事を言ってるが、君だって同じなんだろう!? 僕とどうにかなりたいっていう甘い気持ちがあるに決まってる!」
「そんな訳ないでしょう!」
覆いかぶさろうとしてきたフレイ様のお腹に思い切り、蹴りを入れたあと、上半身を起き上がらせ、握りしめていた拳の中の魔道具に魔力を流す。
すると、ビビビ、とけたたましい音が部屋中に響き渡り、あまりの音の大きさに驚いて、魔力を流す事を止めた。
「な、なんの音だよ!?」
「恐怖に陥ると大きな声を出そうと思っても出せません。ですから、魔力を流すと大きな音が鳴り、その音で周りに異常を知らせるという、女性の間で流行っている魔道具ですよ」
耳を塞ぎながら叫ぶフレイ様に答えてから、扉の方に向かって声を上げる。
「ラルフ様! ケイン様!」
名を呼ぶとすぐに、扉が二人によって蹴り開けられ、吹っ飛んだ扉が、ばたりと床に落ちました。
鍵の意味がありませんね。
「リノア!」
「リノア様!」
今の状況は、私とフレイ様は彼のベッドの上にいる状態です。
まあ、フレイ様はお腹をおさえて、うずくまっておられますが…。
靴のヒールが思い切り、お腹にめりこんでしまったのかも。
内蔵に支障が出たら大変ですし、後で回復薬をお渡ししなくては!
それにしてもこの状態、普通なら不貞を怪しまれてもおかしくない状態ですが、ラルフ様なら私を信じてくださるはず。
「兄さん! 彼女が僕を誘惑してきたんです!」
「ふざけた事を言わないで下さい! ラルフ様、お聞きください! この方は今まで、ラルフ様のお見合い相手の女性に対し」
「やめろ!」
フレイ様がうずくまっていた身体を起こし、私の頬を叩きました。
「何するんですか!」
「リノア様になんてことを!」
食ってかかる私と怒るケイン様の叫び声と同時、ラルフ様がフレイ様の襟首をつかむと、片手で彼の身体を持ち上げたあと、そのままベッドに叩き落としました。
ベッドの上ですから、衝撃はまだマシでしょうけれど、床に叩きつけられていたら骨が折れていたかもしれません。
「リノア、大丈夫か」
「大丈夫です」
ラルフ様はフレイ様から手をはなすと、頬をおさえていた私の手の上から、自分の手を当てられ、今にも泣き出しそうな顔をされました。
頬がじんじんするのは確かですが、ここは笑わないといけない気がします。
もし、怒ったり泣き出したりしたなら、ラルフ様がフレイ様に何をするかわかりません。
兄弟なのですし、手加減はされるかもしれませんが、ラルフ様は、国境で何かあった際には戦場に出られますので、とても鍛えておられます。
ですから、そんなラルフ様に殴られたりしたら、普通の人よりも華奢なフレイ様は軽いケガでは済まないはず。
そう思って微笑んだあと、フレイ様に向かって言う。
「フレイ様、あなたは嫁入り前の令嬢が他の男性に手を出されたら、きずものだとおっしゃいましたが、そんな事はありません! 抵抗しても多くの女性は力では男性に勝てません! 大体、手を出したのはあなたです!」
「…フレイ、どういう事だ」
私の頬に手をあてたまま、ラルフ様はフレイ様の方に顔を向けられましたが、そういう事に鈍い私でもわかるくらいの殺気を出しておられます。
自分の弟がそんな事をしていた事に気付かなかった、自分への怒りもあるのかもしれません。
「兄さん、誤解です!」
「何が誤解だ。リノアの頬を叩いた所はこの目で見たぞ」
ラルフ様が私の頬から手をはなし、起き上がろうとしていたフレイ様の首をつかんで、彼の顔をシーツの上に押し当てました。
止めるべきか迷っていると、ケイン様が私に手を差し出して言います。
「リノア様、頬の手当をしましょう。腫れたりしたら大変です」
「ですが、ラルフ様を置いては行けません」
視線を向けると、私の足元でフレイ様は寝転んだ状態で、ラルフ様におさえつけられたままです。
「正直に話せ。リノアに何をしようとした?」
「ぼ、僕は兄さんを狙う虫を駆除したかっただけです!」
「何をしようとしたかを聞いてるんだ!」
「兄さん! どうして怒るんです!」
「俺が言わないとわからないのか!」
ラルフ様は怒りをおさえておられるようですが、フレイ様は首を絞められた痛みで悲鳴をあげられました。
このままにしておくと、ラルフ様がフレイ様を…なんて事になったら、彼の評判がもっと悪くなってしまいます。
ただ、フレイ様は、ちゃんと反省してくれますよね?
この件につきましては、死ななきゃなおらないでは困ります!
「そんな訳ないでしょう!」
覆いかぶさろうとしてきたフレイ様のお腹に思い切り、蹴りを入れたあと、上半身を起き上がらせ、握りしめていた拳の中の魔道具に魔力を流す。
すると、ビビビ、とけたたましい音が部屋中に響き渡り、あまりの音の大きさに驚いて、魔力を流す事を止めた。
「な、なんの音だよ!?」
「恐怖に陥ると大きな声を出そうと思っても出せません。ですから、魔力を流すと大きな音が鳴り、その音で周りに異常を知らせるという、女性の間で流行っている魔道具ですよ」
耳を塞ぎながら叫ぶフレイ様に答えてから、扉の方に向かって声を上げる。
「ラルフ様! ケイン様!」
名を呼ぶとすぐに、扉が二人によって蹴り開けられ、吹っ飛んだ扉が、ばたりと床に落ちました。
鍵の意味がありませんね。
「リノア!」
「リノア様!」
今の状況は、私とフレイ様は彼のベッドの上にいる状態です。
まあ、フレイ様はお腹をおさえて、うずくまっておられますが…。
靴のヒールが思い切り、お腹にめりこんでしまったのかも。
内蔵に支障が出たら大変ですし、後で回復薬をお渡ししなくては!
それにしてもこの状態、普通なら不貞を怪しまれてもおかしくない状態ですが、ラルフ様なら私を信じてくださるはず。
「兄さん! 彼女が僕を誘惑してきたんです!」
「ふざけた事を言わないで下さい! ラルフ様、お聞きください! この方は今まで、ラルフ様のお見合い相手の女性に対し」
「やめろ!」
フレイ様がうずくまっていた身体を起こし、私の頬を叩きました。
「何するんですか!」
「リノア様になんてことを!」
食ってかかる私と怒るケイン様の叫び声と同時、ラルフ様がフレイ様の襟首をつかむと、片手で彼の身体を持ち上げたあと、そのままベッドに叩き落としました。
ベッドの上ですから、衝撃はまだマシでしょうけれど、床に叩きつけられていたら骨が折れていたかもしれません。
「リノア、大丈夫か」
「大丈夫です」
ラルフ様はフレイ様から手をはなすと、頬をおさえていた私の手の上から、自分の手を当てられ、今にも泣き出しそうな顔をされました。
頬がじんじんするのは確かですが、ここは笑わないといけない気がします。
もし、怒ったり泣き出したりしたなら、ラルフ様がフレイ様に何をするかわかりません。
兄弟なのですし、手加減はされるかもしれませんが、ラルフ様は、国境で何かあった際には戦場に出られますので、とても鍛えておられます。
ですから、そんなラルフ様に殴られたりしたら、普通の人よりも華奢なフレイ様は軽いケガでは済まないはず。
そう思って微笑んだあと、フレイ様に向かって言う。
「フレイ様、あなたは嫁入り前の令嬢が他の男性に手を出されたら、きずものだとおっしゃいましたが、そんな事はありません! 抵抗しても多くの女性は力では男性に勝てません! 大体、手を出したのはあなたです!」
「…フレイ、どういう事だ」
私の頬に手をあてたまま、ラルフ様はフレイ様の方に顔を向けられましたが、そういう事に鈍い私でもわかるくらいの殺気を出しておられます。
自分の弟がそんな事をしていた事に気付かなかった、自分への怒りもあるのかもしれません。
「兄さん、誤解です!」
「何が誤解だ。リノアの頬を叩いた所はこの目で見たぞ」
ラルフ様が私の頬から手をはなし、起き上がろうとしていたフレイ様の首をつかんで、彼の顔をシーツの上に押し当てました。
止めるべきか迷っていると、ケイン様が私に手を差し出して言います。
「リノア様、頬の手当をしましょう。腫れたりしたら大変です」
「ですが、ラルフ様を置いては行けません」
視線を向けると、私の足元でフレイ様は寝転んだ状態で、ラルフ様におさえつけられたままです。
「正直に話せ。リノアに何をしようとした?」
「ぼ、僕は兄さんを狙う虫を駆除したかっただけです!」
「何をしようとしたかを聞いてるんだ!」
「兄さん! どうして怒るんです!」
「俺が言わないとわからないのか!」
ラルフ様は怒りをおさえておられるようですが、フレイ様は首を絞められた痛みで悲鳴をあげられました。
このままにしておくと、ラルフ様がフレイ様を…なんて事になったら、彼の評判がもっと悪くなってしまいます。
ただ、フレイ様は、ちゃんと反省してくれますよね?
この件につきましては、死ななきゃなおらないでは困ります!
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