役立たずの聖女はいらないと他国に追いやられましたが、色々あっても今のほうが幸せです

風見ゆうみ

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2  聖女代理

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 魔力をいつもより多く授かっても、力がみなぎってくるだとか、聖なる力を使わない限り、体に変化があるわけではない。
 でも、多く授かれば授かるほど、強い結界も張れるから、弱いと言われた場所に向かうことにした。

 現金がなかったので、まずはドレスを売って換金してから向かった。

 ソーンウェル王国に向かわないといけないことはわかっている。
 世界樹の小島は別として、同国に聖女は一人しか存在することができない。
 だから、ルルミーがノーンコル王国に入れば、わたしは自動的にソーンウェル王国に飛ばされるはずなので、ギリギリまではノーンコル王国に尽くすことに決めた。
 どんな風にいつ飛ばされるかわからないから不安でもあるけれど、深くは考えないことにした。

「わたしがもっと強い結界を張れていれば、婚約破棄もされなかったし、付近の人たちを怖がらせなくても良かったんだもの。せめて、ここを出る前に結界だけはちゃんとしないと駄目よ」
 
 一人でそう呟き、結界付近に住んでいる人たちに罵られることを覚悟して馬車から降りた。
 すると、わたしの姿を見た人たちが笑顔で集まってきた。

「聖女様、わざわざ遠くまでお越しいただきありがとうございます」
「礼を言われることではありません。わたしが結界をしっかり張れていなかったせいで、皆様にご迷惑をおかけしてしまいました。誠に申し訳ございません」

 深々と頭を下げると、騒がしかった周りが一気に静まり返った。

 今度こそ怒られるんだわ。

 覚悟して目を伏せた時だった。

「結界に何も異常はありませんよ」

 歓迎してくれていた中の一人の声が聞こえた。
 目を開けて、教えてくれた女性を見つめる。

「……今、なんと?」
「結界はいつも通りです。何か結界に不具合が生じたのでしょうか」
「いえ。結界の力が弱まっているとお聞きしたのですが」

 わたしの言葉を聞いた人たちは、困ったように近くの人と顔を見合わせた。

「そんな噂は聞いたことがありませんが」
「……どういうこと?」

 思わず疑問を口に出してしまった。

 王家が調べもせずに嘘の噂を信じたということなの?
 そんなことってありえるのかしら。

「あの、聖女様、どうかなさいましたか?」
「もしかして、結界に何かあったという噂を聞いて、こちらまで足を運んでくださったのでしょうか」

 不安そうにして尋ねてくる人たちに、慌てて笑顔を作る。

「いいえ。もうすぐ、わたしはこの国を出るのです。最後にできるだけのことはやっておきたいと思いまして、こちらに来ました」

 わたしの話を聞いた周りの人たちの顔色が悪くなっていくことに気づき、慌てて訂正する。

「ご心配なく! わたし以外の聖女が参りますので、今まで通りに過ごせますので!」

 ノーンコル王国の識字率は、他国と比べてかなり悪い。
 だから、新聞にわたしのことが書かれてあっても読めないから意味がないことを忘れていた。

 配慮が足りなくて本当に申し訳ない。

 ショックを受けている人たちに事情を説明してから、結界の様子を見に行くことにした。

 少しの間、見回ってみたけれど、特に結界が弱まっている場所があるようには思えない。

 もしかして、弱まっているというのは嘘だったのかしら。
 わたしをこの国から追い出すための口実だったのかもしれない。

 そう思うと悲しくなって、枯れたと思っていた涙が出そうになった。

 他の聖女も言っていたけれど、ソーンウェル王国の王家が何も言わないのが気になる。

 ルルミー様はソーンウェル王国では本性を出して、逆にいらないと思われていたのかもしれない。
 どういう経緯かはわからないけれど、いらないもの同士を交換しようという話になったとかかしら。

 ルルミー様を選んだフワエル様のことを思うと悲しくなるけど、もう気持ちを切り替えなくてはならない。

 わたしはただの男爵令嬢ではなく、聖女なんだから。

 ソーンウェル王国に行って受け入れてもらえるように、わたしはわたしなりに聖女の仕事を頑張りましょう。

 そんなことを思いながら、結界のチェックをしていた時だった。

 急に目の前の景色が変わった。
 先程まで見えていた木々はどこかに消え去り、視界に入ったのはソファとテーブル、そして、呆気にとられた顔をした青年だった。

 わたしはなぜだかわからないけれど、見覚えのある男性と向かい合っていた。

 しかも、誰かの太腿と太腿の間に座っている状態だ。
 
「え……、あ、リーニ様……ですよね」

 向かいに座っているレモン色の肩より少し長い髪を一つにまとめた、ソーンウェル王国の王太子殿下の若き側近、ミーイ・エズム様が大きな目を瞬かせて聞いてきた。

 小柄で可愛らしい顔立ちのミーイ様に、わたしは後ろを振り向くことはせずに頷く。

「はい。あの、リーニ・ラーラルと申します」
「……ルルミーがノーンコル王国に入ったから転送されたんだな」

 わたしの頭上で、低いけれど心地の良い声が聞こえてきた。

 ミーイ様とわたしの間には黒のローテーブルがあり、その上にはまだ湯気が立っている紅茶らしきものが置かれている。

「紅茶は好きか」
 
 誰に聞いているのかわからないので黙っていると、少しの沈黙のあと、今度はミーイ様が尋ねてくる。

「リーニ様、紅茶はお好きですか」
「は、はい! あの、無視したわけではなく、誰に問いかけられたのかわからなかっただけでして」
「気分が落ち着くから飲め。まだ口はつけていない」

 耳元で囁かれて、余計にパニックになりそうになる。

 神様、どうして、こんな所に転移させたんですか!?

「い、い、いだだきます」

 前のめりになってカップを手に取る。
 手が震えてカチャカチャとソーサーに何度かカップをぶつけてしまった。

 紅茶の温度は飲み頃で、とても美味しくて心が安らいだ。

「美味いか」
「……はい、とっても。ありがとうございます」

 目を見てお礼を言うべきなのだろうけれど、話す声で相手が誰だかわかってしまったから振り向きたくても申し訳なさすぎて振り向けない。

 でも、この状態でいつまでもいられるはずがないのも確かだ。

 カップをソーサーに戻し、覚悟を決めて立ち上がる。
 そして、広い所まで出て床に膝をついて頭を下げる。

「申し訳ございませんでした!」

 わたしが不敬をしてしまった相手、ディオン・ファース様はソーンウェル王国の王太子殿下だ。

 これからお世話になる相手の前に座った上に、すすめられたとはいえ、王太子殿下の紅茶を飲んでしまった。

 ここに飛ばされたのは、わたしの責任ではない。
 だけど、すぐにその場から退くべきだったわ。

 頭を下げたままでいると、衣擦れの音が聞こえて、黒の革靴が視界に入った。

「気にしなくていい。君が好きでそうしたわけじゃないんだろう」

 わたしが顔を上げる前に、腰に両手が当てられたと思うと、ふわりと体が浮いた。

 わたしの体は、まるで小さな子供をあやすかのように高々と持ち上げられていた。

 ディオン殿下は長身で引き締まった体つきをしていて、わたしを持ち上げているというのに涼しい顔をしている。

 シルバーブロンドの少しクセのある髪を持ち、切れ長の目にダークブルーの瞳を持つディオン殿下は、少し見た目は怖いけれど眉目秀麗だ。

 聖女は王家に面倒を見てもらうことが一般的なので、本来ならば国王陛下の元に飛ばされる。

 それなのにどうして、ディオン殿下の元に来たのかは、神様の采配なんだろうけれど、せめて、部屋の中のどこか違う場所にしてほしかった。

「殿下! リーニ様は子供ではないんですよ!」

 ミーイ様が慌てた顔をして立ち上がって、ディオン殿下に叫んだ。

「すまない」

 ディオン殿下はわたしの目を見つめたまま謝罪してくれたあと、ゆっくりと床におろしてくれた。

「こちらこそ申し訳ございませんでした」
「神の考えられたことなのですから、リーニ様はお気になさらないでください」
「お前が言うなよ」

 ディオン殿下はミーイ様に言ったあと、わたしに目を向ける。

「君は気にしなくていい」
「ご理解いだだきありがとうございます」

 頭を下げると、ディオン殿下はソファに座るように促してくれたので恐れ多いと思いながらも、指定された場所に座らせていただく。 
 すると、ミーイ様が尋ねてくる。

「リーニ様は、ここに飛ばされる前に誰かと一緒にいらっしゃいましたか」
「いいえ。一人で結界の確認をしておりました」
「一人でですか?」

 ミーイ様は眉根を寄せて聞き返したあと、わたしの返事は待たずにディオン殿下に話しかける。

「リーニ様がいらっしゃったことをノーンコル王国に伝えてきます」
「頼む」
「お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします」

 座ってすぐに立ち上がり頭を下げると、ミーイ様は微笑む。

「リーニ様、申し訳ございませんが、殿下をよろしくお願いいたします」

 ミーイ様は一礼すると、わたしとディオン殿下を置いて部屋から出ていってしまった。

 残されたわたしとディオン殿下は顔を見合わせたあと無言になった。

 少しの沈黙のあと、ディオン殿下が口を開く。

「とにかく座ってくれ。君には色々と話さないといけないことがあるんだ」
「……承知しました」

 隣に座ると、ディオン殿下はわたしを見て聞いてくる。

「ルルミーが迷惑をかけていたんじゃないか」
「いえ」

 聖女が人を悪く言うことは褒められるものじゃないので言葉を濁していると、ディオン殿下はまた尋ねてくる。

「君はノーンコルに戻りたいか?」
「いいえ。ご迷惑でなければソーンウェル王国で頑張りたいです!」

 ノーンコル王国で役立たずだと言われたなんて言えない。
 ここでも、そう思われないように頑張ると決めたのよ。

「わかった。君の口がかたいと信じて言うが、ルルミーは聖女代理なんだ」
「せ、聖女代理!?」

 そんな言葉を初めて聞いたので、わたしは大きな声で聞き返してしまった。

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