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4 選んだ事を後悔する?
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「何を言っておられるかがわかりません。綺麗になる努力を怠ったつもりはないのですが?」
「もっと化粧をすべきだわ。あなたはほとんどしていないでしょう?」
「学園に厚化粧は必要でしょうか? それから、社交場では不自然にならない程度に化粧はしているつもりです」
「私が厚化粧ってどういうことよ!?」
「リリンラ様と言ったわけではございません」
「うるさいわね! どうせ、私は厚化粧よ!」
リリンラ様は厚化粧という自覚があるらしい。
それが悪いとは言わないけれど、やりすぎても肌に良くないはずだわ。
そうだわ。
考えてみたら、リリンラ様のお腹には赤ちゃんがいるのよね?
ふと、お腹の方を見てみると、今は膨らんでいるのか全くわからない。
でも、凹んではいないわ。
お腹っていつぐらいから膨らむのかしら…?
何にしても、余計なストレスをかけてはいけないわ。
「ちょっと、あなた! さっきから、お腹ばかり見ないでちょうだい!」
「ご、ごめんなさい! あの、他の人は知っているんですか?」
「何がよ!?」
「あの…」
言葉にしても良いのかわからなくて、お腹を見ると、リリンラ様が怒りだす。
「もう言っているわよ!」
「も…、申し訳ございません…」
赤ちゃんだなんて、私が考えるにはまだまだ先の事だったから、どんな事をすれば生まれるのかはわかっていても、赤ちゃんが出来たとわかってから生まれるまで、どんな事をすべきなのかはわからないのよね。
というか、安定期に入るまで他人には言わないと聞いたわ。
という事は、リリンラ様は安定期に入っているという事?
それって、妊娠がわかってすぐの事ではないわよね?
という事は、かなり前から、2人の関係は続いていたのね…。
私は、そんな事に全く気付けなかった。
「ちょっと! 何だかイライラするわね、あなた!」
「も、申し訳ございません。あの、イライラされると体に良くないかと思います。ですので、私を見ない方がよろしいかと思われます!」
私は真剣に言ったつもりなのだけれど、おかしな事を言ってしまったのか、教室内が一気に静まり返った。
「……それは、そうかもしれないわね」
リリンラ様は頷くと、私に向かって続ける。
「子供を生んだ後に、私は結婚するの。だから、学園は近い内に辞めるつもりよ」
「そ、そうなのですか? 休学という形ではなく?」
「ええ。私は伯爵夫人としての教育を受けるの。子育ても手伝ってもらいながらするつもりよ」
彼女が学園を辞めるという事がわかったからか、張り詰めていた空気が緩んだ気がした。
その事にリリンラ様も気が付いたのか、周りを見回して言う。
「どうして皆、悲しんでくれないの!? 私が学園を辞めてしまうのよ!? 寂しくないの!?」
そう聞かれた事もあり、周りの皆が「あ、ああ…」みたいな感じになって、悲しそうな顔を作って首を縦に振る。
私もそれに倣って、悲しい顔をして言う。
「学園を辞めてしまわれる事は寂しいですが、お幸せになってくださいね」
気分を良くしたリリンラ様は笑顔で、私にアドバイスしてくる。
「ありがとう! 本当にごめんなさいね? あなたの婚約者を奪っちゃって。でもね、あなたが悪いのよ? 婚約者に浮気をさせてしまう原因を作ったのはあなた。これはアドバイスよ? もっと努力しなさいな。男に浮気されない努力をね?」
「努力……」
捨てられない努力をすれば良いという事…?
それって、どうしたら良いの?
というか、それって偉そうに言われないといけない事なの?
自分の席に座り、先程の言葉に対して考えていると、友人が近付いてきて言う。
「婚約破棄されたって聞いたわ。それに、アンジェの元婚約者とリリンラ様の間に子供が出来たとか言っていたけど、本当なの?」
「そうみたい」
「……大丈夫? って、大丈夫じゃないわよね」
一番仲の良い友人、ミーファが一瞬、悲しげな顔になった後に、怒りの表情になって続ける。
「今はまだ気持ちの整理が出来ないかもしれないけれど、忘れられる日がくるわ。それに、あの2人は、絶対にお互いを選んだ事を後悔すると思う」
このミーファの言葉が現実になるのは、とある伯爵家で開かれた夜会の時だった。
「もっと化粧をすべきだわ。あなたはほとんどしていないでしょう?」
「学園に厚化粧は必要でしょうか? それから、社交場では不自然にならない程度に化粧はしているつもりです」
「私が厚化粧ってどういうことよ!?」
「リリンラ様と言ったわけではございません」
「うるさいわね! どうせ、私は厚化粧よ!」
リリンラ様は厚化粧という自覚があるらしい。
それが悪いとは言わないけれど、やりすぎても肌に良くないはずだわ。
そうだわ。
考えてみたら、リリンラ様のお腹には赤ちゃんがいるのよね?
ふと、お腹の方を見てみると、今は膨らんでいるのか全くわからない。
でも、凹んではいないわ。
お腹っていつぐらいから膨らむのかしら…?
何にしても、余計なストレスをかけてはいけないわ。
「ちょっと、あなた! さっきから、お腹ばかり見ないでちょうだい!」
「ご、ごめんなさい! あの、他の人は知っているんですか?」
「何がよ!?」
「あの…」
言葉にしても良いのかわからなくて、お腹を見ると、リリンラ様が怒りだす。
「もう言っているわよ!」
「も…、申し訳ございません…」
赤ちゃんだなんて、私が考えるにはまだまだ先の事だったから、どんな事をすれば生まれるのかはわかっていても、赤ちゃんが出来たとわかってから生まれるまで、どんな事をすべきなのかはわからないのよね。
というか、安定期に入るまで他人には言わないと聞いたわ。
という事は、リリンラ様は安定期に入っているという事?
それって、妊娠がわかってすぐの事ではないわよね?
という事は、かなり前から、2人の関係は続いていたのね…。
私は、そんな事に全く気付けなかった。
「ちょっと! 何だかイライラするわね、あなた!」
「も、申し訳ございません。あの、イライラされると体に良くないかと思います。ですので、私を見ない方がよろしいかと思われます!」
私は真剣に言ったつもりなのだけれど、おかしな事を言ってしまったのか、教室内が一気に静まり返った。
「……それは、そうかもしれないわね」
リリンラ様は頷くと、私に向かって続ける。
「子供を生んだ後に、私は結婚するの。だから、学園は近い内に辞めるつもりよ」
「そ、そうなのですか? 休学という形ではなく?」
「ええ。私は伯爵夫人としての教育を受けるの。子育ても手伝ってもらいながらするつもりよ」
彼女が学園を辞めるという事がわかったからか、張り詰めていた空気が緩んだ気がした。
その事にリリンラ様も気が付いたのか、周りを見回して言う。
「どうして皆、悲しんでくれないの!? 私が学園を辞めてしまうのよ!? 寂しくないの!?」
そう聞かれた事もあり、周りの皆が「あ、ああ…」みたいな感じになって、悲しそうな顔を作って首を縦に振る。
私もそれに倣って、悲しい顔をして言う。
「学園を辞めてしまわれる事は寂しいですが、お幸せになってくださいね」
気分を良くしたリリンラ様は笑顔で、私にアドバイスしてくる。
「ありがとう! 本当にごめんなさいね? あなたの婚約者を奪っちゃって。でもね、あなたが悪いのよ? 婚約者に浮気をさせてしまう原因を作ったのはあなた。これはアドバイスよ? もっと努力しなさいな。男に浮気されない努力をね?」
「努力……」
捨てられない努力をすれば良いという事…?
それって、どうしたら良いの?
というか、それって偉そうに言われないといけない事なの?
自分の席に座り、先程の言葉に対して考えていると、友人が近付いてきて言う。
「婚約破棄されたって聞いたわ。それに、アンジェの元婚約者とリリンラ様の間に子供が出来たとか言っていたけど、本当なの?」
「そうみたい」
「……大丈夫? って、大丈夫じゃないわよね」
一番仲の良い友人、ミーファが一瞬、悲しげな顔になった後に、怒りの表情になって続ける。
「今はまだ気持ちの整理が出来ないかもしれないけれど、忘れられる日がくるわ。それに、あの2人は、絶対にお互いを選んだ事を後悔すると思う」
このミーファの言葉が現実になるのは、とある伯爵家で開かれた夜会の時だった。
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