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29 可愛いものでしょう?
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「旦那様! お願いします! ロコッドを助けてください!」
ヨーカは必死にラゲクに訴える。
「ロコッドにこんなことをしたのはミアーナさんでしょう!? やり過ぎです! あなたから叱るべきです!」
「やり過ぎかどうかはわからん。彼女はロコッドとルイティーの浮気について、それほど怒っていたのかもしれないからな」
浮気をされたことで、相手に殺意を覚える人間もいる。ミアーナがそこまで怒っていたとは思えないが、人の心はわからない。今のところ、ロコッドに命の危険があるわけでもないので、ラゲクはロコッドを使わせてもらうことにした。
「そんな! 旦那様はこんな酷いことを許すと言うのですか」
「ミアーナに許可をしたのは私だ」
「なんてことを!」
ヒステリックになって泣きわめいたヨーカだったが、ラゲクへの説得を諦めて兵士に訴える。
「あなたたちは酷いと思わないの!? お願いだからおろしてあげて!」
「「申し訳ございません。命令ですので」」
今はまだ、ヨーカは彼らの主の妻だし、ぶら下げられているロコッドも主の息子である。そのためこう言うしかなかったが、兵士たちはこの行為について、大して悪いとは思っておらず、自業自得だろうと思っていた。
ラゲクはため息を吐いてヨーカに尋ねる。
「ロコッドが可哀想だと思うか?」
「は……、はい! 当たり前でしょう!」
自分に助けを求めてくるロコッドを見て、ヨーカは涙を流しながら頷いた。
「母上ぇ! 助けてください!」
ロコッドの声がうるさいので、ラゲクは窓を閉める。
「私ならロコッドを助けられる。今すぐに助けてほしいか?」
「もちろんです! あなたにとってもロコッドは可愛い息子ではないのですか!?」
「ロコッドが幼い頃はそう思っていたが、彼は私のことを父親と思っているわけではなく、ルイティーと結婚するための道具だと思っていたようだから愛情も薄れる」
「そ……、そんなことはありません! ロコッドは本当にあなたを父親だと思って」
「その話はもういい。再度確認するが、お前はロコッドを助けたいんだな?」
ヨーカは警戒しながらも首を縦に振る。
「ええ。今すぐにでも助けてあげてほしいです」
「では、私との離婚を認め、ロコッドと共に家を出ていくと言うのなら、私の権限でロコッドを助けてやる」
「……断ったらどうなるのです?」
「ミアーナの気が済むまであの状態だろうな。彼女はロコッドと離婚したあとは
ここを出ていくだろう。もしかしたらこのまま放置していくかもしれない」
「なんてことを! あなたにとってロコッドは血は繋がっていないとはいえ息子でしょう!? 出ていかないならこのまま放置だなんて、父親が息子にすることですか!」
ヨーカの言いたいことは、ラゲクにも理解はできた。
(放置してもいい理由にはならないが、とりあえず話すか)
養子縁組をしていないことを話そうかと思った時、扉がノックされた。話を中断して、ラゲクが返事をすると扉が開き、ミアーナとマーベリックが入ってきた。
「お話は終わりましたか?」
「何を呑気に笑っているのよ! ロコッドにあんな酷いことをするなんて許さない!」
尋ねたミアーナにヨーカが叫んだ。
「ロコッド様が私にしてきたことを考えれば可愛いものでしょう? ラゲク様、長引いているようですし、私から色々とお話ししましょうか?」
「いや、大丈夫だ。それと話す前に離婚を成立させたい。ヨーカ、ロコッドを助けたいんだな?」
「当たり前でしょう!」
「なら、わたしと離婚しろ。離婚の書類にサインすればロコッドを助けてやる」
「そんな……!」
公爵夫人としての地位を守りたいヨーカだったが、息子も可愛い。
(とりあえずサインをしてロコッドを助けさせたあと、やっぱり気が変わったと言って、書類を破けばいいんだわ)
ヨーカはそんな馬鹿なことを考えると、用意された離婚協議書などにサインをしたのだった。
ヨーカは必死にラゲクに訴える。
「ロコッドにこんなことをしたのはミアーナさんでしょう!? やり過ぎです! あなたから叱るべきです!」
「やり過ぎかどうかはわからん。彼女はロコッドとルイティーの浮気について、それほど怒っていたのかもしれないからな」
浮気をされたことで、相手に殺意を覚える人間もいる。ミアーナがそこまで怒っていたとは思えないが、人の心はわからない。今のところ、ロコッドに命の危険があるわけでもないので、ラゲクはロコッドを使わせてもらうことにした。
「そんな! 旦那様はこんな酷いことを許すと言うのですか」
「ミアーナに許可をしたのは私だ」
「なんてことを!」
ヒステリックになって泣きわめいたヨーカだったが、ラゲクへの説得を諦めて兵士に訴える。
「あなたたちは酷いと思わないの!? お願いだからおろしてあげて!」
「「申し訳ございません。命令ですので」」
今はまだ、ヨーカは彼らの主の妻だし、ぶら下げられているロコッドも主の息子である。そのためこう言うしかなかったが、兵士たちはこの行為について、大して悪いとは思っておらず、自業自得だろうと思っていた。
ラゲクはため息を吐いてヨーカに尋ねる。
「ロコッドが可哀想だと思うか?」
「は……、はい! 当たり前でしょう!」
自分に助けを求めてくるロコッドを見て、ヨーカは涙を流しながら頷いた。
「母上ぇ! 助けてください!」
ロコッドの声がうるさいので、ラゲクは窓を閉める。
「私ならロコッドを助けられる。今すぐに助けてほしいか?」
「もちろんです! あなたにとってもロコッドは可愛い息子ではないのですか!?」
「ロコッドが幼い頃はそう思っていたが、彼は私のことを父親と思っているわけではなく、ルイティーと結婚するための道具だと思っていたようだから愛情も薄れる」
「そ……、そんなことはありません! ロコッドは本当にあなたを父親だと思って」
「その話はもういい。再度確認するが、お前はロコッドを助けたいんだな?」
ヨーカは警戒しながらも首を縦に振る。
「ええ。今すぐにでも助けてあげてほしいです」
「では、私との離婚を認め、ロコッドと共に家を出ていくと言うのなら、私の権限でロコッドを助けてやる」
「……断ったらどうなるのです?」
「ミアーナの気が済むまであの状態だろうな。彼女はロコッドと離婚したあとは
ここを出ていくだろう。もしかしたらこのまま放置していくかもしれない」
「なんてことを! あなたにとってロコッドは血は繋がっていないとはいえ息子でしょう!? 出ていかないならこのまま放置だなんて、父親が息子にすることですか!」
ヨーカの言いたいことは、ラゲクにも理解はできた。
(放置してもいい理由にはならないが、とりあえず話すか)
養子縁組をしていないことを話そうかと思った時、扉がノックされた。話を中断して、ラゲクが返事をすると扉が開き、ミアーナとマーベリックが入ってきた。
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尋ねたミアーナにヨーカが叫んだ。
「ロコッド様が私にしてきたことを考えれば可愛いものでしょう? ラゲク様、長引いているようですし、私から色々とお話ししましょうか?」
「いや、大丈夫だ。それと話す前に離婚を成立させたい。ヨーカ、ロコッドを助けたいんだな?」
「当たり前でしょう!」
「なら、わたしと離婚しろ。離婚の書類にサインすればロコッドを助けてやる」
「そんな……!」
公爵夫人としての地位を守りたいヨーカだったが、息子も可愛い。
(とりあえずサインをしてロコッドを助けさせたあと、やっぱり気が変わったと言って、書類を破けばいいんだわ)
ヨーカはそんな馬鹿なことを考えると、用意された離婚協議書などにサインをしたのだった。
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