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6 夫の誤算
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「はじめまして、セカノノ・ゴロと申します。お会いできて光栄ですわ。あなた様のことは9番様とお呼びしたら良いのかしら」
「駄目に決まっているだろう!」
ターズ様はセカノノ様に向かって叫ぶと、苦虫を噛み潰したような顔をして私に近づいてくる。
「リリララ、いきなりどうしたんだ。なんで、あんな言い方を!」
「9番目の妻ですから、そうご挨拶しただけですわ。そんなに怒るようなことではないと思いますが」
「順番は関係ないと言っただろう! 君はリリララという名前があるんだから、そう名乗れば良い! それなのに」
「リリララという名前では、私が誰だかセカノノ様にわかってもらえない可能性がありましたので、わかりやすいように自己紹介いたしました。ターズ様の奥様以外の人にはリリララと名乗りますので、ご心配にはおよびませんわ」
「いい加減にしてくれ。9番目と言わなきゃ、リリアナだとわからないなんて、そんな馬鹿なことがあるはずがないだろう!」
馬鹿なことを言わせた原因はあなたにあるのですよ。
あなたは陰でそう呼んでるんでしょう?
……なんて、思ったことを口に出せたなら、どれだけすっきりするでしょうね。
見つめ返せば、ターズ様を許してしまう可能性がある。
言いたいことを言わないように気をつけて、彼の鼻を見つめて言葉を返す。
「ターズ様の奥様はたくさんいますから、番号で管理しているのかと思っていました」
「……リリララ、そんなわけないだろう。僕の説明が足りなかったのかな。あとで君の部屋に行くから、ちゃんと話をしよう」
「いいえ。私のことは気にせずにセカノノ様との5日間を、どうぞお楽しみくださいませ」
「駄目だ。夜は君の所へ行くよ」
「夜以外はお仕事でしょう? 夜に私の所に来てしまったら、セカノノ様のお相手はいつするおつもりですか」
笑顔で尋ねると、ターズ様は私の機嫌を取ろうとしているのか頬に口づけてくる。
うう。
気持ち悪い。
「セカノノの所に行く前に君に会いに行くよ。ちゃんと誤解を解いておきたいんだ」
「誤解なんてしていませんわ。それよりもセカノノ様が寂しがっておられますよ」
セカノノ様は寂しそうにしているどころか、私をすごい形相で睨みつけていた。
でも、ターズ様が彼女に目を向けると、慌てて悲しそうな顔を作って訴える。
「そうですわ。せっかく会いに来たのにかまってもらえないなんて寂しいですぅ!」
「だ、そうですわ」
わざと一度言葉を区切り、笑顔でターズ様に話しかける。
「ファナ様の時もそうでしたが、セカノノ様も私に敵意をむき出しにしておられますわね。本当に私のことを認めてくれているのでしょうか」
「認めているに決まっているだろう! それが条件なんだから! そうだろう?」
ターズ様が尋ねると、セカノノ様は引きつった笑みを浮かべて頷く。
「もちろんですわ。正妃はきゅ……、リリララ様です」
「リリララ、彼女たちから嫌な手紙を受け取ったという話は聞いた。でも、読み手によって受け取り方は変わる。君は気にし過ぎなんだ。別に彼女たちは君を悪く思ってなんかいない」
気にし過ぎですって?
気づかなかったら気づかなかったで鈍いと言われるのよ。
それに、さっきのセカノノ様の「9番様とお呼びしたら」という発言で、彼女が私を馬鹿にしていると気付けるものではないの?
ああ、駄目だわ。
ターズ様に普通を求めても普通じゃないのだから意味がない。
「……そうでしたか。それは失礼いたしました」
深呼吸をして頭を下げると、セカノノ様が笑う。
「リリララ様、細かいことを気にしていたら、王太子妃なんて務まりませんわ。それだけではなく、生きていくことが辛くなりますわよ?」
生きていくことが辛いとは思わないけど、今、ここにいるのは相当なストレスだわ。
尻尾を巻いて逃げたと思われてもいい。
ここにいることが嫌。
好きでもない人間に何を言われても、気にしなければ良いことだもの。
これ見よがしに大きな息を吐き、ターズ様に話しかける。
「以前、ターズ様は私に嫌な思いをさせないとおっしゃいましたが、今まさに嫌な気分になっています。ですので、一秒でも早くここを立ち去ろうと思います。あとはよろしくお願いいたします」
「……リリララ、いい加減にしてくれ」
いい加減にするのはあなたのほうじゃないの!
ため息を吐いたターズ様に、そう怒鳴りたい気持ちを何とか抑えて頭を下げる。
「これは失礼いたしました。まだまだ未熟者でして、冷静を保つことができませんでした。頭を冷やしてまいりますので、ターズ様はセカノノ様と素敵な時間をお過ごしくださいませ」
「待つんだ、リリララ!」
呼びかけを無視して立ち去ろうとすると、ターズ様は追いかけてはこなかった。
でも、意味深な言葉を吐き捨てる。
「後悔するなよ、リリララ。まずは警告だ」
そう言うと、ターズ様は近くに立っていた側近に、何か耳打ちをした。
側近はにやりと笑って私を見ると、踵を返した。
まさか――
「待ちなさい!」
「もう遅いよ、リリアナ」
走り出した側近を追おうとすると、ターズ様が私の腕を掴んだ。
「放してください! 私の態度が悪かったというのであれば謝ります! ですが、離婚の話を持ち出さなければ良いだけの話ではなかったのですか!」
「反抗的な態度を取るということは、僕から逃れようとしているということだろう」
私の護衛に目で合図をすると、察してくれた私の護衛がターズ様の側近の跡を追ってくれた。
ターズ様の手を振り払い、セカノノ様に話しかける。
「……セカノノ様。あなたは私なんかにターズ様を奪われても良いのですか」
ターズ様が私に執着し続けるのであれば、別の方向から攻めるしかない。
挑発するために話しかけると、セカノノ様は何か言おうと口を開いた。
でも、ターズ様の前だからか口を閉ざしてしまう。
「リリララ。どうすればわかってくれるんだ」
ターズ様は私を抱きしめ、背中を撫でながら続ける。
「そんなに僕が他の妻に会うことが嫌なんだな? わかった、わかったよ。セカノノの次に会う予定をしている、7番目の妻のセブラナに会ったら、そこで一度、妻を呼ぶことをやめる」
今となっては、呼んでも呼ばなくても一緒だ。
でも、セブラナ様には会いたかったので、何も言わずにいると、ターズ様は私の額に自分の額を当てて見つめてくる。
「これで僕の気持ちはわかってくれたかな」
「……それよりも側近に何を命令したのか気になるのですが」
「教えてあげてもいいけど、もう遅い」
「……どういうことですか」
「君が悪いんだよ、リリララ。彼女に辛い思いをさせたくないなら大人しくしていることだ」
「私の友人は関係ないでしょう!」
「君の唯一の弱みはローニャ嬢だ。それなら使わない手はない」
ターズ様が何とかして私と視線を合わせようとしていることがわかり、目を逸らそうとした時、セカノノ様が叫ぶ。
「ターズ様! いつまで私を1人にするのです!? 私があなたにどれだけ会いたかったと思っているのですか!」
「……すまない、今行くよ」
ターズ様は舌打ちすると、私から離れてセカノノ様に近寄っていく。
やられっぱなしじゃ気が済まない。
「ターズ様、確かにローニャは私の弱みかもしれません。ですが、その彼女に何かした場合、私が大人しくしている理由はなくなります。それだけはお忘れなきように」
睨みつけると、ターズ様は焦った顔になった。
「待ってくれ、リリララ」
話しかけてくるターズ様を無視して、すぐに侍女に馬車の手配を頼む。
「馬車を手配して! ローニャの所へ行くわ!」
「承知しました!」
侍女はローニャのことを知っているので、迷うことなく返事をして駆け出した。
私のせいでローニャに何かあったらどうしよう。
ローニャを危険な目に遭わせるくらいなら、離婚を我慢したほうがマシだわ!
ルド様やローニャ、ローニャの両親には、ターズ様がローニャを狙うかもしれないという話を伝えているし、きっと大丈夫。
エントランスホールに向かいながら、自分に言い聞かせていると、護衛が話しかけてくる。
「リリララ様、落ち着いてください。動揺すればターズ様の思惑通りです」
「わかってるわ。だけど、大切な友人なのよ」
……でも、こんな面倒な友人なんか、いらないわよね。
家族と仲が悪かった私にとって、ローニャは救いだった。
恩を仇で返すようなことになってしまっている。
本当に最低だわ。
護衛たちは顔を見合わせあったあと、止められないと諦めたのか、私の願い通りに動いてくれた。
用意してもらった馬車の中で侍女に話しかける。
「ローニャに何かあったらどうしよう」
「大丈夫ですわ、リリララ様。ターズ様は王太子です。そこまで馬鹿な真似はしないはずですわ」
「……そうよ。そうよね。王太子だからって何をしても許されるわけじゃないんだもの」
問題は国王陛下が全面的にターズ様のやり方を肯定していることだ。
ローニャやローニャの家族に手を出したと罪に問われても、ターズ様を免罪する可能性がある。
でも、さすがに周りがそれを許さないわよね。
それくらい、ターズ様だってわかるはずだわ。
自分にそう言い聞かせているうちに、友人の伯爵令嬢、ローニャの住む屋敷に着いた。
突然の来訪を詫びて、ローニャと面会したいと言うと、応接室に案内された。
しばらくすると、笑顔のローニャがルド様と一緒に応接室に入ってきたのだった。
「駄目に決まっているだろう!」
ターズ様はセカノノ様に向かって叫ぶと、苦虫を噛み潰したような顔をして私に近づいてくる。
「リリララ、いきなりどうしたんだ。なんで、あんな言い方を!」
「9番目の妻ですから、そうご挨拶しただけですわ。そんなに怒るようなことではないと思いますが」
「順番は関係ないと言っただろう! 君はリリララという名前があるんだから、そう名乗れば良い! それなのに」
「リリララという名前では、私が誰だかセカノノ様にわかってもらえない可能性がありましたので、わかりやすいように自己紹介いたしました。ターズ様の奥様以外の人にはリリララと名乗りますので、ご心配にはおよびませんわ」
「いい加減にしてくれ。9番目と言わなきゃ、リリアナだとわからないなんて、そんな馬鹿なことがあるはずがないだろう!」
馬鹿なことを言わせた原因はあなたにあるのですよ。
あなたは陰でそう呼んでるんでしょう?
……なんて、思ったことを口に出せたなら、どれだけすっきりするでしょうね。
見つめ返せば、ターズ様を許してしまう可能性がある。
言いたいことを言わないように気をつけて、彼の鼻を見つめて言葉を返す。
「ターズ様の奥様はたくさんいますから、番号で管理しているのかと思っていました」
「……リリララ、そんなわけないだろう。僕の説明が足りなかったのかな。あとで君の部屋に行くから、ちゃんと話をしよう」
「いいえ。私のことは気にせずにセカノノ様との5日間を、どうぞお楽しみくださいませ」
「駄目だ。夜は君の所へ行くよ」
「夜以外はお仕事でしょう? 夜に私の所に来てしまったら、セカノノ様のお相手はいつするおつもりですか」
笑顔で尋ねると、ターズ様は私の機嫌を取ろうとしているのか頬に口づけてくる。
うう。
気持ち悪い。
「セカノノの所に行く前に君に会いに行くよ。ちゃんと誤解を解いておきたいんだ」
「誤解なんてしていませんわ。それよりもセカノノ様が寂しがっておられますよ」
セカノノ様は寂しそうにしているどころか、私をすごい形相で睨みつけていた。
でも、ターズ様が彼女に目を向けると、慌てて悲しそうな顔を作って訴える。
「そうですわ。せっかく会いに来たのにかまってもらえないなんて寂しいですぅ!」
「だ、そうですわ」
わざと一度言葉を区切り、笑顔でターズ様に話しかける。
「ファナ様の時もそうでしたが、セカノノ様も私に敵意をむき出しにしておられますわね。本当に私のことを認めてくれているのでしょうか」
「認めているに決まっているだろう! それが条件なんだから! そうだろう?」
ターズ様が尋ねると、セカノノ様は引きつった笑みを浮かべて頷く。
「もちろんですわ。正妃はきゅ……、リリララ様です」
「リリララ、彼女たちから嫌な手紙を受け取ったという話は聞いた。でも、読み手によって受け取り方は変わる。君は気にし過ぎなんだ。別に彼女たちは君を悪く思ってなんかいない」
気にし過ぎですって?
気づかなかったら気づかなかったで鈍いと言われるのよ。
それに、さっきのセカノノ様の「9番様とお呼びしたら」という発言で、彼女が私を馬鹿にしていると気付けるものではないの?
ああ、駄目だわ。
ターズ様に普通を求めても普通じゃないのだから意味がない。
「……そうでしたか。それは失礼いたしました」
深呼吸をして頭を下げると、セカノノ様が笑う。
「リリララ様、細かいことを気にしていたら、王太子妃なんて務まりませんわ。それだけではなく、生きていくことが辛くなりますわよ?」
生きていくことが辛いとは思わないけど、今、ここにいるのは相当なストレスだわ。
尻尾を巻いて逃げたと思われてもいい。
ここにいることが嫌。
好きでもない人間に何を言われても、気にしなければ良いことだもの。
これ見よがしに大きな息を吐き、ターズ様に話しかける。
「以前、ターズ様は私に嫌な思いをさせないとおっしゃいましたが、今まさに嫌な気分になっています。ですので、一秒でも早くここを立ち去ろうと思います。あとはよろしくお願いいたします」
「……リリララ、いい加減にしてくれ」
いい加減にするのはあなたのほうじゃないの!
ため息を吐いたターズ様に、そう怒鳴りたい気持ちを何とか抑えて頭を下げる。
「これは失礼いたしました。まだまだ未熟者でして、冷静を保つことができませんでした。頭を冷やしてまいりますので、ターズ様はセカノノ様と素敵な時間をお過ごしくださいませ」
「待つんだ、リリララ!」
呼びかけを無視して立ち去ろうとすると、ターズ様は追いかけてはこなかった。
でも、意味深な言葉を吐き捨てる。
「後悔するなよ、リリララ。まずは警告だ」
そう言うと、ターズ様は近くに立っていた側近に、何か耳打ちをした。
側近はにやりと笑って私を見ると、踵を返した。
まさか――
「待ちなさい!」
「もう遅いよ、リリアナ」
走り出した側近を追おうとすると、ターズ様が私の腕を掴んだ。
「放してください! 私の態度が悪かったというのであれば謝ります! ですが、離婚の話を持ち出さなければ良いだけの話ではなかったのですか!」
「反抗的な態度を取るということは、僕から逃れようとしているということだろう」
私の護衛に目で合図をすると、察してくれた私の護衛がターズ様の側近の跡を追ってくれた。
ターズ様の手を振り払い、セカノノ様に話しかける。
「……セカノノ様。あなたは私なんかにターズ様を奪われても良いのですか」
ターズ様が私に執着し続けるのであれば、別の方向から攻めるしかない。
挑発するために話しかけると、セカノノ様は何か言おうと口を開いた。
でも、ターズ様の前だからか口を閉ざしてしまう。
「リリララ。どうすればわかってくれるんだ」
ターズ様は私を抱きしめ、背中を撫でながら続ける。
「そんなに僕が他の妻に会うことが嫌なんだな? わかった、わかったよ。セカノノの次に会う予定をしている、7番目の妻のセブラナに会ったら、そこで一度、妻を呼ぶことをやめる」
今となっては、呼んでも呼ばなくても一緒だ。
でも、セブラナ様には会いたかったので、何も言わずにいると、ターズ様は私の額に自分の額を当てて見つめてくる。
「これで僕の気持ちはわかってくれたかな」
「……それよりも側近に何を命令したのか気になるのですが」
「教えてあげてもいいけど、もう遅い」
「……どういうことですか」
「君が悪いんだよ、リリララ。彼女に辛い思いをさせたくないなら大人しくしていることだ」
「私の友人は関係ないでしょう!」
「君の唯一の弱みはローニャ嬢だ。それなら使わない手はない」
ターズ様が何とかして私と視線を合わせようとしていることがわかり、目を逸らそうとした時、セカノノ様が叫ぶ。
「ターズ様! いつまで私を1人にするのです!? 私があなたにどれだけ会いたかったと思っているのですか!」
「……すまない、今行くよ」
ターズ様は舌打ちすると、私から離れてセカノノ様に近寄っていく。
やられっぱなしじゃ気が済まない。
「ターズ様、確かにローニャは私の弱みかもしれません。ですが、その彼女に何かした場合、私が大人しくしている理由はなくなります。それだけはお忘れなきように」
睨みつけると、ターズ様は焦った顔になった。
「待ってくれ、リリララ」
話しかけてくるターズ様を無視して、すぐに侍女に馬車の手配を頼む。
「馬車を手配して! ローニャの所へ行くわ!」
「承知しました!」
侍女はローニャのことを知っているので、迷うことなく返事をして駆け出した。
私のせいでローニャに何かあったらどうしよう。
ローニャを危険な目に遭わせるくらいなら、離婚を我慢したほうがマシだわ!
ルド様やローニャ、ローニャの両親には、ターズ様がローニャを狙うかもしれないという話を伝えているし、きっと大丈夫。
エントランスホールに向かいながら、自分に言い聞かせていると、護衛が話しかけてくる。
「リリララ様、落ち着いてください。動揺すればターズ様の思惑通りです」
「わかってるわ。だけど、大切な友人なのよ」
……でも、こんな面倒な友人なんか、いらないわよね。
家族と仲が悪かった私にとって、ローニャは救いだった。
恩を仇で返すようなことになってしまっている。
本当に最低だわ。
護衛たちは顔を見合わせあったあと、止められないと諦めたのか、私の願い通りに動いてくれた。
用意してもらった馬車の中で侍女に話しかける。
「ローニャに何かあったらどうしよう」
「大丈夫ですわ、リリララ様。ターズ様は王太子です。そこまで馬鹿な真似はしないはずですわ」
「……そうよ。そうよね。王太子だからって何をしても許されるわけじゃないんだもの」
問題は国王陛下が全面的にターズ様のやり方を肯定していることだ。
ローニャやローニャの家族に手を出したと罪に問われても、ターズ様を免罪する可能性がある。
でも、さすがに周りがそれを許さないわよね。
それくらい、ターズ様だってわかるはずだわ。
自分にそう言い聞かせているうちに、友人の伯爵令嬢、ローニャの住む屋敷に着いた。
突然の来訪を詫びて、ローニャと面会したいと言うと、応接室に案内された。
しばらくすると、笑顔のローニャがルド様と一緒に応接室に入ってきたのだった。
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