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17 聞き返してしまいました
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私に勘付かれるようなラルフ様らしくない行動をされたおかげで、私は真相を知る事が出来た上に、腕の立つ騎士代わりになる方が常駐してくださる事になったので、私的にはとても良い結果となりました。
部屋を用意すると言ったら、ラルフ様は自分用にも用意してほしいと言い出されましたが、さすがにそれは拒否させていただきます。
「申し訳ございませんが、この屋敷は宿泊所ではございませんので…」
「困ったな。リノアの顔を見たら仕事が捗ると思うんだが…」
「はっきりとはわかりませんが、逆に滞るのではないでしょうか?」
「リノアは俺の事を理解出来るようになってきてくれたのか?」
なぜラルフ様が私にこだわってくるのかよくわかりませんが、大事にしてくださっているというのは間違いないですし、今はディーンの事がありますから、下手に怒らせて敵にまわすわけにはいきません。
だから、言葉を選んでから答えた。
「なんとなくですが、私を見たら仕事の手を止められるような気がいたします」
「それは間違いないだろうな」
「それでは意味がないじゃないですか。私が邪魔をしているようになってしまいます。…ところで、話題を変えてもよろしいでしょうか」
「かまわない」
考えてみれば、今、ここにいる間もお仕事が出来ていない訳ですし、ラルフ様の側近の方々が嘆いているかもしれません。
少しでも早くお帰りいただくために、ディーンについて聞きたい事を聞いてみようと口を開く。
「カンタス伯爵の財力はどれくらいのものなのでしょう? 与えられた報奨金がどれくらいなのかはわかりませんが、しれているものなのでしょうか」
「そうだな。一応、領土や報奨金をもらってはいるが、代々続いている伯爵家などは事業を起こすなり、自分が働いたりしているから、金が出ていっても、その分入ってもくる。その点、カンタスは違う」
「あの方、今は働いていらっしゃるのでしょう?」
「いや? 遊んで暮らしているようだぞ?」
ラルフ様が鼻で笑いながら答えてくれましたが、私も同じ気分です。
ですが、レディが鼻で笑う事は良くないので、グッとこらえる。
「では、その内、お金はなくなりますね?」
「そうなるな」
「という事は…」
思わず、頭を抱えてしまった。
このまま、あの二人が近くに引っ越して来たら、毎日、お金の無心をされるのでは?
鬱陶しいこと、この上ないのです!
ああ、でも嘆いていてもしょうがありません。
何か手立てを考えなくては。
「彼女はお金の件に関して、詳しい事は知っているのでしょうか」
「知らないというより、考えた事もないんじゃないか?」
「そういえば先日、ご両親のお金遣いが荒いと教えて下さいましたね」
どうして私があんな人達の為に頭を悩ませないといけないんですか!
私は田舎でのんびりしてから将来を考えようと思っていただけですのに!
「リノア」
優しい声で名を呼ばれたので顔を上げると、ラルフ様は笑顔で言いました。
「潰すのが駄目なら、今、建設中の家を燃やしてはどうだろう?」
どうしてそんな物騒な話しかされないのでしょうか。
でもきっと、私を思って下さっての発言なのでしょう。
「あまり賢くない人達ですから、もう一度建て直そうとするだけですよ。それに、建てている方達の不始末にするだけです。ですから、そんな事で諦めるような人達だとは思えません。そういえば…」
「どうした?」
「カンタス伯爵はどのような功績をあげられたのでしょう? 」
「いきなりどうしたんだ?」
「いえ、少し気になりまして」
ソラが言っていたように、本当に実力で功績をあげたのかどうか疑っている、とはさすがに言いにくいのです。
言葉を濁す私の事を少し不思議そうにしてラルフ様は見ておられましたが、小さく息を吐いてから、信じられない言葉を発されたのです。
「実は彼は俺が個人的に面倒を見ていた部下の手柄を横取りしたらしい」
「はあ!?」
あまりの衝撃に大きな声を上げて聞き返してしまった。
部屋を用意すると言ったら、ラルフ様は自分用にも用意してほしいと言い出されましたが、さすがにそれは拒否させていただきます。
「申し訳ございませんが、この屋敷は宿泊所ではございませんので…」
「困ったな。リノアの顔を見たら仕事が捗ると思うんだが…」
「はっきりとはわかりませんが、逆に滞るのではないでしょうか?」
「リノアは俺の事を理解出来るようになってきてくれたのか?」
なぜラルフ様が私にこだわってくるのかよくわかりませんが、大事にしてくださっているというのは間違いないですし、今はディーンの事がありますから、下手に怒らせて敵にまわすわけにはいきません。
だから、言葉を選んでから答えた。
「なんとなくですが、私を見たら仕事の手を止められるような気がいたします」
「それは間違いないだろうな」
「それでは意味がないじゃないですか。私が邪魔をしているようになってしまいます。…ところで、話題を変えてもよろしいでしょうか」
「かまわない」
考えてみれば、今、ここにいる間もお仕事が出来ていない訳ですし、ラルフ様の側近の方々が嘆いているかもしれません。
少しでも早くお帰りいただくために、ディーンについて聞きたい事を聞いてみようと口を開く。
「カンタス伯爵の財力はどれくらいのものなのでしょう? 与えられた報奨金がどれくらいなのかはわかりませんが、しれているものなのでしょうか」
「そうだな。一応、領土や報奨金をもらってはいるが、代々続いている伯爵家などは事業を起こすなり、自分が働いたりしているから、金が出ていっても、その分入ってもくる。その点、カンタスは違う」
「あの方、今は働いていらっしゃるのでしょう?」
「いや? 遊んで暮らしているようだぞ?」
ラルフ様が鼻で笑いながら答えてくれましたが、私も同じ気分です。
ですが、レディが鼻で笑う事は良くないので、グッとこらえる。
「では、その内、お金はなくなりますね?」
「そうなるな」
「という事は…」
思わず、頭を抱えてしまった。
このまま、あの二人が近くに引っ越して来たら、毎日、お金の無心をされるのでは?
鬱陶しいこと、この上ないのです!
ああ、でも嘆いていてもしょうがありません。
何か手立てを考えなくては。
「彼女はお金の件に関して、詳しい事は知っているのでしょうか」
「知らないというより、考えた事もないんじゃないか?」
「そういえば先日、ご両親のお金遣いが荒いと教えて下さいましたね」
どうして私があんな人達の為に頭を悩ませないといけないんですか!
私は田舎でのんびりしてから将来を考えようと思っていただけですのに!
「リノア」
優しい声で名を呼ばれたので顔を上げると、ラルフ様は笑顔で言いました。
「潰すのが駄目なら、今、建設中の家を燃やしてはどうだろう?」
どうしてそんな物騒な話しかされないのでしょうか。
でもきっと、私を思って下さっての発言なのでしょう。
「あまり賢くない人達ですから、もう一度建て直そうとするだけですよ。それに、建てている方達の不始末にするだけです。ですから、そんな事で諦めるような人達だとは思えません。そういえば…」
「どうした?」
「カンタス伯爵はどのような功績をあげられたのでしょう? 」
「いきなりどうしたんだ?」
「いえ、少し気になりまして」
ソラが言っていたように、本当に実力で功績をあげたのかどうか疑っている、とはさすがに言いにくいのです。
言葉を濁す私の事を少し不思議そうにしてラルフ様は見ておられましたが、小さく息を吐いてから、信じられない言葉を発されたのです。
「実は彼は俺が個人的に面倒を見ていた部下の手柄を横取りしたらしい」
「はあ!?」
あまりの衝撃に大きな声を上げて聞き返してしまった。
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