40 / 51
39 思わせないといけないわね ※途中で視点変更あり
しおりを挟む
リックを見送ってから部屋に戻った私は、早速キュージーさんに手紙を書いた。
私――リファーラ・レカーとチャルブッレ辺境伯家は赤の他人であって面識はないこと。これから、何があっても仲良くするつもりはないし、次にこんな手紙を送ってくるようなら、リックから国王陛下に話をしてもらうというものだ。
追伸にあなたの家族全員に、このことを伝えておいてほしいということや、あなたから話を聞いていなかったという言い訳は通じないということも書いておいた。
チャルブッレ家は、ジヤ陛下に爵位を剥奪されるのではないかと脅えている。
この脅しは有効なはずだが、万が一効かなければ実力行使をするまでだ。
手紙を受け取っていないとしらばっくれられても困るので、使いには受領証に署名をもらうように伝えておいた。
これで元家族は私のことを忘れざるを得ないはずだ。あとは、キュージーさんが父親の件でどう動くかが気になるが、自分が可愛いのであれば馬鹿な真似はしないはず。
その後については、一家揃って平民になる未来が見えている。そうなれば、身分差があり過ぎて私に近づくことは不可能になる。
没落して平民になった元貴族でも幸せに暮らしている人はいるから、未来がどうなるかは、彼女たち次第だ。
「さて、残りはジレシンラン公爵家とジヤ陛下ね」
私にとってはどうでもいい人たちだが、私に執着してきているから面倒な上に、相手は私よりも格上なので厄介だ。
新しい家族に迷惑をかけたくない。
チャルブッレ家と同じように、二度と私に近づきたくないと思わせないといけないわね。
◇◆◇◆◇◆
(視点変更 キュージーSide)
リファーラからの手紙が自分にだけ届いたと聞いた時、キュージーの胸は躍った。
手紙を受け取った時に、使いから受領証に署名をしてくれと言われた時は戸惑ったが、手紙が届いただけで良かった。
(やっぱりリファーラもお父様のことを恨んでいたのね!)
キュージーは自分のことを正義の味方だと思っており、ここ最近は特にその気持ちが強くなっていた。
(お父様は最低な人間よ。リファーラとの関係が悪くなったのは全部お父様のせい。あ、お母様も良くないわね。とにかく、家族の中で悪くないのは私だけ。だから、リファーラも返事をしてくれたのよ)
受領証に署名をするために、エントランスホールにいたキュージーは、羨ましがる家族を無視して、上機嫌で部屋に戻った。
お気に入りの安楽椅子に座り、メイドに封を切らせた真っ白な封筒を受け取る。
「なんて書いてあるのかしら」
満面の笑みを浮かべて便せんを取り出したキュージーだったが、みるみるうちに表情が険しくなっていく。
笑顔で見守っていたメイドは嫌な予感がして「失礼します」と言って出て行った。
「どうして、どうしてよ!?」
手紙を読み終えたキュージーは、近くのテーブルに手紙を叩きつけて叫んだ。
「あなたは悪くなかった! 悪いのはお父様だって言っているじゃない! それなのにどうして私のことを怒っているのよ!?」
キュージーは本気でリファーラの気持ちがわからなかった。
それは自分が被害者の気持ちを理解できない、加害者だということに気づいていないからだ。
そして、今の彼女にはそのことを教えてくれる人が周りにはいなかった。
「酷いわ。ここまですることないじゃない! どうしたら許してくれるのよ!?」
リファーラの立場に立って考えることのできないキュージーは、赤いカーペットの上に膝を付き、声を上げて泣いた。
私――リファーラ・レカーとチャルブッレ辺境伯家は赤の他人であって面識はないこと。これから、何があっても仲良くするつもりはないし、次にこんな手紙を送ってくるようなら、リックから国王陛下に話をしてもらうというものだ。
追伸にあなたの家族全員に、このことを伝えておいてほしいということや、あなたから話を聞いていなかったという言い訳は通じないということも書いておいた。
チャルブッレ家は、ジヤ陛下に爵位を剥奪されるのではないかと脅えている。
この脅しは有効なはずだが、万が一効かなければ実力行使をするまでだ。
手紙を受け取っていないとしらばっくれられても困るので、使いには受領証に署名をもらうように伝えておいた。
これで元家族は私のことを忘れざるを得ないはずだ。あとは、キュージーさんが父親の件でどう動くかが気になるが、自分が可愛いのであれば馬鹿な真似はしないはず。
その後については、一家揃って平民になる未来が見えている。そうなれば、身分差があり過ぎて私に近づくことは不可能になる。
没落して平民になった元貴族でも幸せに暮らしている人はいるから、未来がどうなるかは、彼女たち次第だ。
「さて、残りはジレシンラン公爵家とジヤ陛下ね」
私にとってはどうでもいい人たちだが、私に執着してきているから面倒な上に、相手は私よりも格上なので厄介だ。
新しい家族に迷惑をかけたくない。
チャルブッレ家と同じように、二度と私に近づきたくないと思わせないといけないわね。
◇◆◇◆◇◆
(視点変更 キュージーSide)
リファーラからの手紙が自分にだけ届いたと聞いた時、キュージーの胸は躍った。
手紙を受け取った時に、使いから受領証に署名をしてくれと言われた時は戸惑ったが、手紙が届いただけで良かった。
(やっぱりリファーラもお父様のことを恨んでいたのね!)
キュージーは自分のことを正義の味方だと思っており、ここ最近は特にその気持ちが強くなっていた。
(お父様は最低な人間よ。リファーラとの関係が悪くなったのは全部お父様のせい。あ、お母様も良くないわね。とにかく、家族の中で悪くないのは私だけ。だから、リファーラも返事をしてくれたのよ)
受領証に署名をするために、エントランスホールにいたキュージーは、羨ましがる家族を無視して、上機嫌で部屋に戻った。
お気に入りの安楽椅子に座り、メイドに封を切らせた真っ白な封筒を受け取る。
「なんて書いてあるのかしら」
満面の笑みを浮かべて便せんを取り出したキュージーだったが、みるみるうちに表情が険しくなっていく。
笑顔で見守っていたメイドは嫌な予感がして「失礼します」と言って出て行った。
「どうして、どうしてよ!?」
手紙を読み終えたキュージーは、近くのテーブルに手紙を叩きつけて叫んだ。
「あなたは悪くなかった! 悪いのはお父様だって言っているじゃない! それなのにどうして私のことを怒っているのよ!?」
キュージーは本気でリファーラの気持ちがわからなかった。
それは自分が被害者の気持ちを理解できない、加害者だということに気づいていないからだ。
そして、今の彼女にはそのことを教えてくれる人が周りにはいなかった。
「酷いわ。ここまですることないじゃない! どうしたら許してくれるのよ!?」
リファーラの立場に立って考えることのできないキュージーは、赤いカーペットの上に膝を付き、声を上げて泣いた。
1,273
あなたにおすすめの小説
白い結婚なので無効にします。持参金は全額回収いたします
鷹 綾
恋愛
「白い結婚」であることを理由に、夫から離縁を突きつけられた公爵夫人エリシア。
だが彼女は泣かなかった。
なぜなら――その結婚は、最初から“成立していなかった”から。
教会法に基づき婚姻無効を申請。持参金を全額回収し、彼女が選んだ新たな居場所は修道院だった。
それは逃避ではない。
男の支配から離れ、国家の外側に立つという戦略的選択。
やがて彼女は修道院長として、教育制度の整備、女性領主の育成、商業と医療の再編に関わり、王と王妃を外から支える存在となる。
王冠を欲さず、しかし王冠に影響を与える――白の領域。
一方、かつての夫は地位を失い、制度の中で静かに贖罪の道を歩む。
これは、愛を巡る物語ではない。
「選ばなかった未来」を守り続けた一人の女性の物語。
白は弱さではない。
白は、均衡を保つ力。
白い結婚から始まる、静かなリーガル・リベンジと国家再編の物語。
「最高の縁談なのでしょう?なら、かわってあげたら喜んでくれますよね!」
みっちぇる。
恋愛
侯爵令嬢のラリアは20歳。立派な嫁きおくれである。
というのも、義母がなかなかデビューさせてくれないのだ。
なにか意図を感じつつも、周りは義母の味方ばかり。
そん中、急にデビュタントの許可と婚約を告げられる。
何か裏がある――
相手の家がどういうものかを知り、何とかしようとするが、非力なラリアには何も手段がない。
しかし、そんな彼女にも救いの手が……?
婚約者チェンジ? 義理の妹は公爵令嬢の地位もチェンジされました』 ~三日で破談、家ごと褫奪の末路です~
ふわふわ
恋愛
「お姉様の婚約者、私がいただきますわ。だって“公爵令嬢”ですもの」
義理の妹コンキュはそう言って、王太子との婚約を奪いました。
父はそれを容認し、私は静かに受け入れます。
けれど――
公爵令嬢とは“地位”ではなく、“責任”の継承者。
王宮で礼儀も実務も拒み、「未来の王太子妃」を名乗った義妹は、わずか三日で婚約破棄。
さらに王家への不敬と統治能力の欠如が問題視され、父の監督責任が問われます。
そして下されたのは――家ごとの褫奪。
一方で私は、領地を守り、帳簿を整え、静かに家を支え続ける。
欲しがったのは肩書。
継いだのは責任。
正統は叫びません。
ただ、残るだけ。
これは、婚約を奪われた公爵令嬢が
“本当に継がれるべきもの”を証明する物語。
婚約破棄ですか?構いませんわ。ですがその契約、すべて我が家のものです
ふわふわ
恋愛
王太子ユリウスは、王立学園の卒業舞踏会で突然宣言した。
「カリスタ・ヴァレリオンとの婚約を破棄する!」
隣には涙を流す義妹ルミレア。
彼女は「姉に虐げられてきた可哀想な令嬢」を演じ、王太子はそれを信じてしまう。
だが――王太子は知らなかった。
ヴァレリオン公爵家が
王国銀行の資金、港湾会社の株式、商人組合の信用保証――
王国経済の中枢を支える契約のほとんどを握っていたことを。
婚約破棄と同時に、カリスタは静かに言った。
「では契約を終了いたします」
その瞬間、王国の歯車は止まり始める。
港は停止。
銀行は資金不足。
商人は取引停止。
そしてついに――
王宮大広間で王太子の公開断罪が始まる。
「私は悪くない!」
「騙されたんだ!」
見苦しく喚き暴れる王太子は、衛兵に取り押さえられ、床を引きずられるようにして連行されていく。
王太子、義妹、義父母。
すべてが破滅したとき、カリスタはただ静かに告げる。
「契約は終わりました」
王太子に婚約破棄されてから一年、今更何の用ですか?
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しいます。
ゴードン公爵家の長女ノヴァは、辺境の冒険者街で薬屋を開業していた。ちょうど一年前、婚約者だった王太子が平民娘相手に恋の熱病にかかり、婚約を破棄されてしまっていた。王太子の恋愛問題が王位継承問題に発展するくらいの大問題となり、平民娘に負けて社交界に残れないほどの大恥をかかされ、理不尽にも公爵家を追放されてしまったのだ。ようやく傷心が癒えたノヴァのところに、やつれた王太子が現れた。
お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ
Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。
理由は決まって『従妹ライラ様との用事』
誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。
「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」
二人の想いは、重なり合えるのだろうか ……
※他のサイトにも公開しています。
夫と愛し合った翌朝、一方的に離縁されました【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
美しい公爵夫人マルグリートは、冷徹な夫ディートリヒと共に、王国の裏で密かに任務をこなす“悪女”。
だがある日、突然夫から離婚を言い渡される。しかもその裏には、平民の愛人の存在が──。
失意の中、王命で新たな婚約者・エルンストと結ばれることに。
どうやら今回の離婚再婚は、王家の陰謀があるよう。
「悪女に、遠慮はいらない」
そう決意した彼女は、華やかな舞踏会で王に真っ向から言い放つ。
「わたくし、人の家庭を壊しておきながら悪びれない方に、下げる頭は持っていませんの。
王族であられる前に、人におなりくださいませ。……失礼」
愛も、誇りも奪われたなら──
今度はこの手で、すべてを取り戻すだけ。
裏切りに燃える、痛快リベンジ・ロマンス!
⚠️本作は AI の生成した文章を一部に使っています。タイトル変えました。コメディーです。主人公は悪女です。
【完結】転生したら断罪イベントの真っ最中。聖女の嘘を暴いたら、王太子が真っ青になりました
丸顔ちゃん。
恋愛
王太子は私――エリシアに婚約破棄を宣言し、
隣では甘ったるい声の“聖女”が「こわかったんですぅ♡」と泣き真似をしている。
だが私は知っている。
原作では、この聖女こそが禁術で王太子の魔力を吸い取り、
私に冤罪を着せて処刑へ追い込んだ張本人だ。
優しい家族を守るためにも、同じ結末は絶対に許さない。
私は転生者としての知識を武器に、
聖女の嘘と禁術の証拠を次々に暴き、
王太子の依存と愚かさを白日の下に晒す。
「婚約は……こちらから願い下げです」
土下座する王太子も、泣き叫ぶ聖女も、もう関係ない。
私は新しい未来を選ぶ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる