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第4章 切らなければならない縁
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「お姉様、もういい加減にしてください」
「いい加減にしろって何よ! いい加減にしないといけないはセフィリアだわ!! 私にはロビースト様しかいないのに! あなたには上手くいってた婚約者がいたから、私の辛さなんてわからないのよ!」
お姉様は涙を拭うためか、手の甲で目をこすりながら言った。
「上手くいっていた、ですよね? まあ、そのことは良いとして、どうしてわたしが太っていなかったことがいけないのです?」
「あなたが太っていれば、ロビースト様はあなたを選ぼうとはしなかったはずよ!」
「わたしが太っていたら、ロビースト様はお姉様を選んでいたと言うんですか? 絶対にそんなことはないと思いますよ」
「そんなのわからないじゃない! それに、こんな女が出てくることもなかった!」
ソレーヌ様を指差した後に、お姉様は「うわあぁぁ」と大きな声を上げて泣き始め、その場に崩れ落ちた。
わたしは椅子から立ち上がり、泣き喚いているお姉様の前に立って口を開く。
「お姉様、嫌味でも何でもなく、わたしの正直な気持ちをお伝えしてもよろしいですか?」
「なによ!」
「太っていて何が悪いんです? 痩せていたって痩せすぎていると気持ち悪いって言われるんですよ?」
「じゃあ、どうしろって言うのよ!?」
「自分の好きな体型でいれば良いではないですか。太りすぎていても痩せすぎていても体に良くありません。でも、自分がそれで良いなら、どんな体型でも良いんじゃないですか?」
健康に関しては無責任な発言になっていると思うので、一応、言葉を付け足しておく。
「別に、お姉様の不健康な体を望んでいるわけではありません。体調管理はしっかりしてくださいませ。それから、お姉様はロビースト様に好かれたいけれど、痩せたくないのでしょう?」
「……そうよ」
「では、選んではどうですか?」
「は?」
お姉様はぽかんとした顔で私を見上げた。
「ロビースト様に好かれたい気持ちが強いなら痩せたら良いと思います。もし、痩せる努力をするほうが嫌なら、ロビースト様を諦めれば良いのではないでしょうか?」
「どうして、あなたにそんなことを言われないといけないのよ!」
「それはこっちのセリフです。ここ最近のお姉様はおかしいです。この世の男性はロビースト様だけではありません! わたしは今のお姉様は好きではありませんが、ロビースト様との関係が悪くなる前の優しかったお姉様のことは好きです。お姉様はぽっちゃりなだけで、わたしにとってはとても可愛いお姉様だったんです!」
わたしの気持ちが届くかはわからない。
とにかく、もう二度と会うことはないかもしれないから、ちゃんと伝えておきたかった。
お姉様は俯き、肩を震わせ始めたかと思うと、顔を上げて泣きながら叫ぶ。
「いつだってそうやって馬鹿にしてたのね! 絶対に許さない!」
「そんなつもりじゃありません! 本当にわたしは!」
別にわたしはやや痩せているくらいの体型だ。
だから、お姉様にマウントを取るつもりなんてない。
それに、本当にお姉様のことを可愛いと思っていたし、ぽっちゃりの女性が好きだという人はたくさんいるはずだと伝えたかっただけだった。
「うるさいのよ!」
お姉様が立ち上がり、わたしに掴みかかろうとした。
でも、その手をいつの間にかこちらに移動してきていたシード様が掴んだ。
「よくわかんねぇんだが、何でもかんでもセフィリアのせいにすんのやめろよ。ロビーストに何を言われたかわかんねぇけど、何で妹の言うこと信じてやれねぇの?」
「だって、セフィリアは勝ち組だから!」
「何言ってんだよ。ヒステリックになって妹に掴みかかろうとする姉や、何考えてるかわかんねぇ親父もいる。それに、元婚約者なんて二股浮気男だろ? それに短い婚約期間だが、ロビーストっていう自分のことしか考えてねぇ馬鹿、それから、現在の婚約者候補は俺だぞ? セフィリアは絶対に勝ち組じゃないだろ」
シード様は一度言葉を区切り、大きく息を吐いてから、お姉様の手を放す。
「とにかく言っとく。太らないからだなんて理由で、セフィリアはお前に責められる筋合いはない」
シード様に正論を言われたお姉様は表情を歪め、大粒の涙をまた溢れさせると、それ以上は何も言わず、ダイニングルームから出て行った。
「いい加減にしろって何よ! いい加減にしないといけないはセフィリアだわ!! 私にはロビースト様しかいないのに! あなたには上手くいってた婚約者がいたから、私の辛さなんてわからないのよ!」
お姉様は涙を拭うためか、手の甲で目をこすりながら言った。
「上手くいっていた、ですよね? まあ、そのことは良いとして、どうしてわたしが太っていなかったことがいけないのです?」
「あなたが太っていれば、ロビースト様はあなたを選ぼうとはしなかったはずよ!」
「わたしが太っていたら、ロビースト様はお姉様を選んでいたと言うんですか? 絶対にそんなことはないと思いますよ」
「そんなのわからないじゃない! それに、こんな女が出てくることもなかった!」
ソレーヌ様を指差した後に、お姉様は「うわあぁぁ」と大きな声を上げて泣き始め、その場に崩れ落ちた。
わたしは椅子から立ち上がり、泣き喚いているお姉様の前に立って口を開く。
「お姉様、嫌味でも何でもなく、わたしの正直な気持ちをお伝えしてもよろしいですか?」
「なによ!」
「太っていて何が悪いんです? 痩せていたって痩せすぎていると気持ち悪いって言われるんですよ?」
「じゃあ、どうしろって言うのよ!?」
「自分の好きな体型でいれば良いではないですか。太りすぎていても痩せすぎていても体に良くありません。でも、自分がそれで良いなら、どんな体型でも良いんじゃないですか?」
健康に関しては無責任な発言になっていると思うので、一応、言葉を付け足しておく。
「別に、お姉様の不健康な体を望んでいるわけではありません。体調管理はしっかりしてくださいませ。それから、お姉様はロビースト様に好かれたいけれど、痩せたくないのでしょう?」
「……そうよ」
「では、選んではどうですか?」
「は?」
お姉様はぽかんとした顔で私を見上げた。
「ロビースト様に好かれたい気持ちが強いなら痩せたら良いと思います。もし、痩せる努力をするほうが嫌なら、ロビースト様を諦めれば良いのではないでしょうか?」
「どうして、あなたにそんなことを言われないといけないのよ!」
「それはこっちのセリフです。ここ最近のお姉様はおかしいです。この世の男性はロビースト様だけではありません! わたしは今のお姉様は好きではありませんが、ロビースト様との関係が悪くなる前の優しかったお姉様のことは好きです。お姉様はぽっちゃりなだけで、わたしにとってはとても可愛いお姉様だったんです!」
わたしの気持ちが届くかはわからない。
とにかく、もう二度と会うことはないかもしれないから、ちゃんと伝えておきたかった。
お姉様は俯き、肩を震わせ始めたかと思うと、顔を上げて泣きながら叫ぶ。
「いつだってそうやって馬鹿にしてたのね! 絶対に許さない!」
「そんなつもりじゃありません! 本当にわたしは!」
別にわたしはやや痩せているくらいの体型だ。
だから、お姉様にマウントを取るつもりなんてない。
それに、本当にお姉様のことを可愛いと思っていたし、ぽっちゃりの女性が好きだという人はたくさんいるはずだと伝えたかっただけだった。
「うるさいのよ!」
お姉様が立ち上がり、わたしに掴みかかろうとした。
でも、その手をいつの間にかこちらに移動してきていたシード様が掴んだ。
「よくわかんねぇんだが、何でもかんでもセフィリアのせいにすんのやめろよ。ロビーストに何を言われたかわかんねぇけど、何で妹の言うこと信じてやれねぇの?」
「だって、セフィリアは勝ち組だから!」
「何言ってんだよ。ヒステリックになって妹に掴みかかろうとする姉や、何考えてるかわかんねぇ親父もいる。それに、元婚約者なんて二股浮気男だろ? それに短い婚約期間だが、ロビーストっていう自分のことしか考えてねぇ馬鹿、それから、現在の婚約者候補は俺だぞ? セフィリアは絶対に勝ち組じゃないだろ」
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