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第三章 元王女との再会
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ラブックがリンツたちと話を終えた数時間後、ロゼリアは、昼食時にたまたま同時になったという設定で、ルディウスから詳しい話を聞いた。
ラブックがノエルファを受け入れると決めたことに、そう驚きはなかったが、ノエルファがラブックの妻になると言っていることにロゼリアは、驚きを覚えた。
常識のない人だとわかっていたけれど、駆け落ちして現実を見ても、まだ自分が優遇されると思っているのね。
ノエルファ様はどんな神経をしているのかしら。
「嫁に来ると言えるなんてすごい神経ね。まあ、それくらいの図太さがあるほうが上に立つにはいいかもしれないけれど」
ロゼリアとルディウスは同い年だ。敬語を使おうとしたロゼリアに、ルディウスが「俺に敬語は使わなくていい」と言ったため、遠慮なくそうさせてもらっている。
「彼女を王太子妃として認めるわけがないだろ。希望を叶えるかわりに、今の生活を諦めてもらうと父上は話していた」
「諦めてもらうってどういうこと?」
「王太子のままではいられないってことだ」
「そのことをわかっていて、ラブック殿下はノエルファ様と結婚しようとしているの?」
「いや。王太子でいられなくなるということはわかっていないと思う」
「どうしてそのことを伝えないの? もしかしたら諦めるかもしれないのに」
自分の息子が間違った道を歩もうとしている場合、親ならそれを止めるのが普通の対応である。
それなのに、止めようとしない理由が、ロゼリアにはわからなかった。
ルディウスは口に入れたステーキを咀嚼して答える。
「ノエルファを選ぶことが良くないことなんて、普通は言われなくてもわかるだろう」
「そんなことも自分でわからないようなら、王太子である資格はないってこと?」
「そういうことだ」
ルディウスはうなずいて、目の前の皿に置かれている丸いパンをちぎって口に入れた。
「ということは、あなたが王太子になるのね? ズキチーケ王国では前王家を排除するために動いてくれたあなたは英雄なのよ。ズキチーケ王国は国を挙げてお祝いすると思うわ」
「そう言ってもらえると嬉しいけど、大したことはしてない。それに王太子になりたいわけでもない。だが、兄上にこの国を任せるのも不安だ」
本当は王太子になりたくないけど、そんなワガママを言えるわけがないといったところなんでしょうね。
すんなりと状況を受け入れているように見えるのは、ラブックの本性を知っているだけに、こうなる可能性があると、昔から考えていたのだろうと、ロゼリアは思った。
会話が途切れたところで、扉がノックされ、場を外していたマロンや騎士たちが慌てた顔をして中に入ってきた。
「ラブック様がロゼリア様を探して、こちらに向かっているそうです」
「……私はいらなくなったとでも言うつもりかしら」
ロゼリアはすっかり冷めてしまったスープを一口飲んだあと、頬に落ちてきた髪を耳にかける。
少ししてから、弾むようなノックの音が聞こえ、爽やかな笑みを浮かべたラブックがダイニングルームに入ってきた。
ラブックはロゼリアに優しい口調で話しかける。
「ロゼリア、おめでとう。ノエルファが帰ってきたんだ。僕は君との婚約を解消し、ノエルファと婚約し直すから、君は国に帰って良くなったよ」
「兄上、それは父上が決めたことなんですか?」
呆れた顔でルディウスが尋ねると、ラブックは一瞬眉をひそめたが、すぐに笑顔に戻って答える。
「違うよ。だけど、ノエルファとの婚約を許されたことは確かだ。なら、ロゼリアはいらないだろう?」
「ロゼリアをどうするかは、父上が決めることです。兄上がロゼリアに国に帰って良いと勝手な発言をしたことは報告させていただきます」
ルディウスが立ち上がると、ロゼリアもそれに倣う。
「国王陛下にお会いして、ここからすぐに出ていくべきなのか確認いたします」
「え、あ、いや、その」
ロゼリアとルディウスは扉の前で慌てるラブックを一瞥し、彼の横を通り過ぎる。
二人が部屋を出ると、ラブックを残したまま、扉が閉められた。
ラブックがノエルファを受け入れると決めたことに、そう驚きはなかったが、ノエルファがラブックの妻になると言っていることにロゼリアは、驚きを覚えた。
常識のない人だとわかっていたけれど、駆け落ちして現実を見ても、まだ自分が優遇されると思っているのね。
ノエルファ様はどんな神経をしているのかしら。
「嫁に来ると言えるなんてすごい神経ね。まあ、それくらいの図太さがあるほうが上に立つにはいいかもしれないけれど」
ロゼリアとルディウスは同い年だ。敬語を使おうとしたロゼリアに、ルディウスが「俺に敬語は使わなくていい」と言ったため、遠慮なくそうさせてもらっている。
「彼女を王太子妃として認めるわけがないだろ。希望を叶えるかわりに、今の生活を諦めてもらうと父上は話していた」
「諦めてもらうってどういうこと?」
「王太子のままではいられないってことだ」
「そのことをわかっていて、ラブック殿下はノエルファ様と結婚しようとしているの?」
「いや。王太子でいられなくなるということはわかっていないと思う」
「どうしてそのことを伝えないの? もしかしたら諦めるかもしれないのに」
自分の息子が間違った道を歩もうとしている場合、親ならそれを止めるのが普通の対応である。
それなのに、止めようとしない理由が、ロゼリアにはわからなかった。
ルディウスは口に入れたステーキを咀嚼して答える。
「ノエルファを選ぶことが良くないことなんて、普通は言われなくてもわかるだろう」
「そんなことも自分でわからないようなら、王太子である資格はないってこと?」
「そういうことだ」
ルディウスはうなずいて、目の前の皿に置かれている丸いパンをちぎって口に入れた。
「ということは、あなたが王太子になるのね? ズキチーケ王国では前王家を排除するために動いてくれたあなたは英雄なのよ。ズキチーケ王国は国を挙げてお祝いすると思うわ」
「そう言ってもらえると嬉しいけど、大したことはしてない。それに王太子になりたいわけでもない。だが、兄上にこの国を任せるのも不安だ」
本当は王太子になりたくないけど、そんなワガママを言えるわけがないといったところなんでしょうね。
すんなりと状況を受け入れているように見えるのは、ラブックの本性を知っているだけに、こうなる可能性があると、昔から考えていたのだろうと、ロゼリアは思った。
会話が途切れたところで、扉がノックされ、場を外していたマロンや騎士たちが慌てた顔をして中に入ってきた。
「ラブック様がロゼリア様を探して、こちらに向かっているそうです」
「……私はいらなくなったとでも言うつもりかしら」
ロゼリアはすっかり冷めてしまったスープを一口飲んだあと、頬に落ちてきた髪を耳にかける。
少ししてから、弾むようなノックの音が聞こえ、爽やかな笑みを浮かべたラブックがダイニングルームに入ってきた。
ラブックはロゼリアに優しい口調で話しかける。
「ロゼリア、おめでとう。ノエルファが帰ってきたんだ。僕は君との婚約を解消し、ノエルファと婚約し直すから、君は国に帰って良くなったよ」
「兄上、それは父上が決めたことなんですか?」
呆れた顔でルディウスが尋ねると、ラブックは一瞬眉をひそめたが、すぐに笑顔に戻って答える。
「違うよ。だけど、ノエルファとの婚約を許されたことは確かだ。なら、ロゼリアはいらないだろう?」
「ロゼリアをどうするかは、父上が決めることです。兄上がロゼリアに国に帰って良いと勝手な発言をしたことは報告させていただきます」
ルディウスが立ち上がると、ロゼリアもそれに倣う。
「国王陛下にお会いして、ここからすぐに出ていくべきなのか確認いたします」
「え、あ、いや、その」
ロゼリアとルディウスは扉の前で慌てるラブックを一瞥し、彼の横を通り過ぎる。
二人が部屋を出ると、ラブックを残したまま、扉が閉められた。
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