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21 我慢できない義妹 ①
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報告書にはウララ様の今までの略歴と共に、約2年前から、ある薬草を購入しており、最近になってそれが途絶えたと書かれていた。
その薬草は体力回復などに使われるものだが、病気によっては飲んではいけない場合もあった。義父のかかっていた病気もその一つだった。
ウララ様は薬草名は伝えず病気に良いと言って、食事の中に粉薬を少量入れていたのではないかと書かれていた。
それで義父が弱っていったのかはわからない。私はとりあえず当時から働いていた厨房の人間に確認し、ウララ様が怪しい動きをしていなかったか尋ねた。
私とラフリード様の仲が良いのだと勘違いしている料理長やメイドたちは『健康に良いと言って粉薬を少量ずつ入れていたんですが、大旦那様が亡くなる前は量を増やしていた気がします』と答えた。
物的証拠はないが状況証拠は黒だ。最初から遺産目当てで義父に近づいたのでしょう。甲斐甲斐しく義父の世話をしていたのも、お金のためだったのかと思うと切なくなった。
私とトータムが結婚して、自分たちも結婚して死期を早めたのなら、この結婚は義父にとって失敗だったことになる。
「どうしたら良かったの」
少なくとも、ウララ様といる時の義父は幸せそうだった。だけど、冷静だった私たちが結婚前に素性をしっかり調べておくべきだった。
義父の部屋をさっさと片付けたのも、自分に都合の悪いものが見つかっては困るからかもしれない。
もし、義父が何かを残してくれていても、私たちが気づけないようにしたのかも……。
報告書を暖炉の中に入れて燃やすと、私は自分の両頬を叩いた。
ああいうタイプは捕まったとしても反省なんてしない。
それなら生きていることが辛いと思うようなことをしなければ――。
私にできることは、ウララ様からお金を合法的に奪うことだ。
お金が大好きな彼女には、お金がなくなることは一番辛いことでしょう。
トータムやフララさんと一緒に、彼女にとっては惨めな生活をしてもらいましょう。
******
「ミアリナ、君にお願いがあるんだ」
数日後の夜、トータムがそう言って近づいてくると、私に一通の封筒を差し出した。
「ダルユ伯爵家からパーティーの招待状が来てる。一緒に行ってくれないか」
「フララさんと行ったらどうなの?」
「フララは余計なことを言う可能性があるから連れていけない」
「あなたは浮気じゃないと言っているけれど、フララさんは浮気を認めるような発言ばかりしているものね」
「浮気なんてしていません!」
来たのはトータムだけかと思っていたら、フララさんもいたようで、彼の後ろから現れた。
「ミアリナ様に嫉妬させてしまうくらい、お兄様と仲良くなれているのなら嬉しいです」
フララさんはにこりと笑う。
ああ、そうか。彼女は私にマウントを取りたいのだ。
あなたの夫は私に夢中ですよ。
そう顔に書いてある気がした。
「ミアリナ、聞いてくれ。フララはデビュタントもまだなんだ。だから、人様のパーティーには連れていけない」
「……そうね。デビュタントもまだだったわね」
頷くと、フララさんは何を思ったのか、嬉しそうに満面の笑みを浮かべる。
「私のためにパーティーを開いてくださるんですか!?」
「……そのおねだりはトータムにしたらどうかしら」
「ねえ、お兄様ぁ。私、パーティーを開いてほしいです」
トータムの腕に胸を押し当ててフララさんがおねだりすると、トータムは鼻の下を伸ばす。
「し、仕方がないなあ」
私が見ていることを思い出したトータムは、フララさんの胸元から私に視線を移す。
「さっきの話はまた改めてしよう」
「わかったわ」
トータムはフララさんを促して部屋を出ていこうとする。そんな彼の腕に頬を擦り寄せ、フララさんは勝ち誇った笑みを浮かべた。
けれど、それはすぐに焦りのものに変わる。
だって、私も笑みがこぼれるのを抑えられていなかったんだもの。
浮気の証拠を押さえるために、フララさんには頑張ってもらいたいものだわ。
その薬草は体力回復などに使われるものだが、病気によっては飲んではいけない場合もあった。義父のかかっていた病気もその一つだった。
ウララ様は薬草名は伝えず病気に良いと言って、食事の中に粉薬を少量入れていたのではないかと書かれていた。
それで義父が弱っていったのかはわからない。私はとりあえず当時から働いていた厨房の人間に確認し、ウララ様が怪しい動きをしていなかったか尋ねた。
私とラフリード様の仲が良いのだと勘違いしている料理長やメイドたちは『健康に良いと言って粉薬を少量ずつ入れていたんですが、大旦那様が亡くなる前は量を増やしていた気がします』と答えた。
物的証拠はないが状況証拠は黒だ。最初から遺産目当てで義父に近づいたのでしょう。甲斐甲斐しく義父の世話をしていたのも、お金のためだったのかと思うと切なくなった。
私とトータムが結婚して、自分たちも結婚して死期を早めたのなら、この結婚は義父にとって失敗だったことになる。
「どうしたら良かったの」
少なくとも、ウララ様といる時の義父は幸せそうだった。だけど、冷静だった私たちが結婚前に素性をしっかり調べておくべきだった。
義父の部屋をさっさと片付けたのも、自分に都合の悪いものが見つかっては困るからかもしれない。
もし、義父が何かを残してくれていても、私たちが気づけないようにしたのかも……。
報告書を暖炉の中に入れて燃やすと、私は自分の両頬を叩いた。
ああいうタイプは捕まったとしても反省なんてしない。
それなら生きていることが辛いと思うようなことをしなければ――。
私にできることは、ウララ様からお金を合法的に奪うことだ。
お金が大好きな彼女には、お金がなくなることは一番辛いことでしょう。
トータムやフララさんと一緒に、彼女にとっては惨めな生活をしてもらいましょう。
******
「ミアリナ、君にお願いがあるんだ」
数日後の夜、トータムがそう言って近づいてくると、私に一通の封筒を差し出した。
「ダルユ伯爵家からパーティーの招待状が来てる。一緒に行ってくれないか」
「フララさんと行ったらどうなの?」
「フララは余計なことを言う可能性があるから連れていけない」
「あなたは浮気じゃないと言っているけれど、フララさんは浮気を認めるような発言ばかりしているものね」
「浮気なんてしていません!」
来たのはトータムだけかと思っていたら、フララさんもいたようで、彼の後ろから現れた。
「ミアリナ様に嫉妬させてしまうくらい、お兄様と仲良くなれているのなら嬉しいです」
フララさんはにこりと笑う。
ああ、そうか。彼女は私にマウントを取りたいのだ。
あなたの夫は私に夢中ですよ。
そう顔に書いてある気がした。
「ミアリナ、聞いてくれ。フララはデビュタントもまだなんだ。だから、人様のパーティーには連れていけない」
「……そうね。デビュタントもまだだったわね」
頷くと、フララさんは何を思ったのか、嬉しそうに満面の笑みを浮かべる。
「私のためにパーティーを開いてくださるんですか!?」
「……そのおねだりはトータムにしたらどうかしら」
「ねえ、お兄様ぁ。私、パーティーを開いてほしいです」
トータムの腕に胸を押し当ててフララさんがおねだりすると、トータムは鼻の下を伸ばす。
「し、仕方がないなあ」
私が見ていることを思い出したトータムは、フララさんの胸元から私に視線を移す。
「さっきの話はまた改めてしよう」
「わかったわ」
トータムはフララさんを促して部屋を出ていこうとする。そんな彼の腕に頬を擦り寄せ、フララさんは勝ち誇った笑みを浮かべた。
けれど、それはすぐに焦りのものに変わる。
だって、私も笑みがこぼれるのを抑えられていなかったんだもの。
浮気の証拠を押さえるために、フララさんには頑張ってもらいたいものだわ。
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