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2 婚約者からの呼び出し
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「本当にあなたたちは仲が良いわね」
いそいそとランチボックスを開けて中身の豪華さに感動していると、白の丸テーブルを挟んだ向かい側に座る友人、ノノレイ・ビクターに苦笑された。
ノノレイの言葉が納得できなくて、私は眉根を寄せて尋ねる。
「ミーグスとのことを言ってるんでしょうけど、どこが仲が良いように見えるの?」
「学園の休みの日以外は教室で毎日顔を合わせてるのに昼休みにまで喧嘩するなんて、仲が良い以外に何があるの」
「喧嘩したくて喧嘩してるわけじゃないわよ。ミーグスが絡んでくるから。……まあ、今日は私が話しかけたけど」
「ディラン様と婚約者の仲は上手くいっていないみたいだし、余計にあなたに絡みたくなっちゃうのかもしれないわね」
頬張っていたサンドイッチを咀嚼してから、ノノレイに応える。
「婚約者がいるのに他の女性に話しかけちゃ駄目って、ああ、考えてみたら、私が食って掛かってることが多いかも!」
「ディラン様はあなたの性格をよく知っているから、食って掛かるように持っていっているのかもしれないわよ」
「そんなに嫌いなら喧嘩を買わなきゃいいし、放っておいてくれたら良いのに!」
「どうしてそうなるのよ。ビアラ、あまりに鈍いと面倒なんだけど」
「鈍いってどういうこと?」
尋ね返すと、ノノレイは小さく息を吐いて、こめかみを押さえた。
そして、テーブルに身を乗り出して小声で言う。
「まあ、ディラン様がたとえビアラを好きだったとしても、公爵令息と平民じゃ、どうせかなわない……だものね」
「ごめんなさい。かなわない、のあとが聞こえなかったんだけど」
「なんでもないわ。言えるのはディラン様はあなたの栄養が偏らないように、そのサンドイッチをくれたんだってことよ。あ、ねえ、その玉子のサンドイッチを一切れくれない? そのかわり、私のお弁当の玉子焼きを三切れあげるわ」
「もちろん! ノノレイのお母様の作った玉子焼き、大きいし、とっても美味しいのよね」
ノノレイのお願いに私は笑顔で頷いた。
ノノレイは平民だけれど特待生として、この学園に通っている才女だ。
茶色のセミロングの横髪の両サイドをピンで留めていて、前髪は眉毛よりもやや下くらいの長さだ。
ノノレイと私は最初の学年だけクラスが違っていた。
それ以外は全て同じクラスになっていて、本来ならばノノレイは学業では私のライバルになる。
でも、ノノレイはトップを目指しているわけではなく、特待生として認められる、期末試験の学年10位以内を目指しているだけなので、お互いに勉強を教え合ったりするようになり、自然と仲良くなった。
昼食はいつも、お母様の手作り弁当で、昼食をぬくことが多い私に分けてくれるためなのか、ノノレイは女子にしては大きな弁当箱をいつも持参してくれている。
「ビアラ、話がある」
ノノレイからもらった玉子焼きを、幸せな気持ちと申し訳ない気持ちで複雑になりながら咀嚼していると、私に話しかけてくる人物がいた。
話しかけてきたのは、ホーリル・フェルナンディ子爵令息だった。
赤毛の短髪の彼は、爽やかな顔立ちで長身痩躯だ。
でも、肌の色が白いせいか、かなり病弱そうにも見える。
そんな彼を顔は上げずに目だけ上げて見つめる。
「何か用かしら?」
「ここではちょっと話しにくいことなんだ。放課後、校舎裏に来てくれないか」
校舎裏って決闘でも申し込まれるのかしら。
そんなことをぼんやりと考えつつも頷く。
「今日は放課後の予定はないし、別にかまわないわ」
「じゃあ放課後に会おう」
満足したような笑みを浮かべ、ホーリルは後ろ手を振って、その場を去っていった。
「ノノレイ、何の話だと思う?」
「私に聞かれてもわかるわけがないでしょう。彼のことなんて知らないに等しいんだから」
「婚約者って言っても、ホーリルとあんまり話をした記憶はないのよね。最近で言うと、成績表の見せ合いくらいかしら」
「成績表の見せ合いって何なの。というかビアラ、彼ってあなたの婚約者なんでしょう?」
興味なさげな私にノノレイが聞いてきたので、サンドイッチを食べる手を止めて答える。
「名ばかりの婚約者よ」
「そうね」
鼻で笑う私を見て、ノノレイは苦笑した。
ノノレイには私の生い立ちを話しているので、私がホーリルを嫌がっていることは理解してくれている。
「家族の仇の子供が婚約者だなんて最悪だわ」
「子供の時にそんな話をされても、婚約者になると認めるしかなかったわよね。あなたの場合は他に面倒を見てくれる大人がいなかったんだから余計にだわ」
「そうなのよね。親戚は知らんぷりだったし、フェルナンディ家はお金の支援をしてくれているけれど、元々は私の住んでいた家を売って得たお金でしょう。息子と結婚させれば、私が大人になっても自由に使えると思っているのかもしれないわ」
「何よ、それ。酷い話ね」
ノノレイが心底呆れたと言わんばかりの顔になった。
「そんなことは今に始まったことじゃないわ。今からお金を貯めて働き始めたら、フェルナンディとの縁を切るんだから!」
宣言して立ち上がってから、ノノレイに言う。
「このランチボックス、ミーグスに洗って返そうと思うから、一度、寮に戻ってキッチンを借りるわ。食堂はまだ人でいっぱいだし」
「暇だし、私も付き合うわ」
すでに食べ終えて私を待ってくれていたノノレイが立ち上がったので、二人揃って食堂を出た。
*****
そして放課後。
校舎裏に向かって歩いていると、自分の後ろを歩く気配を感じて立ち止まった。
振り返ると、そこには私と同じく通学カバンを持ったミーグスがいた。
「ミーグス、あなたもこっちに用事なの?」
「まあね。君はどこに行くの?」
「フェルナンディ子爵令息から呼び出されたの」
「フェルナンディ? ああ、君の婚約者様か」
「婚約者らしいことはしてもらった覚えはないけどね。で、あなたはどこに行くの?」
「奇遇だね。僕も婚約者のフレシアから呼び出されたんだ」
ミーグスの婚約者はフレシア・フィアディス様という伯爵令嬢だ。
ミーグスとフレシア様の婚約は小さい頃に親が決めたもので、公爵家としてはフィアディス伯爵家が所有している貴族向けの高級宿の経営権が目的であると風の噂で聞いたことがある。
伯爵家のほうは娘が公爵夫人になるというメリットがあり、お互いの利益が一致したための縁組だったらしい。
「ミーグスはどこで待ち合わせをしているの?」
「ここの校舎裏」
「嘘でしょ。私もなんだけど」
「……鬱陶しいことが起こりそうな予感がする」
「何よそれ、どういうこと?」
「はっきりとしたことは言えない」
「何よ、気になるじゃない!」
ミーグスと話をしながら校舎裏に向かうと、大きな木の幹に寄りかかったホーリルと、ミーグスの婚約者であるフレシア様が寄り添っていた。
二人は私たちに気づいていないのか、幸せそうな笑みを浮かべて見つめあっている。
「そういうことね」
「だから、鬱陶しいことが起こりそうな予感がするって言ったよね」
半眼になって呟いた私に、ミーグスが小さく息を吐いてから言った。
いそいそとランチボックスを開けて中身の豪華さに感動していると、白の丸テーブルを挟んだ向かい側に座る友人、ノノレイ・ビクターに苦笑された。
ノノレイの言葉が納得できなくて、私は眉根を寄せて尋ねる。
「ミーグスとのことを言ってるんでしょうけど、どこが仲が良いように見えるの?」
「学園の休みの日以外は教室で毎日顔を合わせてるのに昼休みにまで喧嘩するなんて、仲が良い以外に何があるの」
「喧嘩したくて喧嘩してるわけじゃないわよ。ミーグスが絡んでくるから。……まあ、今日は私が話しかけたけど」
「ディラン様と婚約者の仲は上手くいっていないみたいだし、余計にあなたに絡みたくなっちゃうのかもしれないわね」
頬張っていたサンドイッチを咀嚼してから、ノノレイに応える。
「婚約者がいるのに他の女性に話しかけちゃ駄目って、ああ、考えてみたら、私が食って掛かってることが多いかも!」
「ディラン様はあなたの性格をよく知っているから、食って掛かるように持っていっているのかもしれないわよ」
「そんなに嫌いなら喧嘩を買わなきゃいいし、放っておいてくれたら良いのに!」
「どうしてそうなるのよ。ビアラ、あまりに鈍いと面倒なんだけど」
「鈍いってどういうこと?」
尋ね返すと、ノノレイは小さく息を吐いて、こめかみを押さえた。
そして、テーブルに身を乗り出して小声で言う。
「まあ、ディラン様がたとえビアラを好きだったとしても、公爵令息と平民じゃ、どうせかなわない……だものね」
「ごめんなさい。かなわない、のあとが聞こえなかったんだけど」
「なんでもないわ。言えるのはディラン様はあなたの栄養が偏らないように、そのサンドイッチをくれたんだってことよ。あ、ねえ、その玉子のサンドイッチを一切れくれない? そのかわり、私のお弁当の玉子焼きを三切れあげるわ」
「もちろん! ノノレイのお母様の作った玉子焼き、大きいし、とっても美味しいのよね」
ノノレイのお願いに私は笑顔で頷いた。
ノノレイは平民だけれど特待生として、この学園に通っている才女だ。
茶色のセミロングの横髪の両サイドをピンで留めていて、前髪は眉毛よりもやや下くらいの長さだ。
ノノレイと私は最初の学年だけクラスが違っていた。
それ以外は全て同じクラスになっていて、本来ならばノノレイは学業では私のライバルになる。
でも、ノノレイはトップを目指しているわけではなく、特待生として認められる、期末試験の学年10位以内を目指しているだけなので、お互いに勉強を教え合ったりするようになり、自然と仲良くなった。
昼食はいつも、お母様の手作り弁当で、昼食をぬくことが多い私に分けてくれるためなのか、ノノレイは女子にしては大きな弁当箱をいつも持参してくれている。
「ビアラ、話がある」
ノノレイからもらった玉子焼きを、幸せな気持ちと申し訳ない気持ちで複雑になりながら咀嚼していると、私に話しかけてくる人物がいた。
話しかけてきたのは、ホーリル・フェルナンディ子爵令息だった。
赤毛の短髪の彼は、爽やかな顔立ちで長身痩躯だ。
でも、肌の色が白いせいか、かなり病弱そうにも見える。
そんな彼を顔は上げずに目だけ上げて見つめる。
「何か用かしら?」
「ここではちょっと話しにくいことなんだ。放課後、校舎裏に来てくれないか」
校舎裏って決闘でも申し込まれるのかしら。
そんなことをぼんやりと考えつつも頷く。
「今日は放課後の予定はないし、別にかまわないわ」
「じゃあ放課後に会おう」
満足したような笑みを浮かべ、ホーリルは後ろ手を振って、その場を去っていった。
「ノノレイ、何の話だと思う?」
「私に聞かれてもわかるわけがないでしょう。彼のことなんて知らないに等しいんだから」
「婚約者って言っても、ホーリルとあんまり話をした記憶はないのよね。最近で言うと、成績表の見せ合いくらいかしら」
「成績表の見せ合いって何なの。というかビアラ、彼ってあなたの婚約者なんでしょう?」
興味なさげな私にノノレイが聞いてきたので、サンドイッチを食べる手を止めて答える。
「名ばかりの婚約者よ」
「そうね」
鼻で笑う私を見て、ノノレイは苦笑した。
ノノレイには私の生い立ちを話しているので、私がホーリルを嫌がっていることは理解してくれている。
「家族の仇の子供が婚約者だなんて最悪だわ」
「子供の時にそんな話をされても、婚約者になると認めるしかなかったわよね。あなたの場合は他に面倒を見てくれる大人がいなかったんだから余計にだわ」
「そうなのよね。親戚は知らんぷりだったし、フェルナンディ家はお金の支援をしてくれているけれど、元々は私の住んでいた家を売って得たお金でしょう。息子と結婚させれば、私が大人になっても自由に使えると思っているのかもしれないわ」
「何よ、それ。酷い話ね」
ノノレイが心底呆れたと言わんばかりの顔になった。
「そんなことは今に始まったことじゃないわ。今からお金を貯めて働き始めたら、フェルナンディとの縁を切るんだから!」
宣言して立ち上がってから、ノノレイに言う。
「このランチボックス、ミーグスに洗って返そうと思うから、一度、寮に戻ってキッチンを借りるわ。食堂はまだ人でいっぱいだし」
「暇だし、私も付き合うわ」
すでに食べ終えて私を待ってくれていたノノレイが立ち上がったので、二人揃って食堂を出た。
*****
そして放課後。
校舎裏に向かって歩いていると、自分の後ろを歩く気配を感じて立ち止まった。
振り返ると、そこには私と同じく通学カバンを持ったミーグスがいた。
「ミーグス、あなたもこっちに用事なの?」
「まあね。君はどこに行くの?」
「フェルナンディ子爵令息から呼び出されたの」
「フェルナンディ? ああ、君の婚約者様か」
「婚約者らしいことはしてもらった覚えはないけどね。で、あなたはどこに行くの?」
「奇遇だね。僕も婚約者のフレシアから呼び出されたんだ」
ミーグスの婚約者はフレシア・フィアディス様という伯爵令嬢だ。
ミーグスとフレシア様の婚約は小さい頃に親が決めたもので、公爵家としてはフィアディス伯爵家が所有している貴族向けの高級宿の経営権が目的であると風の噂で聞いたことがある。
伯爵家のほうは娘が公爵夫人になるというメリットがあり、お互いの利益が一致したための縁組だったらしい。
「ミーグスはどこで待ち合わせをしているの?」
「ここの校舎裏」
「嘘でしょ。私もなんだけど」
「……鬱陶しいことが起こりそうな予感がする」
「何よそれ、どういうこと?」
「はっきりとしたことは言えない」
「何よ、気になるじゃない!」
ミーグスと話をしながら校舎裏に向かうと、大きな木の幹に寄りかかったホーリルと、ミーグスの婚約者であるフレシア様が寄り添っていた。
二人は私たちに気づいていないのか、幸せそうな笑みを浮かべて見つめあっている。
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