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33 邪魔者とはどちらでしょう? 後編
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「な、なんだと言うのだ! アーティア! お前は私が邪魔だと言いたいのか!? お前の実の父親は私なのだぞ!? それなのに!」
「邪魔者は誰かと聞いただけですが?」
今更、父親だと言い出すなんて、本当に信じられない人ね。
すると、お父様はキレーナ公爵を指差して叫ぶ。
「お前はこの男を父親だと言うのか!?」
「どうして、そんな話になるのかわからないですが、そう思いたいならそれで良いですよ」
お父様はどうしても、私のニューシルバートレイの犠牲になりたくてしょうがないらしい。
今までに何度もシルバートレイで返り討ちにされているはずなのに、まだ向かってこようとするのだから、その根性はすごいと認めても良いかもしれない。
「アーティア! なんて奴だ! お前なんてあの時に殺しておけば良かった! メイティがお前の墓参りをするために戻って来ると思っていたら一度も戻って来なかったし、お前は本当にいらない子だった! いつか本当に殺してやる! それが嫌なら今まで育ててやった分の金を返せ!」
キレーナ公爵を父と認めたことが気に食わないのか、お父様が暴言を吐いてきた。
普通の人なら、父親にこんなことを言われたらショックでしょう。
でも、私は言われ慣れていることなので、今更といった感じだった。
「なんて酷いことを! お金を返せというのなら私が払うわ! 私物を売れば結構なお金になるはずだから!」
酷いことを言われてきたと伝えてはいたけど、実際に聞いてみると我慢出来ないのか、お母様が私の隣に立って叫んだ。
「メイティ、レモンズ侯爵の言うことは気にしなくていい」
セナ殿下は大きく息を吐くと、キレーナ公爵に話しかける。
「……アーティアを侮辱してるんだ。父親といえども許せない。俺の権限で罰を与えることにする。一度、警察に預けはするがな。捕まえたいので協力してくれないか」
「承知いたしました」
二人の会話を聞いたお父様は焦った顔になって後ずさる。
「な、な、別に侮辱なんてしていません!」
「アーティア、君は父親にあんなことを言われてどう思った?」
「すっごく怖かったですぅ! とってもショックでしたぁ!」
セナ殿下に尋ねられ、シルバートレイを抱きしめて可愛こぶって言うと、セナ殿下は見たくもないものを見てしまったと言わんばかりの顔で私を見た。
性格が正直だということは悪いことではないと思うけれど、そこまで気持ち悪がらなくても良いのではないですかね!?
セナ殿下を恨めしそうに見つめると、咳払いをしてから話し始める。
「まあ、こんな風にアーティアが怖がっているので捕まえよう。良かったな。レモンズ侯爵、これで住む家や食事には困らないな」
「そんな……! そんなことを言っていいんですか!? 私はアーティアの父親なんですよ!」
セナ殿下が何か言う前にシルバートレイを握り直して、お父様に話しかける
「お父様、いえ、レモンズ侯爵、私はあなたとの縁を切っています」
「な、なんだって!?」
「育てていただいたことには感謝しています。お金もお望みなら返していきます」
「なら今すぐ渡せ!」
元父はそう言った後、かなりの大金を請求してきた。
捕まえると言われているのに、まだ状況がつかめきれていないのかと思うと、本当に呆れてしまう。
「レモンズ侯爵は捕まりますし、次に会うことがあれば、お金をお渡しするようにいたします。もしくは、後継者がいるのであれば、その人に渡しておきます」
「何だと!? 絶対に私は捕まらない! こうなったらアーティア! お前を人質に!」
窮鼠猫を噛むといった感じなのか、お父様は私に手を伸ばしてきた。
その手をシルバートレイで叩いて弾き飛ばす。
「痛いっ! というかアーティア! 前々から思っていたのだが、それは暴力のために使うものじゃないのだぞ!」
「わかってますよ。ですが、レモンズ侯爵が私に危害を加えようとするから自衛のためです」
「う、うるさい! 大人しくしろ!」
また凝りずに元父が手を伸ばしてきたので、今度は顎をシルバートレイで叩いた。
「……っ、痛い……痛いっ」
顎を押さえて、地面に膝をついた元父を見下ろしていると、セナ殿下が門兵に声をかける。
「第二王子の婚約者に暴力をふるおうとしたんだ。とりあえず彼を警察に連れて行ってくれ」
「承知しました」
前回のバフュー様の件があるからか、特に慌てた様子もなく、門兵二人は元父の腕を掴んで立ち上がらせる。
「何をするんだ!?」
「警察にお連れいたします」
「嫌だ! 私は行かないぞ! メイティ、目を覚ませ! お前には私しかいないんだぞ!」
暴れながらふざけたことを言う元父だったけれど、門兵によって元父が乗ってきた馬車に押し込まれた。
御者は警察署の場所を知らなかったので、キレーナ公爵の護衛騎士が誘導することになり、暴れる元父を馬車の中で拘束して大人しくさせると、馬車は動き出したのだった。
「邪魔者は誰かと聞いただけですが?」
今更、父親だと言い出すなんて、本当に信じられない人ね。
すると、お父様はキレーナ公爵を指差して叫ぶ。
「お前はこの男を父親だと言うのか!?」
「どうして、そんな話になるのかわからないですが、そう思いたいならそれで良いですよ」
お父様はどうしても、私のニューシルバートレイの犠牲になりたくてしょうがないらしい。
今までに何度もシルバートレイで返り討ちにされているはずなのに、まだ向かってこようとするのだから、その根性はすごいと認めても良いかもしれない。
「アーティア! なんて奴だ! お前なんてあの時に殺しておけば良かった! メイティがお前の墓参りをするために戻って来ると思っていたら一度も戻って来なかったし、お前は本当にいらない子だった! いつか本当に殺してやる! それが嫌なら今まで育ててやった分の金を返せ!」
キレーナ公爵を父と認めたことが気に食わないのか、お父様が暴言を吐いてきた。
普通の人なら、父親にこんなことを言われたらショックでしょう。
でも、私は言われ慣れていることなので、今更といった感じだった。
「なんて酷いことを! お金を返せというのなら私が払うわ! 私物を売れば結構なお金になるはずだから!」
酷いことを言われてきたと伝えてはいたけど、実際に聞いてみると我慢出来ないのか、お母様が私の隣に立って叫んだ。
「メイティ、レモンズ侯爵の言うことは気にしなくていい」
セナ殿下は大きく息を吐くと、キレーナ公爵に話しかける。
「……アーティアを侮辱してるんだ。父親といえども許せない。俺の権限で罰を与えることにする。一度、警察に預けはするがな。捕まえたいので協力してくれないか」
「承知いたしました」
二人の会話を聞いたお父様は焦った顔になって後ずさる。
「な、な、別に侮辱なんてしていません!」
「アーティア、君は父親にあんなことを言われてどう思った?」
「すっごく怖かったですぅ! とってもショックでしたぁ!」
セナ殿下に尋ねられ、シルバートレイを抱きしめて可愛こぶって言うと、セナ殿下は見たくもないものを見てしまったと言わんばかりの顔で私を見た。
性格が正直だということは悪いことではないと思うけれど、そこまで気持ち悪がらなくても良いのではないですかね!?
セナ殿下を恨めしそうに見つめると、咳払いをしてから話し始める。
「まあ、こんな風にアーティアが怖がっているので捕まえよう。良かったな。レモンズ侯爵、これで住む家や食事には困らないな」
「そんな……! そんなことを言っていいんですか!? 私はアーティアの父親なんですよ!」
セナ殿下が何か言う前にシルバートレイを握り直して、お父様に話しかける
「お父様、いえ、レモンズ侯爵、私はあなたとの縁を切っています」
「な、なんだって!?」
「育てていただいたことには感謝しています。お金もお望みなら返していきます」
「なら今すぐ渡せ!」
元父はそう言った後、かなりの大金を請求してきた。
捕まえると言われているのに、まだ状況がつかめきれていないのかと思うと、本当に呆れてしまう。
「レモンズ侯爵は捕まりますし、次に会うことがあれば、お金をお渡しするようにいたします。もしくは、後継者がいるのであれば、その人に渡しておきます」
「何だと!? 絶対に私は捕まらない! こうなったらアーティア! お前を人質に!」
窮鼠猫を噛むといった感じなのか、お父様は私に手を伸ばしてきた。
その手をシルバートレイで叩いて弾き飛ばす。
「痛いっ! というかアーティア! 前々から思っていたのだが、それは暴力のために使うものじゃないのだぞ!」
「わかってますよ。ですが、レモンズ侯爵が私に危害を加えようとするから自衛のためです」
「う、うるさい! 大人しくしろ!」
また凝りずに元父が手を伸ばしてきたので、今度は顎をシルバートレイで叩いた。
「……っ、痛い……痛いっ」
顎を押さえて、地面に膝をついた元父を見下ろしていると、セナ殿下が門兵に声をかける。
「第二王子の婚約者に暴力をふるおうとしたんだ。とりあえず彼を警察に連れて行ってくれ」
「承知しました」
前回のバフュー様の件があるからか、特に慌てた様子もなく、門兵二人は元父の腕を掴んで立ち上がらせる。
「何をするんだ!?」
「警察にお連れいたします」
「嫌だ! 私は行かないぞ! メイティ、目を覚ませ! お前には私しかいないんだぞ!」
暴れながらふざけたことを言う元父だったけれど、門兵によって元父が乗ってきた馬車に押し込まれた。
御者は警察署の場所を知らなかったので、キレーナ公爵の護衛騎士が誘導することになり、暴れる元父を馬車の中で拘束して大人しくさせると、馬車は動き出したのだった。
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