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四十五話
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【俺の妹になってください】
四十五話
~ あらすじ ~
三ヶ森さんがフラれた日の柏木への礼ということでステーキ屋さんにやってきた。
*****
中は洋風の小洒落た内装で、セルフサービスでサラダバーやスープバー、ドリンクバーなどがついていた。
「なにたべよっかなぁ?」
柏木がメニューをキラキラとした目で眺めながら呟いた。
「好きなの頼んでいいぞ。今週はなんか姉さんが多くお小遣いくれたしな」
「ほんと!?ありがとー!」
と、言いながら奴の右手はなぜか店員を呼ぶあのピンポーンに手をかけていた。
「お、おいっ!まだ俺メニューも見てねえからっ!」
ピンポーン………
ガヤガヤとした喧騒の中そんな音がした。
やりやがった………この店先月オープンしたばかりで来たこともないし、まだ何があるかもわからないのに……
そして、正面に座っている柏木を見やるとクスクスと笑っていた。
「お呼びでしょうか?お客様」
なんていいながら、店員がまだ押してから十秒もたってないくらいでやって来てしまった。
「えっと、私はこれの250ポンドで。焼き方はレア、タレは和風おろしポン酢でお願いします」
と、最短で注文をおわらせやがった。未だ俺の方にメニューはなく、あいつが自慢げに店員に見せている。
「はい」
と、言ってから店員さんはこっちを見てきた。
注文の催促だろう。
「じ、じゃ、俺も同じので……焼き方はミディアムにしてください」
戸惑いながらも注文を乗り越えた。
柏木はなんだかちょっと不満げだった。
「私ジュースとってくる。春樹は何がいい?」
「お、おう。じゃ、リンゴジュースで頼むわ」
「わかった……」
と、不満たらたらでジュースを取りに行った。
夜だからか家族連れや俺らのようなカップルがほとんどだ。
ん?カップルがいる……ってことは………これってデートなのか?
考えてみたら初めてのデートってやつだよな?!?
なんか、緊張してきた。
「ただいまー。はいこれジュースね」
「お、おう………」
「ん?キョドってキモいよ?どーしたの?」
「い、いや。な、なんでもない……」
「えっ?なに?ツッコミもないし、カミカミじゃんかー。なんかあるんでしょー?」
「これって、考えてみれば初デートってやつだよな?」
俯きながらだったが、言ってしまった………
はぁ。なんでこんな背中の痒くなるようなセリフを吐かないといけないんだよ………
顔を上げると柏木は目を泳がせまくりながら耳と顔を真っ赤にしていた。
「そ、そそそそう言えばそうね………」
意外だ……こんなに焦るだなんて。暴力的でいつも俺を馬鹿にしたようなことばかり言う奴だが、普通の女の子なんだな。案外可愛いじゃないか。
「あ、なんか、春樹変な事考えたでしょ?」
「は、はぁ!?別になんも考えてねえし?」
「それもそうね」
と、見下したように満面の笑みで言い放った。
やっぱりこいつ可愛くねえわ。
そんなでいがみ合っていると料理が運ばれてきた。
「やったー!いっただきまーすっ!」
…………やっぱり俺の彼女は可愛いな。
*****
「いやぁー食った食った」
親父かよ……
店を出るなり小さなお腹をポンポンと叩きながら幸せそうにしている。
「そりゃーよかったよ」
俺のいつもより多めのお小遣いが吹っ飛んだが、美味かったならまあ、いいか。
「じゃ、今日のところはこれで帰るわ。その……ありがと」
「お、おう……」
あいつの口からありがとうなんて……初めて聞いた気がする……
こりゃー明日は嵐、いや、大雪が降るな……
*****
そして、翌日から俺の演技特訓が酷くなった。
橘だけではなく柏木までダメ出しをし始め、遂にはなぜかクラス中の皆が皆俺のダメ出しを始めた。
………おいおい。流石にひどくねえか?俺も飲み込み悪くて申し訳なくは思ってるけど、みんなでそんなに言わなくてもいいと思うんですよね。
そんな願いも虚しく、ボロクソ言われ……
軽く虐められていた。
ひでえ。ちょっと出来なかったら暴言の嵐。
確かに嵐だけど、そんな嵐俺は望んでねえよ………
*****
必死にそれを耐えて本番まであと二日。皆が皆ラストスパートをかけ始めていた。
今日泊まって準備やるか?みたいな話も飛び交う………
まあ、俺は家に帰って寝ないといけないからなぁ。それは無理だなぁ。
地獄の特訓に耐えてやっと開放される……と、バックやらを持ってから廊下へと足を踏み出そうとした時、ガシッと腕を掴まれた。
「あんた、帰れると思ってるの?」
「帰れると思ってます」
声的に多分橘だ。だが、ここで振り返ったら終わりだと思い、俺はそのまま振り向きもせずに応答する。
「それを本気で言ってるならあんたは死んだ方がいいわよ?」
「………俺には拒否権はないと?」
「当たり前じゃない。今夜は寝させないわよ?」
と、最後の最後で柏木が俺の後ろからそんなことを言い始めた。
「もっとムードをだな……」
カリカリカリカリ………
と、カッターの刃を出した時のような音がした。
「………死にたい?」
俺の背中になにかが飛び乗ってきた。そして、首元には冷たい何かが当たった。
「ごめんなさい。はい。とりあえずそのカッターを僕の首元から離してくれないですか!?」
「わかればいいのよ分かれば」
俺の首元からそれがなくなるやいなや、俺は即刻逃げるように教室から飛び出た。
あんな虐待タイムが夜までずっとだと?んなの無理だ。あそこで殺されてようと殺されてなかろうと結局死ぬだろ……
なら、逃げるしかねえじゃねえか。
直行で昇降口に降りて靴にも履き替えずにそのまま外へ飛び出した。
後ろからは鬼のような表層の柏木と橘が追ってきている。
「待ちなさいっ!ミンチにするわよっ!!」
「待ったら確実に殺されんじゃねえかよっ!!」
「それもそうねー!!」
なんであいつはあんなに楽しそうなんだよ。人を殺そうとして喜ぶとかあいつサイコパスかよ……
「あ、風見さんっ!こんにちは!」
「あ、あぁ。こんにちは……って、どんなタイミングで挨拶ですかい!?」
渡り廊下を横切ったところで三ヶ森さんがひょこっと現れて、なぜか並列走行を始めた。
「ところでなんで走ってるんです?」
「捕まったら終わりだからね」
「へーそうなんですか」
「美柑ちゃん。そいつ止めてっ!!」
「え、あ、はいっ!」
そう言って横から俺の懐に飛び込んできた。
「マジかよ……」
俺の腹部あたりを掴んでダイブしてきた三ヶ森さんを受け止める。
「だ、大丈夫?」
「はいっ!」
そんなやり取りをしていると柏木と橘がもう来ていた。
さて、練習しますかね。
教室に戻ると罵倒の嵐。とりあえず考えるのをやめた。
俺は王子………王子なんだ。
と、自分自身に暗示をかけると、そこからはみるみると成長していき、クランクアップ的な皆の喜び。
まだ、本番まであと一日あるけどな……
なんとか解放され泊まるなんてことにはならなかった。
「春樹。帰ろっか」
「あ、あぁ……そうだな」
夜道を二人で自転車を漕ぎながら帰る。
なんか、すげえ疲れたな。
柏木を家に送ったあと家に帰ると姉さんが玄関にいた。
「ただいま」
「おかえり。ご飯できてるから食べて。明日は頑張ってね」
そう言い残すと姉さんは眠そうに欠伸をして二階へと上がっていた。
姉さんも疲れてるようだ。確か姉さんのところはメイド喫茶だっけか?姉さんを笑うために柏木と行ってみてもいいかもな。
そして、次の日リハーサルと称して学校の人間だけで文化祭を執り行うことになった。
だからみんな急いで仕事してたのか。
学校に着き教室に入ると、いつもの学舎の姿はなく、舞台と化していた。
「すげえな……」
「あ、主役っ!」
「な、なんですか?朝から……」
いつからか、橘の声をきくたびに背筋が凍るような思いをしていた。
「人の声でビクビクしないっ!」
「ひ、ひゃい!!」
ひとりが「ぷっ!」と、吹き出し、笑い始めたらそこから全員に移るように笑いが回った。
なんだよ。あんなのされたらトラウマになるに決まってるんだよな。怖いもんは怖いんだよ………
「ま、まぁ……とりあえず準備始めよう……はぁ……ふふ」
思い出し笑いとかやめてくれよ。俺のガラスのハートが砕けちゃうだろ?
*****
そんなこんなで衣装やらをバッチリ決めて初の公演が始まった。観客の入りがイマイチなのが幸いし目立ったミスなく第一部わ終了させることに成功した。
「じゃ、次は一時からね。それまでは自由行動っ!」
と、役割のない役者なんかは開放された。
「とりあえず、リハーサルとはいえ終わったな。」
「そうね。じゃ、行きましょうか」
「そうだな。行くか」
とはいえ、やることもなくのんびーりと校内を回ったりして過ごし、そして、二回目の公演である。
二回目の公演もやはり観客のいりはイマイチだったが、姉さんが居た。
恥ずかしんだけど………
そんなで、ラストシーン。
もちろんフリでやるが、キスシーンも終わり目覚めた柏木を棺から出すところでビリビリビリっ!と、何かが破けた音がした。
スカートが棺に引っかかり柏木の可愛らしい水色のシマシマパンツが大衆の目に晒される。
「きゃぁぁ!!!!」
柏木はとっさに腰を下ろし棺へと隠れた。俺も柏木を庇うように皆に見えないように体で覆う。
「男子、なにしてるの!?早く外に出てっ!!」
橘が機転をきかせてくれ、教室から俺と橘、そして、白と水色の縞パンちゃんが目の前にこんにちは。
「うっ!!」
急に腹に痛みが走る。
「な、なぜ殴る?」
庇っていたのだが殴られて俺は地面に倒れ込む。
「今あんたえ、エッチな事考えたでしょ?」
「そ、そんなわけ………」
なんでこいつはわかるんだ?エスパーかよ。
「とりあえず、舞ちゃんの制服持ってきたから着て」
「あ、うん……ありがとう」
とりあえず、その場は凌いだが……
続く。
四十五話
~ あらすじ ~
三ヶ森さんがフラれた日の柏木への礼ということでステーキ屋さんにやってきた。
*****
中は洋風の小洒落た内装で、セルフサービスでサラダバーやスープバー、ドリンクバーなどがついていた。
「なにたべよっかなぁ?」
柏木がメニューをキラキラとした目で眺めながら呟いた。
「好きなの頼んでいいぞ。今週はなんか姉さんが多くお小遣いくれたしな」
「ほんと!?ありがとー!」
と、言いながら奴の右手はなぜか店員を呼ぶあのピンポーンに手をかけていた。
「お、おいっ!まだ俺メニューも見てねえからっ!」
ピンポーン………
ガヤガヤとした喧騒の中そんな音がした。
やりやがった………この店先月オープンしたばかりで来たこともないし、まだ何があるかもわからないのに……
そして、正面に座っている柏木を見やるとクスクスと笑っていた。
「お呼びでしょうか?お客様」
なんていいながら、店員がまだ押してから十秒もたってないくらいでやって来てしまった。
「えっと、私はこれの250ポンドで。焼き方はレア、タレは和風おろしポン酢でお願いします」
と、最短で注文をおわらせやがった。未だ俺の方にメニューはなく、あいつが自慢げに店員に見せている。
「はい」
と、言ってから店員さんはこっちを見てきた。
注文の催促だろう。
「じ、じゃ、俺も同じので……焼き方はミディアムにしてください」
戸惑いながらも注文を乗り越えた。
柏木はなんだかちょっと不満げだった。
「私ジュースとってくる。春樹は何がいい?」
「お、おう。じゃ、リンゴジュースで頼むわ」
「わかった……」
と、不満たらたらでジュースを取りに行った。
夜だからか家族連れや俺らのようなカップルがほとんどだ。
ん?カップルがいる……ってことは………これってデートなのか?
考えてみたら初めてのデートってやつだよな?!?
なんか、緊張してきた。
「ただいまー。はいこれジュースね」
「お、おう………」
「ん?キョドってキモいよ?どーしたの?」
「い、いや。な、なんでもない……」
「えっ?なに?ツッコミもないし、カミカミじゃんかー。なんかあるんでしょー?」
「これって、考えてみれば初デートってやつだよな?」
俯きながらだったが、言ってしまった………
はぁ。なんでこんな背中の痒くなるようなセリフを吐かないといけないんだよ………
顔を上げると柏木は目を泳がせまくりながら耳と顔を真っ赤にしていた。
「そ、そそそそう言えばそうね………」
意外だ……こんなに焦るだなんて。暴力的でいつも俺を馬鹿にしたようなことばかり言う奴だが、普通の女の子なんだな。案外可愛いじゃないか。
「あ、なんか、春樹変な事考えたでしょ?」
「は、はぁ!?別になんも考えてねえし?」
「それもそうね」
と、見下したように満面の笑みで言い放った。
やっぱりこいつ可愛くねえわ。
そんなでいがみ合っていると料理が運ばれてきた。
「やったー!いっただきまーすっ!」
…………やっぱり俺の彼女は可愛いな。
*****
「いやぁー食った食った」
親父かよ……
店を出るなり小さなお腹をポンポンと叩きながら幸せそうにしている。
「そりゃーよかったよ」
俺のいつもより多めのお小遣いが吹っ飛んだが、美味かったならまあ、いいか。
「じゃ、今日のところはこれで帰るわ。その……ありがと」
「お、おう……」
あいつの口からありがとうなんて……初めて聞いた気がする……
こりゃー明日は嵐、いや、大雪が降るな……
*****
そして、翌日から俺の演技特訓が酷くなった。
橘だけではなく柏木までダメ出しをし始め、遂にはなぜかクラス中の皆が皆俺のダメ出しを始めた。
………おいおい。流石にひどくねえか?俺も飲み込み悪くて申し訳なくは思ってるけど、みんなでそんなに言わなくてもいいと思うんですよね。
そんな願いも虚しく、ボロクソ言われ……
軽く虐められていた。
ひでえ。ちょっと出来なかったら暴言の嵐。
確かに嵐だけど、そんな嵐俺は望んでねえよ………
*****
必死にそれを耐えて本番まであと二日。皆が皆ラストスパートをかけ始めていた。
今日泊まって準備やるか?みたいな話も飛び交う………
まあ、俺は家に帰って寝ないといけないからなぁ。それは無理だなぁ。
地獄の特訓に耐えてやっと開放される……と、バックやらを持ってから廊下へと足を踏み出そうとした時、ガシッと腕を掴まれた。
「あんた、帰れると思ってるの?」
「帰れると思ってます」
声的に多分橘だ。だが、ここで振り返ったら終わりだと思い、俺はそのまま振り向きもせずに応答する。
「それを本気で言ってるならあんたは死んだ方がいいわよ?」
「………俺には拒否権はないと?」
「当たり前じゃない。今夜は寝させないわよ?」
と、最後の最後で柏木が俺の後ろからそんなことを言い始めた。
「もっとムードをだな……」
カリカリカリカリ………
と、カッターの刃を出した時のような音がした。
「………死にたい?」
俺の背中になにかが飛び乗ってきた。そして、首元には冷たい何かが当たった。
「ごめんなさい。はい。とりあえずそのカッターを僕の首元から離してくれないですか!?」
「わかればいいのよ分かれば」
俺の首元からそれがなくなるやいなや、俺は即刻逃げるように教室から飛び出た。
あんな虐待タイムが夜までずっとだと?んなの無理だ。あそこで殺されてようと殺されてなかろうと結局死ぬだろ……
なら、逃げるしかねえじゃねえか。
直行で昇降口に降りて靴にも履き替えずにそのまま外へ飛び出した。
後ろからは鬼のような表層の柏木と橘が追ってきている。
「待ちなさいっ!ミンチにするわよっ!!」
「待ったら確実に殺されんじゃねえかよっ!!」
「それもそうねー!!」
なんであいつはあんなに楽しそうなんだよ。人を殺そうとして喜ぶとかあいつサイコパスかよ……
「あ、風見さんっ!こんにちは!」
「あ、あぁ。こんにちは……って、どんなタイミングで挨拶ですかい!?」
渡り廊下を横切ったところで三ヶ森さんがひょこっと現れて、なぜか並列走行を始めた。
「ところでなんで走ってるんです?」
「捕まったら終わりだからね」
「へーそうなんですか」
「美柑ちゃん。そいつ止めてっ!!」
「え、あ、はいっ!」
そう言って横から俺の懐に飛び込んできた。
「マジかよ……」
俺の腹部あたりを掴んでダイブしてきた三ヶ森さんを受け止める。
「だ、大丈夫?」
「はいっ!」
そんなやり取りをしていると柏木と橘がもう来ていた。
さて、練習しますかね。
教室に戻ると罵倒の嵐。とりあえず考えるのをやめた。
俺は王子………王子なんだ。
と、自分自身に暗示をかけると、そこからはみるみると成長していき、クランクアップ的な皆の喜び。
まだ、本番まであと一日あるけどな……
なんとか解放され泊まるなんてことにはならなかった。
「春樹。帰ろっか」
「あ、あぁ……そうだな」
夜道を二人で自転車を漕ぎながら帰る。
なんか、すげえ疲れたな。
柏木を家に送ったあと家に帰ると姉さんが玄関にいた。
「ただいま」
「おかえり。ご飯できてるから食べて。明日は頑張ってね」
そう言い残すと姉さんは眠そうに欠伸をして二階へと上がっていた。
姉さんも疲れてるようだ。確か姉さんのところはメイド喫茶だっけか?姉さんを笑うために柏木と行ってみてもいいかもな。
そして、次の日リハーサルと称して学校の人間だけで文化祭を執り行うことになった。
だからみんな急いで仕事してたのか。
学校に着き教室に入ると、いつもの学舎の姿はなく、舞台と化していた。
「すげえな……」
「あ、主役っ!」
「な、なんですか?朝から……」
いつからか、橘の声をきくたびに背筋が凍るような思いをしていた。
「人の声でビクビクしないっ!」
「ひ、ひゃい!!」
ひとりが「ぷっ!」と、吹き出し、笑い始めたらそこから全員に移るように笑いが回った。
なんだよ。あんなのされたらトラウマになるに決まってるんだよな。怖いもんは怖いんだよ………
「ま、まぁ……とりあえず準備始めよう……はぁ……ふふ」
思い出し笑いとかやめてくれよ。俺のガラスのハートが砕けちゃうだろ?
*****
そんなこんなで衣装やらをバッチリ決めて初の公演が始まった。観客の入りがイマイチなのが幸いし目立ったミスなく第一部わ終了させることに成功した。
「じゃ、次は一時からね。それまでは自由行動っ!」
と、役割のない役者なんかは開放された。
「とりあえず、リハーサルとはいえ終わったな。」
「そうね。じゃ、行きましょうか」
「そうだな。行くか」
とはいえ、やることもなくのんびーりと校内を回ったりして過ごし、そして、二回目の公演である。
二回目の公演もやはり観客のいりはイマイチだったが、姉さんが居た。
恥ずかしんだけど………
そんなで、ラストシーン。
もちろんフリでやるが、キスシーンも終わり目覚めた柏木を棺から出すところでビリビリビリっ!と、何かが破けた音がした。
スカートが棺に引っかかり柏木の可愛らしい水色のシマシマパンツが大衆の目に晒される。
「きゃぁぁ!!!!」
柏木はとっさに腰を下ろし棺へと隠れた。俺も柏木を庇うように皆に見えないように体で覆う。
「男子、なにしてるの!?早く外に出てっ!!」
橘が機転をきかせてくれ、教室から俺と橘、そして、白と水色の縞パンちゃんが目の前にこんにちは。
「うっ!!」
急に腹に痛みが走る。
「な、なぜ殴る?」
庇っていたのだが殴られて俺は地面に倒れ込む。
「今あんたえ、エッチな事考えたでしょ?」
「そ、そんなわけ………」
なんでこいつはわかるんだ?エスパーかよ。
「とりあえず、舞ちゃんの制服持ってきたから着て」
「あ、うん……ありがとう」
とりあえず、その場は凌いだが……
続く。
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