63 / 64
第61話:宮原湊人、占い師“紗羅”に生まれ変わる♡
しおりを挟む──♡──
「……あなた、未来を読みたいんじゃないの。
本当は、“人の心を受け止めたい”のよ♡」
夜のクリニック、紫のカーテンが風にふわりと揺れる。
燭台の炎がゆらぎ、壁の模様が水面のように震えていた。
青年・宮原湊人は、机の上に並ぶカードを見つめながら、かすかに唇を噛む。
「……人の気持ちをわかるのに、どうして……寄り添えないんだろう」
声は低く震え、まるで誰かに懺悔しているようだった。
白衣の女医・佐伯美香は、微笑を崩さないまま頬杖をつく。
(……この子は、理屈ではなく“共鳴”を求めている。
その願いは、女の身体に宿してこそ形になるの♡)
「湊人さん。あなたには、“言葉を超えた手”があるわ」
「……手?」
「ええ。感じ取るための手。触れた相手の心を、包み込むための……♡」
その囁きに、空気が甘く滲む。
香が柔らかく煙を描き、灯りがひときわ強く瞬いた。
──♡──
【ターゲットデータ】
・名前:宮原 湊人(みやはら・みなと)・26歳
・職業:心理カウンセラー志望
・特徴:論理的で誠実だが、感情表現が苦手
・願望:“理解”ではなく“共鳴”で人を救いたい
──♡──
【フェム転生:スピリチュアル・フェムモード】
紫の光が空間を満たし、微細な粒子が舞い上がる。
湊人の肌をなぞるように、透明な波が広がっていく。
心臓の鼓動がひとつ跳ね、指先から花びらのような光が零れた。
「……あっ……体が、熱い……っ」
胸の奥がきゅっと縮み、次の瞬間ふわりとほどける。
声が細く、艶やかに震える。
まるで心の奥を直接くすぐられるような、くすぐったい快感が走った。
髪が長く伸び、頬を撫でる。
腰に流れるその重みと、柔らかく膨らんだ胸の存在が、否応なく“女”を意識させた。
息を吸うたび、胸元がわずかに揺れる。
鏡の中には、見知らぬ女。
けれどその瞳は、自分自身のものだった。
淡い金色の光が宿り、まるで月を溶かしたように澄んでいる。
「……これが……わたし?」
「ええ、今日からあなたは“紗羅(さら)”。心の色を見る女よ♡」
美香がそっと耳元で囁く。
その声が耳朶に触れた瞬間、紗羅の身体は小さく震えた。
──♡──
【髪とメイク】
ブラシが通るたびに、髪はアメジストの光を帯びていく。
夜の光を受けると、紫から金へ、また淡い青へと表情を変えた。
頬にはわずかな血色、唇には薄く銀のグロス。
その唇を閉じるたび、光が滴るように艶めく。
「その髪はね、心を包むベールなの。
人の不安を受け止めるには、美しくあることが必要なのよ♡」
美香は囁きながら、首筋のラインをなぞるように整える。
その指先の温もりが、鼓動と一緒に体の奥まで染み込んでいく。
──♡──
【下着の儀式】
ベッドの上に置かれていたのは、黒と紫が絡み合うレースの下着。
まるで夜の闇と月明かりを編んだような、美しい陰影。
「占い師は、言葉よりも“香り”で誘うのよ♡」
ブラを胸にあてると、布の冷たさと柔らかさが同時に伝わる。
息をのむたび、レースの縁が乳房の輪郭をゆっくりと覚えていく。
ショーツを腰に通したとき、腰骨にひやりとした感触。
その瞬間、下腹に甘い熱が灯った。
「……これが、“女の形”……」
「ええ、その下着が、あなたの“結界”。
見せるためじゃない、心を守るための鎧よ♡」
紗羅は思わず笑みをこぼす。
女であることが、こんなにも静かで、深い快感を持つとは知らなかった。
──♡──
【衣装を着る】
深い藍のロングドレスが、背中を滑り降りる。
肩を包む銀のストールが、光の筋を描いた。
動くたびに、胸元と腰のあたりが微かに揺れ、柔らかな香がふわりと広がる。
「占い師の女は、触れずに“導く”。
でもね、本当に人を動かすのは、あなた自身の匂いよ♡」
その言葉に、紗羅はそっと微笑み返した。
――今の自分が、確かに誰かの闇を照らせる気がした。
──♡──
【命名セレモニー】
銀のペンダントが首にかけられる。
月のチャームが胸の谷間でゆらりと光る。
「今日からあなたは“紗羅”。
声も、手も、瞳も──すべてが占いになる女♡」
「……紗羅……」
口にした瞬間、言葉が光を帯びた。
まるで、その名が心臓に直接刻まれるようだった。
──♡──
【数日後】
夜の街角。
ビルの二階の窓に、紫のカーテンと「Moon Room SARA」の文字。
キャンドルの炎が小さく揺れ、カードの上を光がすべる。
「……彼、最近ちょっと冷たくて……」
不安げに話す女性に、紗羅は微笑を返した。
「大丈夫。彼の心は、少し迷子なだけ。
でもね、“あなたの涙”が、道しるべになってる♡」
言葉が空気に染み、涙が頬を伝う。
紗羅はそっと手を重ねた。
その掌から伝わる熱が、相手の胸の奥まで届いていく。
「泣いていいの。
涙は、未来を動かす水だから♡」
その瞬間、二人の間に漂っていた香が、ほのかに甘く変わった。
まるで運命が、ひとつ書き換えられたかのように。
──♡──
【後日談】
閉店後、静かな部屋。
鏡の前で髪をほどき、ストールを外す。
汗と香の混ざった匂いが、胸の奥に心地よく残っていた。
(……未来を導くって、きっと“信じること”なのね。
誰かを救いたいって願う気持ちを、まず自分で愛すること……)
ノックの音。
「紗羅さん、まだ起きてる?」
扉の向こうの声は、隣のカフェで働く青年・祐真。
「あなたの声、いつも聞こえるんだ。
誰かの涙を包むたび、街の音が優しくなる気がして」
紗羅は微笑み、ストールを肩に戻す。
「……あなたの未来、少し見てみようか?」
「え、それって……」
「ふふ、カードはいらないわ。あなたの瞳で、もう見えちゃうから♡」
ふたりの視線が重なる。
小さな笑い声が、月光に溶けていった。
(……女の子になってよかった。
だって、誰かの心を占う前に──恋が、私を照らしてくれるんだもの♡)
──♡──
「……女の子になって、本当に……よかった……♡」
──♡──
読んでくれてありがとう♡
評価&ブクマで、“紗羅の恋と占いの物語”を応援してね♡
次に変わるのは──あなたの運命かもしれない♡
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる