『隣の真希さんに、今日もまた女にされました♡』

風間玲央

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第一話:マサヒロ、ピンクのレースと、ガーリーな罠。

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その女──真希さんは、隣に住んでいる。
見た目は、ごく普通の優しいお姉さんだ。廊下ですれ違えば軽やかに「おはよう」と微笑み、買い物袋から覗くのは花やお菓子。香る柔らかな匂いが、ほんのり心を落ち着かせる。

けれど、不思議なことに、彼女の暮らしの中身は誰も知らない。
昼間に働きに出る姿を見たことはなく、夜も灯りが点いているのかさえ分からない。どんな仕事をしているのか、どんな時間を過ごしているのか──すべてが“空白”のままだ。

ただ一つ確かなのは、その笑顔が場の空気を変えてしまうこと。
柔らかな仕草の奥に、ぞくりと背筋を冷やす威圧が潜み、言葉はやさしいのに、視線ひとつで支配されてしまう錯覚を抱かせる。微笑みの角度、指先の揺れ、立ち方、歩くリズム──すべてが計算された魔力のように、見ている者を無意識に惹きつけるのだ。

やわらかいのに、どこか抗えない。
微笑みの奥に潜むものが、すべてを掌握してしまう。
隣に住むただの女性──
それなのに時折、まるで“男を女に変える罠”そのものが人の形を取って現れているのではないか、と錯覚させるのだった。

──♡──
朝、目を覚ましたとき、視界の隅に、ふわりと“何か”が映った。
ピンクのレース。光をやさしく透かす、少女趣味のミニスカートと白いブラウスが、椅子の背に静かにかけられていた。風も音もなかった。けれど──それは確かに、“女の子の服”だった。
透ける布地の柔らかさ、レースの繊細さまで、意識が吸い込まれそうになる。まるで部屋に小さな魔法が漂ったかのようで、心臓が少し早くなるのを感じた。

──♡──
「いや……絶対に、俺のじゃない」
俺は、マサヒロ(仮名・25)。動画編集が仕事の自宅フリーランスだ。
引っ越してきたばかりで、誰の気配も感じたことがない。なのに、昨日から部屋の空気が、妙に……柔らかく、甘く、女の子の気配に満ちているように思えた。
耳に届く静寂の中、布が揺れるような微かな気配まで、脳が無意識に拾っている気がした。

──♡──
【洗面所】
・歯ブラシが二本。片方は淡いピンク色。
・洗面台に「うるおい重視のミルキーローション」
・鏡に貼られた付箋「今日の笑顔、かわいいかも♡」

「誰のだよこれ……てか、俺、笑顔とか言われたことないんだけど……」

──♡──
【部屋・スマホ】
・スマホのカレンダーに、“ネイルリペア”の予定が追加されていた
・ソファに置かれたぬいぐるみのひざに、マスカラが乗っていた
・音楽アプリのおすすめが、K-POPアイドルのプレイリストに変わっていた

「いやいやいや、何も頼んでないし!ってかK-POP詳しくねえし!!」

──♡──
【下着】
・スウェットの下から、レースの履き口がちらりと覗いている
・タグには「マシュマロフィット♡」のロゴと、“ふわふわ”の着用感説明
・小さなピンクのリボンが、ちょうど前の中心に縫い留められていた

「……ちがっ、これ、違うからっ……! 昨日の夜、間違えて……」

──♡──
そこに現れる、隣の女──真希さん。

この日の真希さんは、薄いベージュのニットに、ラベンダー色のプリーツスカート。
すうっと部屋に入ってくると、鏡越しに目が合った。

「ふふ……マサヒロちゃん、ピンクって、意外と似合うのね♡」
「いやいやいや、勝手に人の部屋に入らないで!? なんで知ってんの!?」
「女の子の服って、“心”から着るのよ。身体は、あとからついてくるの♡」
「なにその理屈ぅぅ……!」

「さあ、“男の終わり”の時間よ♡」
「──どうぞ♡」

──♡──
【黒服さん突入】

ドガアアァン!!!
玄関が破られ、黒服の男女3名が雪崩れ込む。

黒服1「対象、スカート視認。自主装着の可能性あり」
黒服2「下着、マシュマロフィット。履き心地を確認済」
黒服3「ピンクリボン反応強。女子補正フェーズへ移行」
マサヒロ「え、うそ、ちょっと撫でただけだってぇぇぇぇ!!」

──♡──
【個体データ】
識別コード:No.087(マサヒロ)
元性別:男性
初期変化:ピンク系嗜好・自己装着下着
フェム導入:レース下着/ガーリー服選択反応あり
最終用途:女性誌コラム「男子でもカワイイは作れる」モデル候補

──♡──
【数日後】
部屋の照明が少し暗めに調整されている。
ガーリーなブラウスのボタンを、自然と指が選んでいた。
「……このスカート、脚が細く見える……かも」
画面に映る自分の姿を、3秒見つめてから、そっと笑う。
胸元やお尻の丸みが布地に沿って柔らかく映り、自然な曲線が女の子らしさを演出していた。
そして小さなリボンをつけたイヤリングを耳にあてる。

──♡──
真希さんは、後ろからその肩に手を添える。

「ね、“似合う”って……言われたいでしょう?」
「マサヒロちゃん……もう“可愛い”が口ぐせになってきたわね♡」

──♡──
真希さんの手元のノートには、“No.088:シンジ(仮)”の文字が、静かに記されていた。

完──“今日もまた女にしておしまい♡”

──♡──
♡ブックマーク・評価・感想、お待ちしてます♡
「うふふ……読んだら、素直に“押して”おいてね? いい子でしょ♡」
──真希さんは、もう次のページをめくっているのよ。
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