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24 ~ミュリエッタ・アシュバートンの場合~
しおりを挟む全く上手くいかない。
最近はそんなんばっかり。
ここまで上手くいかないと、文句の一つや二つ出ちゃうわよ…まったく!
私は前世…日本で生きていた頃の記憶を持つ男爵令嬢ミュリエッタ・アシュバートン。
アシュバートン男爵の庶子として生まれ、光の魔法を持つ事を知られ、令嬢として迎えられる…。ここまでは、私が前世好んでやっていた恋愛乙女ゲームと同じだった。
そう…ここは乙女ゲームの世界。
私はヒロインのミュリエッタとして転生した。
夢のようだった。
前世では、このゲームを元にしたライトノベルも出ていた。
アニメ化もしてあり、好きな声優が出ていた事もあり、夢中になった記憶がある。
そんな世界に生まれ、最初は浮かれていたのだが、ふと思い直す。
ライトノベルでは、悪役令嬢を主人公にして「ざまぁ」される本もあったはず。
そうだ…浮かれていてそんな事になったら、私の人生終わる…。
そう思った私は、成り行きに任せることなく、大人に見つからないように魔法の練習を始め、光の魔法以外にも魅了の魔法…チャームを修得した。
でも、私の魔法はこの2つ以外は開花しなかった。
ゲームの筋書きでは、学院に入学後更に魔力量が上がり、国に聖女として迎えられるはず。
チャームの魔法はヒロインは持っていなかったはずだから、隠した方がいいだろうし、武器は全部見せてはいけないものね。
それに…私の推しメンは王子ではないから、悪役公爵令嬢と張り合う必要はないし……。
そう思い、予定通り男爵家の養女となり、王子の婚約者とも極力関わり合わないように遠巻きに遠巻きしてきたのに……。
なのに…なんでこの学院にアルベルト様がいないのっ!どうしてアーサー様は休学してしまうのっ!
代わりに寄って来て欲しくない、面倒臭そうな第二王子だったり、モブ顔の宰相の息子だったりがなんで寄ってくんのよっ!
愛しの愛しのアーサー様…そして…将来、筆頭王宮魔法士のアルベルト様はいずこに!!
逆ハーなんて狙ってないのに、なんでモブばっかり寄ってくんのよォ……。
諦めちゃいけないと思いつつも、最近は学院自体も面白くない…。
私の異世界ハッピーライフ計画はどうなるの…。
カムバァック!アーサー様!
カモォーン!アルベルト様!
私はここです!
ミュリエッタはここにいますよォー!!
応援ありがとうございます!
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