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しおりを挟む「おじいちゃんの会社って、叔父さんが継いでいるんじゃないの?」
母は叔父さんと二人姉弟で、今はおじいちゃんが会長で、叔父さんが社長だったと思うんだけど?
「なになに…?もしかして叔父さん、独身宣言なんてしっちゃったりしたの?」
いつまでも結婚しようとしない叔父さんに、おじいちゃんが切れちゃったりした事も過去にはあったようで、それ以来『結婚』の話はタブーで来たらしいけど…もうだいぶいい歳よね?何があったんだろう?
「うぅ~ん…まぁ…隠してもしょうがないから言っちゃうけどね……宏樹ったら付き合っていた相手と養子縁組したらしいのよ」
「……ん?待って?養子?なんでいきなり養子?」
一度で理解出来ず、もう一度聞き直して…理解した時には、驚き過ぎて返事が返せなかった。いきなりのマイノリティー問題。
「結構長く付き合っていた同性のパートナーがいるらしいのよ。まぁ…相手の籍に入った訳ではないから、今のところは何も変わらずらしいんだけどね…」
まぁ確かに今は大丈夫だろうけど……母が言っているのはその後……いわゆる次代の後継者問題ってことなんだろう。
養子をもらったり、別な誰かに社長職を渡す事もできるのだろうけど、身内で継げる者がいればそれが最善って事らしい。
「おじいちゃんもね時代の流れだなんてブツブツ言いながら、宏樹の事は許してるみたいなんだけどね……多分ね、継いでくれるなら美里ちゃんでもいいと思うのよぉ」
いきなり自分の名前が出てびっくりしたけど、年齢のわりに考えが柔らかい祖父や母の考えそうなことだと思うし、それも今後の選択肢の一つかと思う。
このままいけばきっと自分は結婚はしないだろうと思うから。
このままならきっと、いずれ今の会社も辞めるだろうしね……。
まだ先のことなのに、考えただけで寂しくなるってどうなのよ、と……とりあえず心の中で一人ノリツッコミをしてみる。
それに……社長達と私は生きる時間が違う。
それは、最初から知っていたことだ。
だから…見ているだけの恋にすると初めから決めていたのに……。
どうも傍にいると欲張りになるらしい。
少し自重しないとなぁ。
久しぶりの恋に浮かれていたみたいだ。
「お母さんその話……もし勇樹じゃなくても良くて、私でも良いと思ってくれるのなら、私チャレンジしてみてもいいかな?」
思い立ったが吉日。
そんなノリで仕事を決められたら、おじいちゃんだって迷惑だろうけど、後継者にはなれなくてもお手伝いくらいにはなれるよう頑張ってみようかと思った。
古物を扱う道を選んだ当初とは、色々変わってしまったけど、決めた事をやり遂げられない時だってたまにはある。それはしょうがない。無理やり思い込んで、夕飯の支度を手伝いにキッチンへ向かった。
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