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38 怜くんの悩み事
しおりを挟む「なんだかすっごい難しい顔して出掛けたけど、何かあったの?」
きっと聞くに聞けなかったであろう怜くんの事情。私も分かれば良かったんだけど、いくら双子の兄妹でも分からない。今のとこ双子の神秘とは無縁です……。
「多分ね…進路のことかな?と予想。予想よ?あくまでも」
そう断って、崇ちゃんとのやり取りを掻い摘んで教える。
特に内緒にするようなことも無いから大丈夫だろう…との予想の元でだ。それに、母は見える人だからね。特に気を付けなきゃいけないことはない。
「あの子ね…多分描く仕事をしたいんだと思うの。でも、周りに上手く相談出来ないみたいね」
そういうと何かを考え始めた。
こうなるとしばらく思考の海へダイビング状態なので、食べ終わった食器を片付け、出掛ける準備をする。今日は図書館に行く予定だ。
近くにある市営図書館は、周囲の市町村の図書館と比較すると蔵書の数、設備が群を抜いていることもあり、時々利用している。
「じゃあ、行ってくるから」
いまだダイビング中の母の目の前に、行き先を書いた紙を残し、ぼんちゃんを連れて図書館に向かう。
図書館には本についている妖精さんがいるらしく、色々と面白いことや噂話を教えてもらえて面白いらしい。妖精さんの井戸端会議……ちょっと見てみたいかも…なんてね。
「はるかぁ~こっちぃ~」
今日の待ち合わせは相手は、里奈と万葉…そして、二人の小学校から仲の良い…他校に進学した友達だ。
「初めまして渡利陽香です」
「初めまして斎藤美保です」
二人同時にはハモるように自己紹介してしまい、思わず笑ってしまった。
美保ちゃんも斎藤という苗字だと聞いて、ちょっと驚いた。だって、里奈も万葉も苗字は斎藤だ。
隣町は多いのかな?と聞いたら、たまたま小学校の最終のクラス替えの際に一緒になったらしい。
苗字が同じだと必然的に並ぶことも多く、何かと一緒に行動することも増え……卒業する頃には他のクラスからもまるでセット商品のように扱われ、それが中学校にも影響し今に至るらしい。
「二人は頭良かったからね~、二年のクラス替えの時は二人は一緒、私だけ別クラス……勉強とかもさ教えてもらったんだけど、そもそもの頭の造りが違うんだよ」
というのは、本日初対面の美保ちゃん。
里奈と万葉曰く、この三人で一緒にいる時のマスコット(いじられ)キャラ的存在らしい。
三人のワキャワキャした感じが、見ていてちょっと羨ましい。
「部活のない日はこうやって一緒に遊んでね!もうね、二人ともそっけなさ過ぎて美保は悲しいのだよ」
なんて私に泣き付いてくる美保ちゃんを見ていると、マスコットキャラ的存在なのも頷ける。
ちなみに…その日はパソコンを使っての調べ物や本探しなど、各々の目的を果たし、美保ちゃんとの連絡先交換もしっかりして午後の一時に別れた。
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