地球は世界のまんなか…じゃないらしい

学生の本分ですよ〜 ２

げんなりした気分のままHRに入る。
終わり際に職員室に来いと言う、担任の呼び出しに再びげんなりする。


なんだよ。登校日ってこんな面倒臭い日なの？と思いつつ職員室へ。


案の定、突然の進路変更の確認と航太の事だった。＂オレと行く＂と言うのは担任の耳には、あくまでも噂でしか届いてないようで、その噂の確認らしい。


「少し前に家に来たんすけど、連れて行って欲しいとは言われたけど、OKは出してないっすよ。そん時はウチの親もいなかったから、なんとも言えなかったし、許可取れたら連絡するって。それで終わりました」


端的に説明。嘘は言ってない。
内容省いただけ。


そっかぁ～と返事をしてちょっと考える先生。先生も大変ですねぇ～と、一応労ってみた。労う気持ちがあるなら、寸前で進路変更するなと言われたけど、それはしょうがない。オレだっていきなりだったんだもん。

「あっ...それと...……」


卒業後だから、先生に言わなくても良いかもしれないけど…と前置きをして、引越す前に入籍する事を報告。


目を見開いたまま、停止する事数秒。


「え？マジで？早くね？オレだってまだ...」


とブツブツと教師らしからぬ事を呟いた後、確認するように、「できたからか？」って声を低くして聞いてきた。
おいぃぃーここでそれ言っちゃ行かんだろぉ～と思いつつ...


「先生……信じなくて良いけど、一応清い交際ですよ。ただ、向こうに行くのに連れて行きたくて」


と。
もう……羨ましいだのなんだのとブツブツ言う先生は放置して...職員室を出たよ。
一応ね、ちゃんとクギは刺してきたよ。
他言無用と。
これ以上噂はノーセンキューですよ。


教室に戻り、クラスメイトに色々と茶々を入れられたが、進学しない事と理由を、簡単に話をして、今日は帰ってきた。


高々半日程度の学校がこんなに疲れるとは思わなかった。
おまけに、今日は航太と話をすると言う目的が果たされていない！
午後からは航太の家だな。


と思ったけど、思ったより疲れていたのか、昼メシを食べたあと、ちょっとウトウト……。ちょっとのつもりが、気が付いたら夕方になっていたので、航太への挑戦は明日に繰り越す事に。


とりあえず、スマホでメッセージを送る。
「明日行く」とね。一応アポ取りですよ。
すぐにＯＫの返事が来た。


これで今日のノルマ終わり～なんて安心してたら、目を座らせた夏樹に遭遇。


「カイト？今日、かわいい子に告白されて、仲良く中庭に行ったって聞いたんだけど」


って、夏樹さん！？
学校に密偵とか放ってます？
やけに具体的なのはなんで？

と言う疑問を持ちつつ、頑張って疑いを晴らしましたよ。


はぁ...マジで学校行かなきゃ良かったよ。
マジで疲れた。


この分だと、卒業式も色々ありそうで、行きたくないんだけど…やっぱり行かなきゃいかんだろうなぁ。


憂鬱だ...ホント。