地球は世界のまんなか…じゃないらしい

こひな

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学生の本分ですよ〜 4

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「結構おっきい家だな」

友達に紹介され2年。個人的に連絡を取り合うようになって、もう1年以上は経っていると思うけど、初めて来た航太の家。



数か月前までは家族と住み、家族がなくなってからはずっと一人だそうだ。

昨日、航太の家の場所を教えてくれた奴が言っていた。





「一人では広すぎだろう」





独り言ちインターホンを鳴らす。

一応、手土産は持ってきたぞ。他人の家に行くのに、手土産は基本だ。

まぁ、日本人の常識だな。見た目は日本人に見えないけどな。





銀色なのか白色なのかぱっと見は判らない髪色に、明らかに日本人ではない体格と彫りの深さ。目の色も微妙にグレーがかっていて、見た目では日本人とは到底言えない。





でも…産まれた時から日本にいるオレは、日本人だ。

言葉だって…英語は苦手…と言うか、多国語が苦手と言った方がいいのか?

それらは、はっきり言ってしまうと苦手分野である。





ついさっきも、英語で話しかけられた。

「あーゆーすぴーくじゃぱにーず?」



道を聞きたかったんだろうおじさんが話しかけてきた。

まぁ…いかにも地元民な格好しているから、地元在住だと思ったんだろうな。

他に人も歩いていなかったし。





ちなみに…「どこに行きたいんですか?」ってめっちゃ日本語で答えてやったよ。。

いじわるじゃないぞ?ちょっとした意趣返しだ。

この地元に住んで18年経つのに、いまだに外人扱いされるのだからいいではないか。

と…オレの勝手な憂さ晴らしだ。



3年間通った学校でさえ「あれ?留学生?」なんて言われることもたまにあり、中高とも、生活指導の先生には、髪を元に戻してこいだの、コンタクトは外してこいだのと言われ続けた。どちらも地の色なのに。





ハーフなんてそろそろ珍しくもないご時世。

子供だって、初めは遠巻きにしていたけど、徐々に遊んでくれるようになった。

近所のおばちゃんだって、普通に接してくれる。





でも、学校だけはダメだった。

中高と先生は違うのに、言ってることはどちらも同じ。

生活指導ってのは何かの教本があるのか?と思ったほどだ。





そんな学校生活を送っていたところに、一石を投じたのが里村航太だ。


最初は友人の友人といった立ち位置だったけど、2年の初めに、生活指導の先生に注意を受けている時に、「先生、そろそろその黒髪主義止めた方がいいよ。第一、カイトのは地毛だし、染めたらそれこそ校則違反だ」と反論してくれた。





あとで、余計な事言ってごめんね…と謝ってくれたけど、うれしかった。

自分の中では諦め案件で疲れていたから、反論してくれる友達が新鮮だった。





我ながらチョロい奴…とは思うけれど、これが航太と距離が近づいた出来事だった。
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