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始めの一歩 5 side:里村航太

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カイト達が転移の魔法陣から異世界へ行った日を含め2日。
地球こっちは、まぁとりあえず何も無し。
 
 
孤児院の職員さんが、ばあちゃんの帰宅の日程を聞きに来たけど、はっきり答えられる訳もなく…とりあえず濁しておいた。
トラブルがなければ、異世界あちら 時間5日位で帰ってくる…予定。
まぁでも、予定は予定で未定って感じだろう。
なんにしろ、カイトのママさん&津村のおばあちゃんは久々の帰省だ。
 
 
時間の流れも、異世界あっち地球こっちでは違うらしいし……。
確か、今回は時間のずれを確認するっても言ってたなぁ~。
とりあえずは無事の帰宅を祈っておこう。
 
 
で…僕は僕で…カイトのママさんが読んでおくようにって置いてったライトノベルってジャンルの小説を読んでいる。
今まで読んだことの無いジャンルの本なので、読み切れるかどうか不安だったけど、わりとすんなり読めた。
感想としては……僕も魔法が使いたいなぁ…である。
 
 
この手のファンタジーは、"できたらいいな"がつまっている。
カイトに聞いたところ、地球こっちは魔法の元になる魔素が極端に少ないんだそうだ。
例外として、パワースポットなんかは豊富らしいけど。
 
 
魔改造したカイトの部屋と、転移部屋には魔石を置いたから、魔素が多いって聞いたけど、ここでは魔法の練習はやっちゃいけない気がする。
ヘマしたら最悪だ。本にも書いてあった。
カイトのママさん……マ…マリアさんが置いていったんだから、全面的に外れた内容ではないだろう…と推測。
 
 
それにしても…マリアさんがエルフで、カイトがシルバーウルフか…。
マリアさんは見た感じは普通の人とあまり変わらずって感じだったなぁ。
それとも、魔素が多い所に行くと、耳が尖っちゃったりすんのかな?
そういえば、この本に書いてあるような、冒険者ギルドなんてのもあるのかな?
ちょっと怖いけど、ダンジョンなんてあったら行ってみたいかも。
多分、魔法があるんだから、魔法が必要な何かはあるんだよね、きっと。
 
 
つらつらと色々考える。
早く帰って来ないかな…。
遠足って…僕にはあまりいい思い出はないけど…きっとみんなが言う、遠足前のワクワク感ってこれなのかも。
そう思ったら、待つのも楽しいかも。
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