地球は世界のまんなか…じゃないらしい

後始末はしっかりね？ ３

ハルトさんは、コーチに少しレクチャーを受け、実践的な練習を１５分ほどこなした後だという。


元々異世界あっちでは剣術、槍術をやっていたと聞いていたので、武術系の基礎的なことを掴むのは早いのだろう。
身体の大きさの違いを有利に使って、小柄なコーチ相手にギリギリ勝てる位にまでなったらしい。


才能ってのもあるんだろうな…と思う。前に言った通り、合気道は相手の力を利用する。
タイミング、呼吸…色々あるけれど、熟練者には早々に勝てない。練習では＂投げさせてもらっている＂事が多く、初心者が勝てるほど甘くはないはず…。
 
 
で…今はトーナメント戦の真っ最中らしい
トーナメント戦と言っても…オレにはハルトさんとの総当たり戦にしか見えないんだけど…。
 
 
おまけにあっという間に大将格の長峰との対戦って、マンガかってくらい早くて、仕掛けたあいつら (学生側)のプライドは崩落寸前。長峰が負けたらどうなるんだって位落ち込んでるんだが、まぁそれも自業自得かもな？
 
 
武道館に入って来た時に、退部したという後輩に会ってちょっと聞いちゃったんだよね。
部活動内での執拗なしごきとか、昨年に至っては田村にわざとケガをさせた経緯を。
 
 
そんな話を聞いてしまった後なので、特にハルトさんに自重をお願いするでもなく、とりあえず応援。まだ、父親がいる実感がなく知人を応援しているくらいにしか思えないのだけれど、自分の知人が強いのはなんだかちょっと誇らしかったりする。
 
 
ちなみに…この試合、ハルトさんの圧勝にて試合終了。
この試合の様子を見ていた観客が、合気道に興味を持ってくれたのと、ハルトさん効果で入部希望者があって、無事部活動として活動できるようになったと、コーチから連絡があった…というか聞いた。
 
 
このあと、なぜか意気投合したコーチとハルトさんは、近所の居酒屋で大宴会を繰り広げていた。
 
 
まぁ、コーチもハルトさんも楽しそうだったから、終わりよければ全てよしって感じか？と一人納得して、久々に自宅のベッドで寝る。
やっぱりここが一番落ち着くなぁと思ったのは内緒だ。


気を抜きすぎてオオカミになってしまい、夏樹にモフモフされまくったのも…内緒…だ。