【完結】異世界召喚されたのはこの俺で間違いない?

苔原りゐ

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水路沿いの温泉へ

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水着を買い揃えた後、俺たちはロイドの勧め通りに、水路沿いの温泉施設へ向かった。その施設は古いけれど趣のある木造建築で、アクアリスの水路に直接つながっていた。温泉の湯は湖の天然水を引いており、澄み切った透明感を誇っている。

そして......混浴だ、他意はない。
てかそもそも水着必須だしな。

「ここが温泉かぁ!」リリはその景色を目にした瞬間、歓声を上げて駆け出した。

「リリ、はしゃぎすぎるなよ。」俺は苦笑しながら声をかけるが、彼女はもう聞いていない。

俺たちはそれぞれ更衣室で水着に着替え、温泉に向かった。リリは浅瀬でしゃがみこみ、お湯を手ですくっては笑顔を浮かべている。その無邪気な姿を見ていると、ここに来てよかったと思わざるを得なかった。

「リリ、本当に楽しそうね。」エリザが微笑みながら言う。

「子どもはこういう場所で思いっきり遊ばせるのが一番だな。」俺は湯に足を浸しながら答えた。

エリザは俺の隣に座り、温泉の湯に手を入れて「気持ちいいわね」と呟いた。彼女は普段の戦闘時の鋭い目つきとは違い、どこか柔らかい表情をしている。

「こういう時間がもっと取れるといいんだがな。」俺が何気なく言うと、エリザは少し驚いたようにこちらを見た。

「珍しいことを言うのね。」

「まあ、リリがこんなに楽しそうなら、そう思うさ。」俺は恥ずかしさを隠すように目をそらして答えた。

エリザは静かに笑い、「そうね、こんな日が続けばいいのに」とぽつりと呟いた。

その後、リリが「おじさん、こっち来て!」と俺に手招きした。俺は仕方なく彼女のいる浅瀬へと向かい、一緒にお湯を掛け合ったりして遊んだ。

「おじさん、もっと本気でやらないと!」リリは笑いながらお湯を掛けてくる。

「リリ、俺を水浸しにする気か?」俺は半ば本気で避けつつも、結局彼女のペースに巻き込まれる。

その間、エリザは岸辺に座り、楽しそうにこちらを見守っていた。彼女の笑顔を見るのは久しぶりだった気がする。

「二人とも、後で湯冷めしないようにね。」エリザは少し母親らしい口調で注意する。

「分かってるって。」俺は笑いながら答えた。

遊び疲れたリリが湯に浸かりながらウトウトし始めた頃、俺たちは温泉から上がり、宿に戻る準備をした。夕焼けに染まるアクアリスの景色が、穏やかな一日の締めくくりを彩っていた。

この一日で、俺たちは少しだけ肩の力を抜けた気がする。明日からの活動に備えるためにも、こうした時間が必要だっただろう。温泉で温まった体と、心に残る穏やかな思い出――それは、この先の試練に向き合うための活力を与えてくれた。
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