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さっきも大事にされて嬉しい、なんて思ってしまったし……。
(もしかして……あれ? あれぇ?)
考えれば考えるほど、じわじわと頰が熱くなっていく。
レオに触れられている部分が熱を持ち、心臓の鼓動が速くなる。
(うそ、でしょ……)
肩口から、ちらりとレオの方を見ると、不意に抱きしめられていた手が解け、顔を上げたレオと目が合う。
ただでさえ熱かった頰が更に熱を持つ。
「っ……」
「リョウ、お前……」
レオが俺の顔を見て一瞬ピシッと固まり、すぐに目を背ける。
「抱かないとは言ったが、抱きたくない訳ではない。俺だって我慢しているんだ。だから、そんな顔するな」
「え、どんな顔……?」
反射で聞き返してしまったが、答えられても俺が恥ずかしくなるやつじゃないかこれ!
「……俺に聞くな」
「ご、ごめん」
何とも気まずい空気が流れる。
すぐ隣に座っているというのに、お互い顔を背けているという謎の状況が生まれている。
「ねえ」
意を決した俺が、重たい沈黙を破りレオに声をかけると、「何だ」と短い返事が返ってくる。
「俺、レオのこと好きかも」
さっき気付いてしまった気持ちをレオに告げる。
「かも」と言ったのは、何というか、ついさっきまでこの気持ちを分かってなかった自分が恥ずかしくなり、その言い訳のようなものだと思って欲しい。
レオはこちら見て一瞬目を見開き、すぐに眉間に皺を寄せた。
「……俺が我慢していると言ったのをもう忘れたのか? 頼むから、冗談でも煽るようなことを言うな」
「ほ、ほんとだって」
「つい先程まで分からないと言っていただろう」
「俺だってさっき気付いたんだもん」
自分でも信じられない状況ではあるが、本当なのだから仕方がない。
「本気か?」
レオが、真剣な眼差しで問いかけてくる。
「うん。俺は、レオが好き」
改めて俺がそう伝えると、レオが嬉しそうに微笑みながらこちらに迫ってくる。
(な、なに!?)
肩を優しく押され、そのままベッドの上に押し倒される。
端正なレオの顔に間近で見下ろされ、恥ずかしさのあまり顔を背けようとするが、レオの手で頰を包まれることにより阻止された。
「嬉しすぎて、どうしていいのか分からない何て初めてだ」
心底幸せそうな表情でそう囁かれる。
「レオの、好きにしていいよ」
「本当にいいのか?」
「うん」
俺が答えると、レオの顔がゆっくりと迫ってくる。瞼を閉じると、唇に暖かなぬくもりを感じた。
ちゅっちゅっとバードキスが繰り返される。
「んっ……」
「リョウ、口を開け」
レオに言われるままに浅く口を開くと、滑るように舌が入ってくる。
頰に添えられていた手が離れ、シーツを握り締めていた俺の手にするりと絡まり、ぎゅっと握られる。
「ふっ……んんっ……」
レオの熱い舌が口内の至る所を舐め回し、思わず声が漏れる。
「は、ぁ……ん」
キスを終え、口の中に残る唾液をごくん、と飲み込む。
レオを見ると、いつもより肌が上気しており、色気が増していた。俺を見つめている瞳は、いつもよりも熱を持っているように感じる。
「するの?」
少し緊張しながら問うと、レオは小さく首を振る。
「……怖いんだろう? 俺に抱いてと言った時、震えていた」
(バレてたのか……)
「急ぐ必要はない。今は、お前が俺のものになっただけで十分だ」
そう言ってレオは俺の額にキスを落とす。
レオの言葉に、俺は本当に大事にされているんだなと改めて感じる。今日はその優しさに甘えさせてもらおう。
きっと、怖くなくなる日もそう遠くないはずだから……。
(もしかして……あれ? あれぇ?)
考えれば考えるほど、じわじわと頰が熱くなっていく。
レオに触れられている部分が熱を持ち、心臓の鼓動が速くなる。
(うそ、でしょ……)
肩口から、ちらりとレオの方を見ると、不意に抱きしめられていた手が解け、顔を上げたレオと目が合う。
ただでさえ熱かった頰が更に熱を持つ。
「っ……」
「リョウ、お前……」
レオが俺の顔を見て一瞬ピシッと固まり、すぐに目を背ける。
「抱かないとは言ったが、抱きたくない訳ではない。俺だって我慢しているんだ。だから、そんな顔するな」
「え、どんな顔……?」
反射で聞き返してしまったが、答えられても俺が恥ずかしくなるやつじゃないかこれ!
「……俺に聞くな」
「ご、ごめん」
何とも気まずい空気が流れる。
すぐ隣に座っているというのに、お互い顔を背けているという謎の状況が生まれている。
「ねえ」
意を決した俺が、重たい沈黙を破りレオに声をかけると、「何だ」と短い返事が返ってくる。
「俺、レオのこと好きかも」
さっき気付いてしまった気持ちをレオに告げる。
「かも」と言ったのは、何というか、ついさっきまでこの気持ちを分かってなかった自分が恥ずかしくなり、その言い訳のようなものだと思って欲しい。
レオはこちら見て一瞬目を見開き、すぐに眉間に皺を寄せた。
「……俺が我慢していると言ったのをもう忘れたのか? 頼むから、冗談でも煽るようなことを言うな」
「ほ、ほんとだって」
「つい先程まで分からないと言っていただろう」
「俺だってさっき気付いたんだもん」
自分でも信じられない状況ではあるが、本当なのだから仕方がない。
「本気か?」
レオが、真剣な眼差しで問いかけてくる。
「うん。俺は、レオが好き」
改めて俺がそう伝えると、レオが嬉しそうに微笑みながらこちらに迫ってくる。
(な、なに!?)
肩を優しく押され、そのままベッドの上に押し倒される。
端正なレオの顔に間近で見下ろされ、恥ずかしさのあまり顔を背けようとするが、レオの手で頰を包まれることにより阻止された。
「嬉しすぎて、どうしていいのか分からない何て初めてだ」
心底幸せそうな表情でそう囁かれる。
「レオの、好きにしていいよ」
「本当にいいのか?」
「うん」
俺が答えると、レオの顔がゆっくりと迫ってくる。瞼を閉じると、唇に暖かなぬくもりを感じた。
ちゅっちゅっとバードキスが繰り返される。
「んっ……」
「リョウ、口を開け」
レオに言われるままに浅く口を開くと、滑るように舌が入ってくる。
頰に添えられていた手が離れ、シーツを握り締めていた俺の手にするりと絡まり、ぎゅっと握られる。
「ふっ……んんっ……」
レオの熱い舌が口内の至る所を舐め回し、思わず声が漏れる。
「は、ぁ……ん」
キスを終え、口の中に残る唾液をごくん、と飲み込む。
レオを見ると、いつもより肌が上気しており、色気が増していた。俺を見つめている瞳は、いつもよりも熱を持っているように感じる。
「するの?」
少し緊張しながら問うと、レオは小さく首を振る。
「……怖いんだろう? 俺に抱いてと言った時、震えていた」
(バレてたのか……)
「急ぐ必要はない。今は、お前が俺のものになっただけで十分だ」
そう言ってレオは俺の額にキスを落とす。
レオの言葉に、俺は本当に大事にされているんだなと改めて感じる。今日はその優しさに甘えさせてもらおう。
きっと、怖くなくなる日もそう遠くないはずだから……。
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