29 / 45
【西の国編】・ 秋桜
しおりを挟む
*******【情景】
大理石の彫刻で美しく飾りたてられた円形花壇。
その向こうにある真っ白な屋敷は、朝陽をうけてキラキラと光っている。
建物の両側にならぶ冬木立の間には、一枚の枯葉も落ちていなかった。
「またですか、フェーリ様!」
2階の一室から女性の甲高い声がとどろいた。
四角い眼鏡のふちに手をそえながら、女性はピカッと目を光らせた。
女性の厳しい視線の先には、数人の侍女に囲まれた1人の若い娘がいる。
豪華な化粧台のまえに立ち、コルセットでその細い躰を後ろから締めあげられながら、平然とした様子でぺらっと紙をめくった。
「何度申し上げねばならないのですか、フェーリ様? お支度の最中にお手紙をよむのおやめください!」
「うん。公の場ではしないから大丈夫よ、モンナ」
青い瞳で文字を追いながら、フェーリはスルッと絹のペチコートに上半身を通した。
「そういう問題ではありません。いいですか、フェーリ様。コンラッド家唯一の息女として、いつ、どこでも、余裕のある立ち振るまいを見せなければなりません」
険しい表情でモンナはフェーリに迫った。
「ええ、わかった。人前でそうするわ」
ガウンを巻きつけられ、キツくひもを結ぶ反動でフェーリの身体は左右に揺れている。
「いつ、どこでもと申し上げたばかりですが、フェーリ様、聞いていますか?」
「ええ、そうね。モンナの言うとおりだわ」
そんな2人のやり取りを微笑ましく眺めながら、背後のふくよかな女性は一滴の涙を流した。
「お嬢様、強くなられました……」
「メルリン、泣く時間があるなら、あなたもフェーリ様に言ってください! いいですか? フェーリ様…ー」
フェーリをたしなめるモンナの声は廊下まで微かに漏れていた。その前をとおる2人の侍女がこそこそと会話を交わしはじめる。
「屋敷に戻ってからお嬢様が随分と変わったわね?」
「ね! 前はあんなに大人しかったのに、最近見かけたら微笑みかけてくるようになって、みんな驚いて声もでないわ」
「ああ、自分なんかにもきたっす! あれは正に女神の微笑み。自分の魂を清めてくれるっす」
門番がそう口を挟んだが、侍女たちは無言で素通りした。
「なにあれ、軽々しく声をかけてくるなんて気持ち悪い。お嬢様がただの番人に微笑みかけるわけないじゃない」
「ね! 身の程知らずめ。もう、平民なんかの話よりさっきの続きよ」
「ええ。お嬢様は昔から恥ずかしがり屋でね、めったに声も出さなかったのに、突然話すようになってすごいビックリしたわ」
「ね! モンナ様は頭を抱えているようだけどね!」
「本当にね。うふ、うふふふふっ!」
と侍女たちが忍び笑いをしていれば、すれ違いざまにドスの利いた声が聞こえてきた。
「無駄口もほどほどにな」
「あっ、セルン様!」
足音をたてないで現れたセルンに、2人はビクッと顔を赤らめた。
「も、申し訳ございません!」
慌てる侍女たちに、セルンは軽く首を横にふった。
「いい。はやく仕事に戻りな」
「は、はいっ!」
と侍女たちは歩く足を速めながら、囁きつづけた。
「いつも素っ気ないけど、やはりセルン様の色気はすごいわね」
「ねぇねぇ、知ってた? セルン様はもともと子爵家出身だけど、ガールド家の養子になったのよ」
「武家派閥のよね、知ってたわ!」
「それで王国騎…ー」
「ふく…ー」
チラチラと振りむく2人をみて、セルンはフッと息をついた。
「なんなんだ、あの態度は! たかが男爵家のくせに、ひっでぇな」
激昂する門番に、セルンは少し乾いた笑いを浮かべる。
「まあ、男爵家でも一応貴族令嬢だからな。そりゃ平民の護衛に興味はねぇよ」
「でもお嬢様はマジで自分に微笑みかけたのに……。セルンさんも見たっすよね?」
「まあ、お嬢は誰にでも微笑みかけるからな。それはそれで厄介──」
「──コンラッド家の令嬢が、っすよ、セルンさん? それなのに、侍女たちは自分ら平民を見下して!」
かぶせるように声をあげた門番の肩を軽く叩き、セルンが肩をすくめた。
「お嬢が特別だからだ。普通の令嬢はみんなそうじゃねぇから、気にすんな」
「はぁ……。セルンさんはいいっすよぉ。貴族で、強いし、顔もいいし。侍女たちはセルンさんにメロメロで、羨ましいっす……」
「ろくに会話も交わしたことねぇのに、メロメロって言われてもな。あれはオレにじゃなくて、爵位と肩書きに惚れてるだけだ」
とセルンが冷たくそう答えれば、門番はムッとしてからコクコクとうなずいた。
「貴族の余裕ってやつっすね。あ、でもそうっすよなー。セルンさんは基本、お嬢様にくっついてるっすから、これはしゃーないっすね。あの天使のような顔を見なれたら普通の女はどーでもよくなるっす」
「いや、顔だけじゃねぇだろ」
呆れ顔のセルンに、門番は熱く両手のこぶしを握った。
「でも自分がセルンさんなら遠慮なく片っ端から──っイッテ!」
「さっきの怒りはどこへ行った、おい。ふざけたこと言ってねぇで仕事しろ」
「してるっす、いましてるっす! 自分門番──ってイッテェ」
「口ごたえすんな」
「セルンさんひどいっす、ガールド家だからってあー! すいませんっす!」
頭を抱える門番に、セルンはゲンコツを空中で止めた。
「そろそろお嬢も支度を終える頃だろ。オレが待つから、お前は馬車のまえで待て」
「そういや、今日がお嬢様の出立の日っすよね」
「ああ。長旅になるから、あまりオレの馬を疲れさせるなって馬丁に伝えてくれ」
「いいなー、セルンさんはいつもお嬢様のそばにいられて。あー、またしばらくお嬢様の顔が見られなくなるの寂しいっす、って、ハイッ! 今いくっす!」
セルンが固い拳を上げてきたのをみて、門番がせっせと走っていった。
そうして数十分の静寂ののち、把手をまわす音がわずかに響いたのだ。
そこから現れた人物を目にして、セルンは満面の笑みをたたえた。
大理石の彫刻で美しく飾りたてられた円形花壇。
その向こうにある真っ白な屋敷は、朝陽をうけてキラキラと光っている。
建物の両側にならぶ冬木立の間には、一枚の枯葉も落ちていなかった。
「またですか、フェーリ様!」
2階の一室から女性の甲高い声がとどろいた。
四角い眼鏡のふちに手をそえながら、女性はピカッと目を光らせた。
女性の厳しい視線の先には、数人の侍女に囲まれた1人の若い娘がいる。
豪華な化粧台のまえに立ち、コルセットでその細い躰を後ろから締めあげられながら、平然とした様子でぺらっと紙をめくった。
「何度申し上げねばならないのですか、フェーリ様? お支度の最中にお手紙をよむのおやめください!」
「うん。公の場ではしないから大丈夫よ、モンナ」
青い瞳で文字を追いながら、フェーリはスルッと絹のペチコートに上半身を通した。
「そういう問題ではありません。いいですか、フェーリ様。コンラッド家唯一の息女として、いつ、どこでも、余裕のある立ち振るまいを見せなければなりません」
険しい表情でモンナはフェーリに迫った。
「ええ、わかった。人前でそうするわ」
ガウンを巻きつけられ、キツくひもを結ぶ反動でフェーリの身体は左右に揺れている。
「いつ、どこでもと申し上げたばかりですが、フェーリ様、聞いていますか?」
「ええ、そうね。モンナの言うとおりだわ」
そんな2人のやり取りを微笑ましく眺めながら、背後のふくよかな女性は一滴の涙を流した。
「お嬢様、強くなられました……」
「メルリン、泣く時間があるなら、あなたもフェーリ様に言ってください! いいですか? フェーリ様…ー」
フェーリをたしなめるモンナの声は廊下まで微かに漏れていた。その前をとおる2人の侍女がこそこそと会話を交わしはじめる。
「屋敷に戻ってからお嬢様が随分と変わったわね?」
「ね! 前はあんなに大人しかったのに、最近見かけたら微笑みかけてくるようになって、みんな驚いて声もでないわ」
「ああ、自分なんかにもきたっす! あれは正に女神の微笑み。自分の魂を清めてくれるっす」
門番がそう口を挟んだが、侍女たちは無言で素通りした。
「なにあれ、軽々しく声をかけてくるなんて気持ち悪い。お嬢様がただの番人に微笑みかけるわけないじゃない」
「ね! 身の程知らずめ。もう、平民なんかの話よりさっきの続きよ」
「ええ。お嬢様は昔から恥ずかしがり屋でね、めったに声も出さなかったのに、突然話すようになってすごいビックリしたわ」
「ね! モンナ様は頭を抱えているようだけどね!」
「本当にね。うふ、うふふふふっ!」
と侍女たちが忍び笑いをしていれば、すれ違いざまにドスの利いた声が聞こえてきた。
「無駄口もほどほどにな」
「あっ、セルン様!」
足音をたてないで現れたセルンに、2人はビクッと顔を赤らめた。
「も、申し訳ございません!」
慌てる侍女たちに、セルンは軽く首を横にふった。
「いい。はやく仕事に戻りな」
「は、はいっ!」
と侍女たちは歩く足を速めながら、囁きつづけた。
「いつも素っ気ないけど、やはりセルン様の色気はすごいわね」
「ねぇねぇ、知ってた? セルン様はもともと子爵家出身だけど、ガールド家の養子になったのよ」
「武家派閥のよね、知ってたわ!」
「それで王国騎…ー」
「ふく…ー」
チラチラと振りむく2人をみて、セルンはフッと息をついた。
「なんなんだ、あの態度は! たかが男爵家のくせに、ひっでぇな」
激昂する門番に、セルンは少し乾いた笑いを浮かべる。
「まあ、男爵家でも一応貴族令嬢だからな。そりゃ平民の護衛に興味はねぇよ」
「でもお嬢様はマジで自分に微笑みかけたのに……。セルンさんも見たっすよね?」
「まあ、お嬢は誰にでも微笑みかけるからな。それはそれで厄介──」
「──コンラッド家の令嬢が、っすよ、セルンさん? それなのに、侍女たちは自分ら平民を見下して!」
かぶせるように声をあげた門番の肩を軽く叩き、セルンが肩をすくめた。
「お嬢が特別だからだ。普通の令嬢はみんなそうじゃねぇから、気にすんな」
「はぁ……。セルンさんはいいっすよぉ。貴族で、強いし、顔もいいし。侍女たちはセルンさんにメロメロで、羨ましいっす……」
「ろくに会話も交わしたことねぇのに、メロメロって言われてもな。あれはオレにじゃなくて、爵位と肩書きに惚れてるだけだ」
とセルンが冷たくそう答えれば、門番はムッとしてからコクコクとうなずいた。
「貴族の余裕ってやつっすね。あ、でもそうっすよなー。セルンさんは基本、お嬢様にくっついてるっすから、これはしゃーないっすね。あの天使のような顔を見なれたら普通の女はどーでもよくなるっす」
「いや、顔だけじゃねぇだろ」
呆れ顔のセルンに、門番は熱く両手のこぶしを握った。
「でも自分がセルンさんなら遠慮なく片っ端から──っイッテ!」
「さっきの怒りはどこへ行った、おい。ふざけたこと言ってねぇで仕事しろ」
「してるっす、いましてるっす! 自分門番──ってイッテェ」
「口ごたえすんな」
「セルンさんひどいっす、ガールド家だからってあー! すいませんっす!」
頭を抱える門番に、セルンはゲンコツを空中で止めた。
「そろそろお嬢も支度を終える頃だろ。オレが待つから、お前は馬車のまえで待て」
「そういや、今日がお嬢様の出立の日っすよね」
「ああ。長旅になるから、あまりオレの馬を疲れさせるなって馬丁に伝えてくれ」
「いいなー、セルンさんはいつもお嬢様のそばにいられて。あー、またしばらくお嬢様の顔が見られなくなるの寂しいっす、って、ハイッ! 今いくっす!」
セルンが固い拳を上げてきたのをみて、門番がせっせと走っていった。
そうして数十分の静寂ののち、把手をまわす音がわずかに響いたのだ。
そこから現れた人物を目にして、セルンは満面の笑みをたたえた。
0
あなたにおすすめの小説
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
困りました。縦ロールにさよならしたら、逆ハーになりそうです。
新 星緒
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢アニエス(悪質ストーカー)に転生したと気づいたけれど、心配ないよね。だってフラグ折りまくってハピエンが定番だもの。
趣味の悪い縦ロールはやめて性格改善して、ストーカーしなければ楽勝楽勝!
……って、あれ?
楽勝ではあるけれど、なんだか思っていたのとは違うような。
想定外の逆ハーレムを解消するため、イケメンモブの大公令息リュシアンと協力関係を結んでみた。だけどリュシアンは、「惚れた」と言ったり「からかっただけ」と言ったり、意地悪ばかり。嫌なヤツ!
でも実はリュシアンは訳ありらしく……
(第18回恋愛大賞で奨励賞をいただきました。応援してくださった皆様、ありがとうございました!)
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について
えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。
しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。
その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。
死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。
戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる