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第十一章
侵入者(天竜過去編)
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彼女は、カプセルの中で意識を失った状態で発見されたらしい。そして、救急隊員が出た直後、エアロック周辺は閉鎖された。
カプセルから微量の放射線が検出されたためらしい。
当然のことながら、野次馬をしていた僕達も被曝した可能性があるため、医療室へ連行され、検査を受ける羽目になったのだ。
「ええ!? 夢であの子を見た」
楊さんが僕の夢の話を聞いて目を丸くしたのは、医療室でホールボディカウンターの順番待ちをしている時の事。
「はっきりと分からないけど、でもあの女の子と似ていた」
「予知夢という奴かしら?」
「楊さん。こんな話、信じるの?」
「少なくとも、白龍君は嘘を付いてはいないと思うわ。でも、人の記憶と言うのは曖昧なのよ。とくに夢の記憶はすぐに消えてしまう。君は初対面の女の子を見て、夢の女の子と同じ顔と思い込んでしまったけど、実際は違う顔だったかもしれない」
「そうかな?」
「でも、やはり予知夢かもしれない」
「どっちなの?」
「分からない。ただ、私は超常現象を完全否定はしない。しかし、超常現象は見間違いや勘違いが多いのも事実。君の見た夢を、予知夢と決めつけない方が良い」
ううん……よく分からない。
「楊 美雨さん。お待たせしました」
看護師に呼ばれて、楊さんは席を立った。
「じゃあ、白龍君。また後で」
やはり、僕の思い違いだったのかな?
よし、夢で見た女の子のイメージを思い出してみよう。
透き通るように肌が白くて、肩の辺りで切りそろえた金髪で、目は青くて……あとは……どんなんだっけ?
あ!
ちょうど今、僕の目の前を通り過ぎた女の子。あんな感じの女の子だった……え?
振り返ると、女の子は通路へ出て行くところだった。
今の女の子?
「章 白龍さん。お待たせしました」
看護師さんが僕を呼びに来た。
「あの……今……」
「さあ、急いでください。後が閊えているのだから」
「いや……でも……」
看護師さんは僕の話に耳など貸さず、僕をホールボディカウンターに押し込める。
検査は五分ほどで終わった。結果は異状なし。しかし僕がホールボディカウンターから出た時、ちょっとした騒ぎになっていた。
病室にいた女の子が、姿を消していたのだ。
だから言ったのに……
カプセルから微量の放射線が検出されたためらしい。
当然のことながら、野次馬をしていた僕達も被曝した可能性があるため、医療室へ連行され、検査を受ける羽目になったのだ。
「ええ!? 夢であの子を見た」
楊さんが僕の夢の話を聞いて目を丸くしたのは、医療室でホールボディカウンターの順番待ちをしている時の事。
「はっきりと分からないけど、でもあの女の子と似ていた」
「予知夢という奴かしら?」
「楊さん。こんな話、信じるの?」
「少なくとも、白龍君は嘘を付いてはいないと思うわ。でも、人の記憶と言うのは曖昧なのよ。とくに夢の記憶はすぐに消えてしまう。君は初対面の女の子を見て、夢の女の子と同じ顔と思い込んでしまったけど、実際は違う顔だったかもしれない」
「そうかな?」
「でも、やはり予知夢かもしれない」
「どっちなの?」
「分からない。ただ、私は超常現象を完全否定はしない。しかし、超常現象は見間違いや勘違いが多いのも事実。君の見た夢を、予知夢と決めつけない方が良い」
ううん……よく分からない。
「楊 美雨さん。お待たせしました」
看護師に呼ばれて、楊さんは席を立った。
「じゃあ、白龍君。また後で」
やはり、僕の思い違いだったのかな?
よし、夢で見た女の子のイメージを思い出してみよう。
透き通るように肌が白くて、肩の辺りで切りそろえた金髪で、目は青くて……あとは……どんなんだっけ?
あ!
ちょうど今、僕の目の前を通り過ぎた女の子。あんな感じの女の子だった……え?
振り返ると、女の子は通路へ出て行くところだった。
今の女の子?
「章 白龍さん。お待たせしました」
看護師さんが僕を呼びに来た。
「あの……今……」
「さあ、急いでください。後が閊えているのだから」
「いや……でも……」
看護師さんは僕の話に耳など貸さず、僕をホールボディカウンターに押し込める。
検査は五分ほどで終わった。結果は異状なし。しかし僕がホールボディカウンターから出た時、ちょっとした騒ぎになっていた。
病室にいた女の子が、姿を消していたのだ。
だから言ったのに……
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