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第十一章

侵入者2(天竜過去編)

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「それは酷いわね」

 僕は楊さんと並んで、シャトルへ繋がる通路を歩いていた。この通路は、重力制御が利いているので普通に歩けるのだ。

 理不尽だ。あの後、女の子が通路に出て行った事を看護師さんに話したら、『なんで、その時に言わなかった』と怒られてしまった。

「白龍君は、看護師さんに言おうとしたのに聞いてくれなかったのよね」
「そうだよ。それなのに僕が悪いみたいに……」
「たぶん、その看護師さん。気が付いていたと思うわ」
「え? どういう事?」
「つまりね、『女の子なら通路へ出て行った』と白龍君が看護師さんに言ったときに『あ! この子さっき何か言おうとしていた。ヤバイ! こいつ黙らせないと、私が怒られる』と考えて、白龍君を悪役に仕立てたのよ」
「ひどいよ! そんなの!」
「ひどいわね。でも、そういう汚い大人って多いの。覚えておきなさい」

 なんか納得できない。

 僕達はシャトルの中に入った。《天竜》には元々、七十人が居住できるスペースがある。
 このシャトルは、あぶれた三十人を収容するために作られた。狭いけど、貨物室を間仕切りして個室を確保してもらっている。
 惑星に降りることになったら、この間仕切りは取っ払って、座席を付けて百人乗せる事になっていた。

 僕の部屋101号室の前で、楊さんと別れた。

 部屋の中は、机とベッドがあるだけ。寝に帰るだけの部屋だ。
 さて、疲れたし、ひと眠りしよう。

 おやすみなさ……ん? なんだ? この暖かくて柔らかい感触は……
 
「*$%&#+?」

 え?

「うわわわ! ごめんなさい! 部屋間違えました」

 危ない! 危ない! ベッドの中に女の子が寝ていたよ。
 僕、逮捕かな? いや……船の中に警察はないか。

 ……けど、保安部があるし……

 ん? 部屋の番号は101。僕の部屋だよな。

 じゃあ、ベッドの中にいたのは誰?

「白龍君。どうしたの?」

 隣の102号室の扉が開いて、楊さんが出てくる。

「楊さん。僕、逮捕されちゃうのかな?」
「え?」
「ベッドの中に、女の子がいて……」

 話を聞いた楊さんは……

「落ち着きなさい。それ白龍君が悪いのじゃないから。その女の子のやっている事の方が不法侵入よ」
「そうなの?」
「とにかく、私が追い出してあげるわ」

 楊さんは僕の部屋へ入っていった。僕もその後に続く。
 楊さんはベッドの毛布をまくり上げる。

「ちょっと、あなたねえ……え?」

 え?

 そこにいたのは、医療室から姿を消した女の子だった。
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