410 / 897
第十二章
ナンモ解放戦線
しおりを挟む
僕とPちゃん、ミール、芽依ちゃん、ミク、キラそしてアーニャの七人は町役場へ入っていった。
馬 美玲とレイホー、ミーチャには潜水艦で待機してもらっていた。
案内された町長の執務室は、二十畳ぐらいの広さの部屋。床はふかふかの絨毯が敷き詰められている。
「わーい! フカフカ!」
部屋に入るなり、ミクが絨毯の上を転がり出した。
やめんか! みっともない!
慌ててミクの襟首を掴んで、猫のようにつまみ上げた。
「にゃおおおん!」
猫化するな! ハッ!
見ると、町長達ロータスの代表者六名が、呆気に取られて僕とミクの様子を見ていた。
「すみません。お見苦しいところを……」
そのまま全員絨毯の上で、車座になって座る。
ロータスでは……というより、南方ナーモ族の国々では、日本と同じで履き物を脱いで床に座るのが一般的らしい。
アーニャはカルカ暮らしが長いので慣れているようだが、キラにはちょっと辛いのでないか……と思ったがそうでもなかった。
キラは胡座どころか、僕にもできない結跏趺坐をしている。ミールの下で修行している間に慣れたのだな。
全員揃ったところで町長が口を開いた。
「それでは会議を始めます。ただし、時間がないので一時間で打ち切ります」
「異存はありません」
そう言ったのは、僕ではなくてアーニャ。こういう交渉事は、コミュ障の僕や芽依ちゃんには向かない。
「それではまず、ロータス救援に対する謝礼の件ですが、昨日そちらの方から……」
そう言って僕を指さす。
「カルカ艦隊への食料補給との事でしたが、それだけでよろしいのでしょうか? もう少し色を付けても……」
「それでは帝国語の分かる奴隷を、何名か付けてもらえますか?」
奴隷? カルカでは奴隷制度はなかったはず……
「二名でどうでしょう?」
「良いでしょう」
そう言って、アーニャは僕の方を向く。
「奴隷は、我々に引き渡されると同時に自由の身になります」
そういう事か。
アーニャは町長の方を向き直った。
「謝礼の件はそれでいいとして、いくつか聞きたい事があります」
「何でしょう?」
「今日の昼に、盗賊団の侵攻があることはこちらが掴んだ情報ですが、ロータスではかなり前から、盗賊団の侵攻を予測していましたね。どうして分かったのです?」
「我がロータスの諜報機関が、それだけ優秀だという事です」
「本当にそれだけですか?」
「疑うのですか?」
「盗賊団五千がロータスに迫っていることは、我々も偵察ドローンで確認しています。しかし、これだけの大部隊がいきなり攻めてくるとは考えにくい。何か要求を突きつけられて、拒んでいるのではないのですか?」
ロータス側がざわめいた。
男性議員らしき男が、町長に詰め寄る。
「町長。やはり何か要求があったのか?」
「それは……」
町長は言葉に詰まる。
どうやら、町長も隠していたことがあったようだ。
アーニャは男性議員の方に話しかける。
「それではあなたにお聞きしますが、我々が盗賊団と言っている武装集団の正式名称はなんですか?」
「確か、ナンモ解放戦線とか言っていたが……」
ナンモ解放戦線?
馬 美玲とレイホー、ミーチャには潜水艦で待機してもらっていた。
案内された町長の執務室は、二十畳ぐらいの広さの部屋。床はふかふかの絨毯が敷き詰められている。
「わーい! フカフカ!」
部屋に入るなり、ミクが絨毯の上を転がり出した。
やめんか! みっともない!
慌ててミクの襟首を掴んで、猫のようにつまみ上げた。
「にゃおおおん!」
猫化するな! ハッ!
見ると、町長達ロータスの代表者六名が、呆気に取られて僕とミクの様子を見ていた。
「すみません。お見苦しいところを……」
そのまま全員絨毯の上で、車座になって座る。
ロータスでは……というより、南方ナーモ族の国々では、日本と同じで履き物を脱いで床に座るのが一般的らしい。
アーニャはカルカ暮らしが長いので慣れているようだが、キラにはちょっと辛いのでないか……と思ったがそうでもなかった。
キラは胡座どころか、僕にもできない結跏趺坐をしている。ミールの下で修行している間に慣れたのだな。
全員揃ったところで町長が口を開いた。
「それでは会議を始めます。ただし、時間がないので一時間で打ち切ります」
「異存はありません」
そう言ったのは、僕ではなくてアーニャ。こういう交渉事は、コミュ障の僕や芽依ちゃんには向かない。
「それではまず、ロータス救援に対する謝礼の件ですが、昨日そちらの方から……」
そう言って僕を指さす。
「カルカ艦隊への食料補給との事でしたが、それだけでよろしいのでしょうか? もう少し色を付けても……」
「それでは帝国語の分かる奴隷を、何名か付けてもらえますか?」
奴隷? カルカでは奴隷制度はなかったはず……
「二名でどうでしょう?」
「良いでしょう」
そう言って、アーニャは僕の方を向く。
「奴隷は、我々に引き渡されると同時に自由の身になります」
そういう事か。
アーニャは町長の方を向き直った。
「謝礼の件はそれでいいとして、いくつか聞きたい事があります」
「何でしょう?」
「今日の昼に、盗賊団の侵攻があることはこちらが掴んだ情報ですが、ロータスではかなり前から、盗賊団の侵攻を予測していましたね。どうして分かったのです?」
「我がロータスの諜報機関が、それだけ優秀だという事です」
「本当にそれだけですか?」
「疑うのですか?」
「盗賊団五千がロータスに迫っていることは、我々も偵察ドローンで確認しています。しかし、これだけの大部隊がいきなり攻めてくるとは考えにくい。何か要求を突きつけられて、拒んでいるのではないのですか?」
ロータス側がざわめいた。
男性議員らしき男が、町長に詰め寄る。
「町長。やはり何か要求があったのか?」
「それは……」
町長は言葉に詰まる。
どうやら、町長も隠していたことがあったようだ。
アーニャは男性議員の方に話しかける。
「それではあなたにお聞きしますが、我々が盗賊団と言っている武装集団の正式名称はなんですか?」
「確か、ナンモ解放戦線とか言っていたが……」
ナンモ解放戦線?
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる