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呪殺師は可愛い男の子が好き
昇降口
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まだ登校するには、少し早い時間。
朝日の差し込む昇降口から、赤いフレームのメガネをかけたおさげ髪の女子生徒が入ってきた。
制服もうちの高校の物で、特に怪しいところはない。
ただ、行動が若干怪しかった。
下駄箱付近に来たとき、彼女は周囲をキョロキョロと見回す。
何かを警戒するかのように……
しかし、普段は廊下には置かれていない、人が隠れるのにはちょうど良い大きさの段ボール箱が二つあることについては、特に怪しまなかったようだ。
周囲に誰もいない事を確認すると、彼女はポケットから一通の封筒を取り出し、一つの下駄箱の前に立つ。
彼女が手を伸ばしたのは、明らかに僕の下駄箱だった。
蓋を開く。
その直後、彼女は下駄箱の中を見て驚き、背後に飛び退き悲鳴を上げる。
その悲鳴は……
「チュー!」
はい、確定! ネズ子だな。
簀子の上にへたり込んで怯えている女子生徒の頭には、さっきまでは無かったはずの、絵に描こうものなら著作権法違反で訴えられること確実な某アニメキャラを思わせるネズミ耳があった。
スカートからは、ネズミの尻尾が延びている。
ちなみに下駄箱の中には、普通の女の子が怖がるような物は入っていない。
むしろ、喜んで抱きしめたくなるような存在がいた。
「ニャオ」
下駄箱から飛び出して来たのは、一匹の三毛猫。
学校によく遊びに来る猫を、僕の下駄箱に入れておいたのだ。
その時になって、隠れていた段ボール箱から出てきた僕と樒は、ネズ子の元に駆け寄る。
「チュー! 優樹君。それに樒ちゃん。計ったでちゅね」
樒はネズ子の腕を捕まえる。
「やっぱり、優樹の下駄箱に毎日ラブレターを入れていたのは、あんただったのね。ネズ子」
「なんで分かったでちゅ?」
「簡単よ。手紙には度々、優樹の事を『優樹キュン』と書いてあった。そして、昨夜ヒョーは優樹の事を『優樹キュン』と呼んでいた。うちの学校や霊能者協会に、優樹に『キュン』と付けて呼ぶような人はいないわよ」
僕はネズ子に顔を近づけた。
「ネズ子さん。ヒョーさんに伝えて下さい。下駄箱に手紙を入れるのは、もう止めて下さいと」
「迷惑だったでちゅか?」
「迷惑です。ていうか、キモいです」
「優樹君。今の『キモい』は非道いでちゅ。あたしの耳を通じて聞いていた主がショックを受けています。それこそ頭の上に、『ガーン!』という文字が出るくらいに」
「え? それは言い過ぎたかな。でも、本当に止めてほしいんです」
「優樹。言い過ぎじゃないわよ。だいたいヒョーって、何歳よ?」
「主の年齢は秘密でちゅ」
「それでも、十六歳の優樹にちょっかいを出していい歳じゃないわよね?」
「愛に年齢は、関係ないでちゅ」
「優樹の気持ちを無視して、一方的に思っているだけでしょ」
「チュー。主から伝言でちゅ。優樹君の事は諦めると言ってまちゅ。今回の手紙には、今までの謝罪が書いてあるのでちゅ」
「え? そうなの?」
「だから、これだけは読んでほしいでちゅ」
僕はネズ子から封筒を受け取った。
朝日の差し込む昇降口から、赤いフレームのメガネをかけたおさげ髪の女子生徒が入ってきた。
制服もうちの高校の物で、特に怪しいところはない。
ただ、行動が若干怪しかった。
下駄箱付近に来たとき、彼女は周囲をキョロキョロと見回す。
何かを警戒するかのように……
しかし、普段は廊下には置かれていない、人が隠れるのにはちょうど良い大きさの段ボール箱が二つあることについては、特に怪しまなかったようだ。
周囲に誰もいない事を確認すると、彼女はポケットから一通の封筒を取り出し、一つの下駄箱の前に立つ。
彼女が手を伸ばしたのは、明らかに僕の下駄箱だった。
蓋を開く。
その直後、彼女は下駄箱の中を見て驚き、背後に飛び退き悲鳴を上げる。
その悲鳴は……
「チュー!」
はい、確定! ネズ子だな。
簀子の上にへたり込んで怯えている女子生徒の頭には、さっきまでは無かったはずの、絵に描こうものなら著作権法違反で訴えられること確実な某アニメキャラを思わせるネズミ耳があった。
スカートからは、ネズミの尻尾が延びている。
ちなみに下駄箱の中には、普通の女の子が怖がるような物は入っていない。
むしろ、喜んで抱きしめたくなるような存在がいた。
「ニャオ」
下駄箱から飛び出して来たのは、一匹の三毛猫。
学校によく遊びに来る猫を、僕の下駄箱に入れておいたのだ。
その時になって、隠れていた段ボール箱から出てきた僕と樒は、ネズ子の元に駆け寄る。
「チュー! 優樹君。それに樒ちゃん。計ったでちゅね」
樒はネズ子の腕を捕まえる。
「やっぱり、優樹の下駄箱に毎日ラブレターを入れていたのは、あんただったのね。ネズ子」
「なんで分かったでちゅ?」
「簡単よ。手紙には度々、優樹の事を『優樹キュン』と書いてあった。そして、昨夜ヒョーは優樹の事を『優樹キュン』と呼んでいた。うちの学校や霊能者協会に、優樹に『キュン』と付けて呼ぶような人はいないわよ」
僕はネズ子に顔を近づけた。
「ネズ子さん。ヒョーさんに伝えて下さい。下駄箱に手紙を入れるのは、もう止めて下さいと」
「迷惑だったでちゅか?」
「迷惑です。ていうか、キモいです」
「優樹君。今の『キモい』は非道いでちゅ。あたしの耳を通じて聞いていた主がショックを受けています。それこそ頭の上に、『ガーン!』という文字が出るくらいに」
「え? それは言い過ぎたかな。でも、本当に止めてほしいんです」
「優樹。言い過ぎじゃないわよ。だいたいヒョーって、何歳よ?」
「主の年齢は秘密でちゅ」
「それでも、十六歳の優樹にちょっかいを出していい歳じゃないわよね?」
「愛に年齢は、関係ないでちゅ」
「優樹の気持ちを無視して、一方的に思っているだけでしょ」
「チュー。主から伝言でちゅ。優樹君の事は諦めると言ってまちゅ。今回の手紙には、今までの謝罪が書いてあるのでちゅ」
「え? そうなの?」
「だから、これだけは読んでほしいでちゅ」
僕はネズ子から封筒を受け取った。
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