171 / 315
事故物件2
ファミレス2
しおりを挟む
ん? 不意に魔入さんが僕の横に移動してきて耳元に囁いた。
樒と氷室先生は言い争いに夢中で気がついていないようだ。
「ところで知っているかしら? 前回の番組で君の女装姿を見た人達の中に『あの美少女は何者?』と特定しようとしている人達がいるって」
「初耳です。でも、特定される事はないでしょう」
「そうかしら? 特定厨という人達の力を、侮らない方がいいわよ」
ピク!
いや……大丈夫だよ。特定厨だって、なんの手がかりもなしに……
「まあ、君がどうしてもイヤだというなら仕方ないわね」
諦めてくれましたか。
「でも、もし番組の視聴率が下がって打ち切りになっちゃったりしたら……」
知ったこっちゃないです。
「もしそうなったら、路頭に迷った番組関係者の誰かが、秘密を特定厨に漏らしてしまうかも……」
結局、脅迫かい!
僕には、この仕事を断る選択肢は最初から用意されていなかった。
「いいでしょう。仕事は引き受けます。だけどどうしても、女装しなきゃダメですか? ディレクターさんも『もうモザイクは外しません』と一筆書いてくれたのに」
「だってねえ、前回の女装で視聴率がすごい上がちゃってね。次も、あの可愛い霊能者を出せと視聴者からの希望が殺到しているのよ」
「実は男だったってばれたら、視聴者からの怒りを買いますよ」
「大丈夫。ばれないから」
特定厨を侮るなって言ったのはあんたでしょ!
「優樹」
いつの間に言い争いが終わったのか、樒と氷室先生も僕の方を見ていた。
「仮に女装がばれても、余計に人気出るかもよ」
人気なんか出なくていい! 女装趣味の変態と思われるのがイヤなんだよ!
「先生! なんとか言って下さい」
「社君。女装はつらいの?」
「つらい……ていうか、恥ずかしいです」
「そう。でも、君はこの仕事を一度引き受けたのよ。一度、引き受けた仕事をわがままに放り出していいの? そんな事では、君はいつまでたっても子供よ」
「子供!」
女装はイヤだけど、わがまま言っていたら先生に嫌われるかな?
「分かりました。恥ずかしいけど……引き受けます」
「はい。よく言えました。社君、偉いわよ」
「先生。今、優樹に良いこと言ったように聞こえたけど、本音は『見たい! 優樹キュンの女装見たい!』とでも思っているのでしょう?」
「思ってません!」
そして次の日曜日、僕は魔入さんの指定した物件へと向かった。
樒と氷室先生は言い争いに夢中で気がついていないようだ。
「ところで知っているかしら? 前回の番組で君の女装姿を見た人達の中に『あの美少女は何者?』と特定しようとしている人達がいるって」
「初耳です。でも、特定される事はないでしょう」
「そうかしら? 特定厨という人達の力を、侮らない方がいいわよ」
ピク!
いや……大丈夫だよ。特定厨だって、なんの手がかりもなしに……
「まあ、君がどうしてもイヤだというなら仕方ないわね」
諦めてくれましたか。
「でも、もし番組の視聴率が下がって打ち切りになっちゃったりしたら……」
知ったこっちゃないです。
「もしそうなったら、路頭に迷った番組関係者の誰かが、秘密を特定厨に漏らしてしまうかも……」
結局、脅迫かい!
僕には、この仕事を断る選択肢は最初から用意されていなかった。
「いいでしょう。仕事は引き受けます。だけどどうしても、女装しなきゃダメですか? ディレクターさんも『もうモザイクは外しません』と一筆書いてくれたのに」
「だってねえ、前回の女装で視聴率がすごい上がちゃってね。次も、あの可愛い霊能者を出せと視聴者からの希望が殺到しているのよ」
「実は男だったってばれたら、視聴者からの怒りを買いますよ」
「大丈夫。ばれないから」
特定厨を侮るなって言ったのはあんたでしょ!
「優樹」
いつの間に言い争いが終わったのか、樒と氷室先生も僕の方を見ていた。
「仮に女装がばれても、余計に人気出るかもよ」
人気なんか出なくていい! 女装趣味の変態と思われるのがイヤなんだよ!
「先生! なんとか言って下さい」
「社君。女装はつらいの?」
「つらい……ていうか、恥ずかしいです」
「そう。でも、君はこの仕事を一度引き受けたのよ。一度、引き受けた仕事をわがままに放り出していいの? そんな事では、君はいつまでたっても子供よ」
「子供!」
女装はイヤだけど、わがまま言っていたら先生に嫌われるかな?
「分かりました。恥ずかしいけど……引き受けます」
「はい。よく言えました。社君、偉いわよ」
「先生。今、優樹に良いこと言ったように聞こえたけど、本音は『見たい! 優樹キュンの女装見たい!』とでも思っているのでしょう?」
「思ってません!」
そして次の日曜日、僕は魔入さんの指定した物件へと向かった。
0
あなたにおすすめの小説
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!
オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ランの父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリーだった。
ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。
学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。
当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。
同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。
ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。
そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。
まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。
その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。
こうしてジュリーとの同居が決まった。
しかもジュリーの母親、エリカも現われ、ランの家は賑やかになった。
美人生徒会長は、俺の料理の虜です!~二人きりで過ごす美味しい時間~
root-M
青春
高校一年生の三ツ瀬豪は、入学早々ぼっちになってしまい、昼休みは空き教室で一人寂しく弁当を食べる日々を過ごしていた。
そんなある日、豪の前に目を見張るほどの美人生徒が現れる。彼女は、生徒会長の巴あきら。豪のぼっちを察したあきらは、「一緒に昼食を食べよう」と豪を生徒会室へ誘う。
すると、あきらは豪の手作り弁当に強い興味を示し、卵焼きを食べたことで豪の料理にハマってしまう。一方の豪も、自分の料理を絶賛してもらえたことが嬉しくて仕方ない。
それから二人は、毎日生徒会室でお昼ご飯を食べながら、互いのことを語り合い、ゆっくり親交を深めていく。家庭の味に飢えているあきらは、豪の作るおかずを実に幸せそうに食べてくれるのだった。
やがて、あきらの要求はどんどん過激(?)になっていく。「わたしにもお弁当を作って欲しい」「お弁当以外の料理も食べてみたい」「ゴウくんのおうちに行ってもいい?」
美人生徒会長の頼み、断れるわけがない!
でも、この生徒会、なにかちょっとおかしいような……。
※時代設定は2018年頃。お米も卵も今よりずっと安価です。
※他のサイトにも投稿しています。
イラスト:siroma様
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる