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9章
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櫻野英司に初めて会ったのは俺が大学を卒業する年に開いた俺の写真展だった。
とは言ってもあとから聞くと俺は英司と何度か話したことはあったらしいのだが、控えめすぎる当時の英司を完璧に認識したのはこの時だったと言うのが正しい。
大学の近くで開いたこともあって、同じ大学の奴らが結構来てくれていた。
閉館ギリギリまで同じ写真の前でずっと立ってる奴がいた。
猫背気味でお世辞にも明るいヤツには見えない。
でも、俺の一番お気に入りの写真をすんげぇキラキラした目でずっと見てた。
話してみたらやっぱり同じ大学で、写真が好きで。
櫻野英司という男がだんだん俺の中ではっきりしていく。
何とかかんとか少し強引にスマホのカメラで撮ったという写真を見せてもらった時、こいつは世界がたまらなく好きなんだと思った。
こいつの目から見える世界はこんなに綺麗なんだなって。
カメラで撮ってみたら?って言ったら気弱そうに笑ってた。
他の写真を1周して見てきたらしい女の子が寄ってきた。
それが結子ちゃんだった。
「綺麗な写真ばかりだったね」
どうも一緒に来たらしい。
どういう関係か知らないが、明るい子で笑い方が軽やかで素敵な子だった。
英司が頷く。
他の写真見てたのかどうか怪しいが。
「彼女か?デート?」
「ち、違…」
「私、小笠原先輩の高校の後輩なんですけど、先輩に高梨先輩の写真展紹介してもらったんです。
私、綺麗なものが好きで。
それで、先輩のサークルの櫻野くんも写真好きだから良かったら一緒にどうかって」
小笠原は当時付き合っていた俺の彼女だった。
美人でしっかり者の彼女は国際コミュニケーションとか何とか言うサークルに入っていて、友達に引っ張られてきた英司と知り合ったらしい。
「櫻野くんの世界はこんなに綺麗なんだね」
結子ちゃんは英司のスマホの写真をしげしげと見つめて言った。
「櫻野、お前明日も来いよ」
とは言ってもあとから聞くと俺は英司と何度か話したことはあったらしいのだが、控えめすぎる当時の英司を完璧に認識したのはこの時だったと言うのが正しい。
大学の近くで開いたこともあって、同じ大学の奴らが結構来てくれていた。
閉館ギリギリまで同じ写真の前でずっと立ってる奴がいた。
猫背気味でお世辞にも明るいヤツには見えない。
でも、俺の一番お気に入りの写真をすんげぇキラキラした目でずっと見てた。
話してみたらやっぱり同じ大学で、写真が好きで。
櫻野英司という男がだんだん俺の中ではっきりしていく。
何とかかんとか少し強引にスマホのカメラで撮ったという写真を見せてもらった時、こいつは世界がたまらなく好きなんだと思った。
こいつの目から見える世界はこんなに綺麗なんだなって。
カメラで撮ってみたら?って言ったら気弱そうに笑ってた。
他の写真を1周して見てきたらしい女の子が寄ってきた。
それが結子ちゃんだった。
「綺麗な写真ばかりだったね」
どうも一緒に来たらしい。
どういう関係か知らないが、明るい子で笑い方が軽やかで素敵な子だった。
英司が頷く。
他の写真見てたのかどうか怪しいが。
「彼女か?デート?」
「ち、違…」
「私、小笠原先輩の高校の後輩なんですけど、先輩に高梨先輩の写真展紹介してもらったんです。
私、綺麗なものが好きで。
それで、先輩のサークルの櫻野くんも写真好きだから良かったら一緒にどうかって」
小笠原は当時付き合っていた俺の彼女だった。
美人でしっかり者の彼女は国際コミュニケーションとか何とか言うサークルに入っていて、友達に引っ張られてきた英司と知り合ったらしい。
「櫻野くんの世界はこんなに綺麗なんだね」
結子ちゃんは英司のスマホの写真をしげしげと見つめて言った。
「櫻野、お前明日も来いよ」
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