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34章
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「…あの、その…氷野さんは…俺の事嫌なんですか?」
直後にやってしまったという顔をする英司
思わず笑いそうになるけれど、顔に力を入れる
ここで手を離そう
英司を自由にするの
もう彼は回復してこれまでの生活に戻るんだ
私のことを忘れる分岐点はまだ超えてない
例え、この瞬間に、英司を、傷つけてでも
「………そうです…」
「え…」
「私、あなたと一緒にいたくなくなったんです」
英司がぱちくりしている
「…それは、俺を…嫌い、…ということですか?」
嫌いなわけが無い
「…き、嫌い…です…」
視界がぼやける
ここで泣いたらダメだ
「あ、あなたといると、疲れるん、ですよ!
言葉、た、足りてないし!」
下を向いたら零れそう
一緒にいて誰より安心する
言葉も欲しい時だってそりゃあるけど、言葉だけじゃなく他の方法でも一生懸命伝えてくれて嬉しかったの
「わ、私みたいな、何も出来ない、何もしてあげられない、自己中で最低な人よりずっといい人が―」
「もういいです!」
英司が大きな声で遮る
「氷野さんに…傷ついてほしかったんじゃないです…そんな…顔をさせて…俺は、記憶のない3年の間、沢山傷つけてしまったんですね…」
違う!違う!
堪えきれなくて頬に零れ落ちる
一筋こぼれたらあとはもう抑えがきかない
「でも…氷野さん、何も出来ない、とかしてあげられないは違います…それから、自己中で最低な人も、違います…」
本当に、なんでこんなにいい人を私は傷つけているのか
自己中で最低なのは本当なのに
その時、胸に圧迫感を感じた
何で今なの
「ごめんなさい、今日はもう…」
「え…」
「こ、この後、よう…じが…」
さっきより強い圧迫感
その圧迫感とは、別に心臓が鼓動をたてている気がする
変な汗が出る
ダメ、もう少し待って
できるだけ急いで立ち上がる
もう少し待って
直後にやってしまったという顔をする英司
思わず笑いそうになるけれど、顔に力を入れる
ここで手を離そう
英司を自由にするの
もう彼は回復してこれまでの生活に戻るんだ
私のことを忘れる分岐点はまだ超えてない
例え、この瞬間に、英司を、傷つけてでも
「………そうです…」
「え…」
「私、あなたと一緒にいたくなくなったんです」
英司がぱちくりしている
「…それは、俺を…嫌い、…ということですか?」
嫌いなわけが無い
「…き、嫌い…です…」
視界がぼやける
ここで泣いたらダメだ
「あ、あなたといると、疲れるん、ですよ!
言葉、た、足りてないし!」
下を向いたら零れそう
一緒にいて誰より安心する
言葉も欲しい時だってそりゃあるけど、言葉だけじゃなく他の方法でも一生懸命伝えてくれて嬉しかったの
「わ、私みたいな、何も出来ない、何もしてあげられない、自己中で最低な人よりずっといい人が―」
「もういいです!」
英司が大きな声で遮る
「氷野さんに…傷ついてほしかったんじゃないです…そんな…顔をさせて…俺は、記憶のない3年の間、沢山傷つけてしまったんですね…」
違う!違う!
堪えきれなくて頬に零れ落ちる
一筋こぼれたらあとはもう抑えがきかない
「でも…氷野さん、何も出来ない、とかしてあげられないは違います…それから、自己中で最低な人も、違います…」
本当に、なんでこんなにいい人を私は傷つけているのか
自己中で最低なのは本当なのに
その時、胸に圧迫感を感じた
何で今なの
「ごめんなさい、今日はもう…」
「え…」
「こ、この後、よう…じが…」
さっきより強い圧迫感
その圧迫感とは、別に心臓が鼓動をたてている気がする
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ダメ、もう少し待って
できるだけ急いで立ち上がる
もう少し待って
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