Dear my...

E.L.L

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49章

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俺ってこんなにグイグイいくやつだっけ?
名前呼んでいい?とかちょっとやりすぎ?
記憶も戻ってないくせに調子に乗りすぎているかもしれない
なのに彼女は小さく頷き、ほんのりと頬を染めた
桜とかコスモスとかを背景に撮ったら映えそう
病室の白い背景でさえこんなに綺麗なのだから

よかった…とりあえず引かれなかった
いや、全てが良かったとは言えない
でも、一先ず彼女の隣にはまだいられる
彼女の貴重な時間を俺といることに使ってくれる

もしかしたら今俺の手の中にある彼女の手を永遠に握れなくなっていたかもしれないかと思うと心臓が嫌な感じに軋んだ
思わずぎゅっと握ると不思議そうな顔をした

「あのね…英司」

しばらくしてから彼女が静かに切り出した
今の病状などゆっくり説明された

「だから…あの…無理してそばにいてくれようとしないで」

「あのね、結子さん
俺、事故に遭って意識不明だったんだよね?」

やっぱり呼び捨てはハードルが高いのでひとまず結子さんと呼ぶことにした
彼女の顔が翳る
思い出したのか、悲しそうな顔になる

「病気でその…あの…いなくなってしまう事も…あるけど、それ以外でも突然いなくなっちゃうってことも…あると思うんだ
だから、その…俺は…いれる時間は、一緒にいたい
それにさ、まだ…本当の本当に決まった…わけじゃない…よね?」

あれ、何か引っかかったな
なんだろう
何か思い出せそうな気がした
でもそれは逃がしてしまった魚みたいにかすっただけで彼方に流れてしまった
大事なことな気がする
俺は思い出さなくてはいけない
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