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52章
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平日ということもあるのか、水族館は空いていた
「この水族館、クラゲの展示がすごく素敵なんだよね」
「クラゲ…好きなの?」
「クラゲとかクリオネとか綺麗だなって」
あぁ、だからあの水族館に行ったのか
調べてみたら1番力を入れているのはクラゲゾーンらしい
思い出さなくても、彼女と話して行くと彼女に関する情報が更新されていく
元々知っていただろうことなのだが、初めて知ったかのような感じがする
「クリオネは…貝、だっけ?」
「ごめん、生物学的なこととかはあまり分からなくて」
「あ、…そっか…」
貝だから好きなわけではないのか
いや、当たり前だ何言ってるんだ俺は
失敗した
「英司は何か魚好きなのある?」
「魚は…強いて言うなら…イルカ…とか…あ、でもイルカって魚…なのかな?」
彼女はくすくす笑った
「そういえば同じこと言ってたね」
「そうなの?」
「うん
それでせっかくイルカショー見てたのに、英司はショーそっちのけで考えてたよ」
うわ
他の人から聞く自分の黒歴史
なんともいたたまれない
「あ!あった!」
クラゲゾーンの中央には大きな水槽があって、クラゲたちがフワフワと踊るように揺れていた
彼女が水槽を見上げた
さっきの感じだともっとはしゃぐかと思ったのに、静かに上を見上げていた
「何だかここ、海の底みたいだよね」
深いブルーの中に俺たちは2人だけ
なのに、彼女だけまるで別世界にいる気がする
こちらを見ないで水槽をただ見つめている
何を考えているのだろう?
そのまま溶けてしまいそうな気がした
隣にいるのに、すごく遠くに行くような感じ
俺はこの感覚を
知っている
頭の中で小さな火花が散った気がする
何だ?
水族館は多分日記に残っている限りだと最後にデートした場所だったはずだ
自分の中で渦巻く思考で目眩がしそうだ
「英司?」
結子さんがこっちを見ている
俺は彼女の手を握った
溶けそうなんていう嫌な感覚を消したくて
結子さんはビックリした顔をしたけど、優しく握り返してくれた
「この水族館、クラゲの展示がすごく素敵なんだよね」
「クラゲ…好きなの?」
「クラゲとかクリオネとか綺麗だなって」
あぁ、だからあの水族館に行ったのか
調べてみたら1番力を入れているのはクラゲゾーンらしい
思い出さなくても、彼女と話して行くと彼女に関する情報が更新されていく
元々知っていただろうことなのだが、初めて知ったかのような感じがする
「クリオネは…貝、だっけ?」
「ごめん、生物学的なこととかはあまり分からなくて」
「あ、…そっか…」
貝だから好きなわけではないのか
いや、当たり前だ何言ってるんだ俺は
失敗した
「英司は何か魚好きなのある?」
「魚は…強いて言うなら…イルカ…とか…あ、でもイルカって魚…なのかな?」
彼女はくすくす笑った
「そういえば同じこと言ってたね」
「そうなの?」
「うん
それでせっかくイルカショー見てたのに、英司はショーそっちのけで考えてたよ」
うわ
他の人から聞く自分の黒歴史
なんともいたたまれない
「あ!あった!」
クラゲゾーンの中央には大きな水槽があって、クラゲたちがフワフワと踊るように揺れていた
彼女が水槽を見上げた
さっきの感じだともっとはしゃぐかと思ったのに、静かに上を見上げていた
「何だかここ、海の底みたいだよね」
深いブルーの中に俺たちは2人だけ
なのに、彼女だけまるで別世界にいる気がする
こちらを見ないで水槽をただ見つめている
何を考えているのだろう?
そのまま溶けてしまいそうな気がした
隣にいるのに、すごく遠くに行くような感じ
俺はこの感覚を
知っている
頭の中で小さな火花が散った気がする
何だ?
水族館は多分日記に残っている限りだと最後にデートした場所だったはずだ
自分の中で渦巻く思考で目眩がしそうだ
「英司?」
結子さんがこっちを見ている
俺は彼女の手を握った
溶けそうなんていう嫌な感覚を消したくて
結子さんはビックリした顔をしたけど、優しく握り返してくれた
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